著者: Koki Riho(PortfolioWise 開発者・運営者)
米中間選挙の翌営業日、S&P500は12回中9回上昇(ふだん5割強)【終値・価格指数・1978〜2022年・NISA】
投資初心者向け。米国の中間選挙(2026年は11月3日)の投票日の翌営業日、S&P500の終値(配当を含まない価格指数・米国東部時間)は、1978〜2022年の12回のうち9回上昇、すべての営業日では53.5%です。12か月後は12回とも高い値でしたが、すべての営業日から数えても79.4%です。S&P500に連動するファンドの評価額が投票日に100万円なら、2018年の最安の日は約85.3万円の単純計算です(為替・配当・信託報酬は含みません)。選挙が原因かは言えません。
米中間選挙のあと、S&P500は翌営業日と12か月後にどうなっていたか
S&P500の終値は、米中間選挙の翌営業日に、1978〜2022年の12回のうち9回上昇しました。
NISA(少額投資非課税制度)で、S&P500やオルカンを積み立てているあなたに聞きます。「選挙のあとは株が上がる」という話を、聞いたことはありませんか。2026年11月3日(火)は、米中間選挙の投票日です。
オルカンは全世界の株に投資するファンドの通称で、S&P500は米国の大企業約500社の株価指数です。
調べたのは、1978〜2022年の米中間選挙12回です。投票日の翌営業日、12か月後、12か月の間の最安の日の、S&P500の終値を並べました。比べる相手として、すべての営業日を起点(数え始めの日)にした数字も数えました。
投資初心者の方にも分かるように説明します。私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者で、記事の末尾にサービスの案内を置いています。特定の銘柄の売買や、積立額の変更は勧めません。
数字は、2026年11月2日(月)の朝(日本時間)に確かめました。基準日は、いちばん新しい取引日の2026年10月30日(金・米国東部時間)です。出典は、Cboeの日足(毎日の終値のデータ)で、表の終値もこの値です。
このデータは1975年から始まります。その中で最初の中間選挙が1978年なので、1978〜2022年の12回を数えました。12回の表の値は、Yahoo Financeの日足(^GSPC)でも同じになることを確かめました。起点は投票日の終値で、翌営業日以降を起点にした計算はしていません。
過去12回の米中間選挙、S&P500の終値はこう動いた
表に、12回の投票日と、その後の動きを並べました。表の終値は、Cboeの日足の値です。3つの変化率は、どれも投票日の終値と比べた値です。
- 翌営業日: 投票日の次の取引日の終値です
- 12か月後: 翌年の同じ月日(その日が休みなら次の営業日)の終値です。12回とも、同じ月日に取引がありました
- 最安の日: 投票日の翌営業日から12か月後までの終値のうち、いちばん低い値の日です
| 投票日(米国東部時間) | 投票日の終値 | 翌営業日の変化率 | 12か月後の変化率 | 最安の日(終値) | 最安の日の変化率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1978年11月7日 | 93.85 | +0.64% | +6.41% | 1978年11月14日(92.49) | -1.45% |
| 1982年11月2日 | 137.49 | +3.91% | +19.89% | 1982年11月23日(132.93) | -3.32% |
| 1986年11月4日 | 246.20 | +0.15% | +1.12% | 1987年10月19日(224.84) | -8.68% |
| 1990年11月6日 | 311.62 | -1.80% | +25.14% | 1990年11月7日(306.01) | -1.80% |
| 1994年11月8日 | 465.65 | -0.05% | +27.07% | 1994年12月8日(445.45) | -4.34% |
| 1998年11月3日 | 1,110.84 | +0.70% | +21.97% | 1998年11月12日(1,117.69) | +0.62%(下回る日なし) |
| 2002年11月5日 | 915.39 | +0.91% | +14.90% | 2003年3月11日(800.73) | -12.53% |
| 2006年11月7日 | 1,382.84 | +0.21% | +6.71% | 2007年3月5日(1,374.12) | -0.63% |
| 2010年11月2日 | 1,193.57 | +0.37% | +3.71% | 2011年10月3日(1,099.23) | -7.90% |
| 2014年11月4日 | 2,012.10 | +0.57% | +4.48% | 2015年8月25日(1,867.61) | -7.18% |
| 2018年11月6日 | 2,755.45 | +2.12% | +11.66% | 2018年12月24日(2,351.10) | -14.67% |
| 2022年11月8日 | 3,828.11 | -2.08% | +14.49% | 2022年11月9日(3,748.57) | -2.08% |
表の見方の例です。2018年は、Cboeの日足で、投票日(11月6日)の終値が2,755.45でした。12か月の間の最安は、12月24日の終値2,351.10で、投票日の終値より14.67%低い値です。
12か月後(2019年11月6日)は、投票日の終値より11.66%高い値でした。
12回は少ない数です。1回違うだけで、割合が8.3%ポイント動きます(1 ÷ 12 = 0.083)。%ポイントは、%どうしの差のことです。次の3つの読み方は、どれもこの少なさの中の数字です。
読み方1: 投票日の翌営業日は、12回のうち9回が上昇。すべての営業日では53.5%
投票日の翌営業日の終値が、投票日の終値より高かったのは9回、低かったのは3回です。低かったのは、1990年(-1.80%)、1994年(-0.05%)、2022年(-2.08%)でした。
すべての営業日で数えると、前の営業日より上がった割合は、12,308日のうち6,581日で、53.5%です。12回は9回で、75.0%になります。
読み方2: 12か月の間に起点の終値を下回る日があるのは、ふつうのこと
12か月の間に、投票日の終値より低い終値の日があったのは、12回のうち11回(91.7%)です。1998年だけは、下回る日がなく、最安の日の終値でも投票日より0.62%高い値でした。
すべての営業日を起点に、同じ数え方で調べました。調べる期間は、起点の翌営業日から12か月後までです。起点の終値を下回る日があったのは、12,058日のうち11,144日で、92.4%です。選挙の年に限ったことではありません。
どこまで下がったかも並べます。起点の終値から、12か月以内のいちばん安い終値までの変化率で比べます。中央値は、小さい順に並べたときの真ん中の値です。
| 起点 | 起点の終値を下回る日があった | 最安までの変化率の中央値 | -5%以下まで下がった | -10%以下まで下がった |
|---|---|---|---|---|
| 中間選挙の投票日(1978〜2022年) | 11回(91.7%) | -3.83% | 5回(41.7%) | 2回(16.7%) |
| すべての営業日(12,058日) | 11,144日(92.4%) | -4.87% | 5,936日(49.2%) | 3,740日(31.0%) |
12回の最安の日の変化率は、-7%以下が5回、-3%より浅いもの(1998年の+0.62%を含む)が5回、その間が2回でした。2018年は-14.67%(最安の日は2018年12月24日)まで下がりました。2002年は-12.53%(最安の日は2003年3月11日)です。こういう年もありました。
-10%以下まで下がった割合は、すべての営業日で31.0%、12回では2回(16.7%)です。1990年と2022年は、最安の日が投票日の翌営業日でした(1990年11月7日、2022年11月9日)。
読み方3: 12か月後は12回すべて高い値。でも、すべての営業日でも79.4%
12か月後の終値が投票日の終値より高かったのは、12回のうち12回です。変化率は、いちばん小さい1986年が+1.12%、いちばん大きい1994年が+27.07%でした。
起点を、すべての営業日(1978年1月3日〜2025年10月30日の12,058日)にします。12か月後の終値が起点より高かったのは9,575日で、79.4%です。
| 起点 | 数えた数 | 12か月後にプラス | 12か月後の中央値 |
|---|---|---|---|
| 中間選挙の投票日(1978〜2022年) | 12回 | 12回(100%) | +13.08% |
| すべての営業日(1978年1月3日〜2025年10月30日) | 12,058日 | 9,575日(79.4%) | +12.15% |
10月26日に、PFWiseのnoteで、1950年からの中間選挙19回を数えた記事を出しました。この記事は、日足を2か所のデータ(CboeとYahoo Finance)で突き合わせられる1978年以降の12回で数え直し、翌営業日と途中の動きを足しました。数え始めの年が違うので、「ふだんの割合」も違います(noteは74.7%、この記事は79.4%)。
プラスの割合は、12回が100%、すべての営業日が79.4%で、20.6%ポイントの差です。中央値は+13.08%と+12.15%です。選挙のあとだけが特別だった、とは、この数字からは言えません。
すべての営業日を起点にした数字は、起点の日が近いと12か月の期間が大きく重なります。12,058回の別々の結果ではありません。
S&P500が選挙のあとに動くと、評価額100万円はどうなる?
投票日に、S&P500に連動するファンドを持っていて、評価額が100万円だったとします。12か月後と、最安の日の評価額を計算しました。式は、評価額100万円 × (1 + 変化率)です。
2018年の最安の日なら、100万円 × (1 - 0.1467) = 85.33万円で、約85.3万円です。2018年の12か月後なら、100万円 × (1 + 0.1166) = 111.66万円で、約111.7万円です。
1日の下げを100万円に直した例は、 2026年10月30日のS&P500の下げを調べた記事 で示しています。
これは、S&P500の価格指数の変化率を、投票日の評価額にかけただけの単純計算です。次のものは含みません。為替(ドルと円の交換比率)、配当、信託報酬(ファンドを持っている間にかかる運用の費用)、基準価額が決まる日のずれです。指数とファンドの基準価額の1週間の差は、 S&P500の指数とファンドの基準価額の差を調べた記事 で並べました。
| 投票日の年 | 12か月後の評価額(投票日に100万円だった場合) | 最安の日の評価額(投票日に100万円だった場合) |
|---|---|---|
| 1978年 | 約106.4万円 | 約98.6万円 |
| 1982年 | 約119.9万円 | 約96.7万円 |
| 1986年 | 約101.1万円 | 約91.3万円 |
| 1990年 | 約125.1万円 | 約98.2万円 |
| 1994年 | 約127.1万円 | 約95.7万円 |
| 1998年 | 約122.0万円 | 約100.6万円 |
| 2002年 | 約114.9万円 | 約87.5万円 |
| 2006年 | 約106.7万円 | 約99.4万円 |
| 2010年 | 約103.7万円 | 約92.1万円 |
| 2014年 | 約104.5万円 | 約92.8万円 |
| 2018年 | 約111.7万円 | 約85.3万円 |
| 2022年 | 約114.5万円 | 約97.9万円 |
12か月後の評価額は、101.1万円(1986年)から127.1万円(1994年)の間でした。最安の日の評価額は、2018年の約85.3万円がいちばん低くなりました。1998年は約100.6万円で、100万円を下回りませんでした。
オルカン(全世界株式)は、S&P500とは別の指数に連動するので、この表の数字は当てはまりません。
この表は、投票日にまとめて持っていた場合の計算です。毎月の積立の評価額は、買う日が毎月ずれるので別の計算になり、この記事では計算しません。
毎月積立のあなたは、選挙の前後で何を見ればいいか
あなたのS&P500やオルカンの積立は、毎月、決めた金額で買う方法です。
S&P500では、12か月の間に起点の終値を下回る日があるのは、ふつうのことでした(1978年以降のすべての営業日の92.4%)。積立は、そうした月も、決めた金額で買い続ける仕組みです。
あなたの積立で買う日は、毎月何日でしょうか。11月3日は、日本では文化の日で、東京証券取引所の株式の取引は休みです(日本取引所グループの休業日一覧)。買う日が祝日にあたるときの扱いは、証券会社の積立設定の画面や案内で確かめられます。
次に見る資料と場所
まとめ
- 投票日の翌営業日は、1978〜2022年の12回のうち9回、S&P500の終値(価格指数)が上昇しました。すべての営業日では53.5%です
- 12か月の間に起点の終値を下回る日があった割合は、12回のうち11回(91.7%)、すべての営業日で92.4%でした
- 12か月後に高かった割合は、12回が12回(100%)、すべての営業日が79.4%でした
- 投票日に評価額が100万円だった場合、2018年は最安の日が約85.3万円、12か月後が約111.7万円の計算です
100万円の例は、S&P500の価格指数の変化率を、S&P500に連動するファンドの評価額にかけただけの単純計算で、為替・配当・信託報酬は含みません。
私は、選挙の前後で積立の設定を変える手がかりは、この12回の数字からは見つからなかったと考えます。翌営業日の上昇も、12か月後のプラスも、すべての営業日の数字と並べると、12回だけでは選挙の影響と決められません。途中で起点の終値を下回る日があることは、91.7%と92.4%で、ほぼ同じでした。
関連書籍(もっと学びたい方へ)
サイコロジー・オブ・マネー
モーガン・ハウセル
お金の判断が、計算だけでなく、気持ちや行動にも左右されることを書いた本です。「選挙のあとは上がる」のような話を聞いて気持ちが動いたときに、読み返したい人に向いています。
JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則
ニック・マジューリ
つみたて投資の根拠を、データで示した本です。積立を続ける理由を、数字で確かめたい人に向いています。
通勤中に投資本を「聴く」という選択肢
Amazonが運営するオーディオブックサービスAudibleは30日間無料体験可能。紹介した投資本の多くがラインナップにあり、通勤・家事・運動中のスキマ時間にインプットできます。体験期間中に解約すれば料金は発生しません。
参考資料
-
Cboe「S&P 500 Index (SPX) 日次データ」(1975年1月2日〜2026年10月30日の終値。価格指数。2026年11月2日に取得。「DATE」列と「SPX」列)
https://cdn.cboe.com/api/global/us_indices/daily_prices/SPX_History.csv -
合衆国法典(U.S. Code)第2編第7条「Time of election」(Cornell Law School Legal Information Institute の掲載。下院議員などの選挙日)
https://www.law.cornell.edu/uscode/text/2/7 -
アメリカ合衆国憲法 第2条第1節(Cornell Law School Legal Information Institute の掲載。大統領の任期は4年)
https://www.law.cornell.edu/constitution/articleii -
日本取引所グループ「営業時間・休業日一覧」(休業日一覧に「2026/11/03(火) 文化の日」。2026年2月6日更新)
https://www.jpx.co.jp/corporate/about-jpx/calendar/index.html -
内閣府「国民の祝日について」の祝日一覧CSV(2026年11月3日は文化の日)
https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/syukujitsu.csv -
Yahoo Finance「S&P 500 (^GSPC)」の日足(Cboeの値との突き合わせに使用)
https://finance.yahoo.com/quote/%5EGSPC/history/
免責事項
※記事の数字は2026年11月2日(月)の朝(日本時間)に確認したものです。S&P500の値は、Cboeの日足の、米国東部時間の終値(価格指数)で、配当を含みません。終値の水準(2,755.45など)は、Cboeの日足の値です。別の機関が公表した値とは突き合わせていません。Yahoo Financeの日足とは突き合わせました。
※投票日は、合衆国法典第2編第7条の定め(11月の最初の月曜日の次の火曜日)から求めた日で、12回とも取引のあった日です。翌営業日は、投票日の次の取引日です。12か月後は、翌年の同じ月日(休みなら次の営業日)の終値で、12回とも同じ月日に取引がありました。起点は投票日の終値で、翌営業日以降を起点にした計算はしていません。
※最安の日は、投票日の翌営業日から12か月後までの終値のうち、いちばん低い値の日です。変化率は、どれも投票日の終値と比べた値です。1998年だけは、12か月の間に投票日の終値を下回る日がなく、最安の日の終値が投票日の終値より高い値でした。
※すべての営業日の数字は、Cboeのデータで、1978年1月3日から2025年10月30日までの12,058日を起点にして、12回と同じ規則で数えた値です。起点の翌営業日から12か月後までの期間を調べ、2月29日が起点の日は、翌年の2月28日(休みなら次の営業日)までとしました。起点が近い日は12か月の期間が重なるので、12,058回の別々の結果ではありません。12回の期間は重なりません。翌営業日の割合は、1978年1月4日から2026年10月30日までの12,308日の、前の営業日の終値と比べた値です。
※「最安までの変化率」は、起点の終値から、その期間のいちばん低い終値までの変化率です。高値から安値までの下落(最大ドローダウン)とは別の数字です。中央値は、小さい順に並べた真ん中の値で、12回は6番目と7番目の平均です。
※10月26日のnoteは、1950年からの中間選挙19回を、Yahoo Financeの日足を中心に数えたものです。この記事は1978年以降の12回で、Cboeの日足を主に数え直しました。数え始めの年が違うため、ふだんの割合(基準率)も違います。
※100万円の例は、S&P500に連動するファンドの評価額に、価格指数の変化率をかけた単純計算です。為替、配当、信託報酬、税、基準価額が決まる日のずれは含みません。万円の値は、小数第2位を四捨五入しています。オルカン(全世界株式)は別の指数に連動するので、この数字は当てはまりません。
※選挙の結果の予想や、政党・政策の株価への影響は、この記事では扱っていません。上がった日、下がった日の理由も調べていません。
※過去の実績は、将来の相場や運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却や、積立額の変更を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。Audibleの案内も、同じくAmazonアソシエイトのリンクです。