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著者: (PortfolioWise 開発者・運営者)

米9月CPIはコア前年比2.6%に上昇。同じ日にS&P500は-1.11%、NISAの積立は変える?【2026年10月14日】

投資初心者向け。10月14日(米国時間)発表の米9月CPIは、コアの前年比が2.6%(8月は2.4%)。総合の前月比+0.6%の半分以上はガソリンでした。BLSの内訳と米国債の利回りを確かめ、同じ日のS&P500・オルカンの100万円に置き換えて計算しました。

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米国の物価発表(CPI)の翌朝、積立を止めるか迷ったら

投資初心者の方向けに、米国の9月のCPIの中身を公式のデータで確かめました。 同じ日の米国株と米国債の利回りも調べ、オルカンとS&P500の100万円に置き換えて計算しています。

先にお伝えしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で、自分のサービスにも少しだけ触れます。

記事の数字は、2026年10月15日朝(日本時間)に確認した、米国10月14日の終値と公表値です。15日の東京市場の動きは反映していません。

「米国の物価、伸びが加速」「米国株が下落」。朝のニュースでこんな見出しを見て、「今月のNISAの積立、止めたほうがいいのかな」と思った方もいるでしょう。NISAは、運用で得た利益に税金がかからない国の制度です。まず物価の中身を見て、そのあとで自分のお金に置き換えます。

9月の米国の物価(CPI)は前年比3.7%、食品とエネルギーを除くと2.6%

9月分のCPIは、米国時間10月14日の午前8時30分(日本時間21時30分)に発表されました。

1年前と比べた上昇率(前年比)は、総合が3.7%で、8月の3.4%から上がりました。コアは2.6%で、8月の2.4%から上がりました。

前の月と比べた上昇率(前月比・季節調整済み)は、総合が+0.6%(8月は+0.4%)、コアが+0.3%でした。コアの+0.3%は8月と同じです。

コアの前年比は上がりましたが、月ごとのペースは発表値(小数第1位)では8月と同じ+0.3%で、速まっていません。前年比は1年分の動きを積み上げた数字なので、1年前の9月の上がり方との差でも動きます。

主役はガソリン。ほかの物価にどこまで広がった?

9月に目立ったのはガソリンです。前月比で+9.1%上がりました。BLSの発表文は、総合の前月比の上昇の半分以上をガソリンが占めたと書いています。エネルギー全体では前月比+5.2%(8月は+2.1%)、前年比では+20.4%です。

では、エネルギー高はほかのモノやサービスの値段にどこまで広がったのでしょうか。BLSの内訳を、前月比で並べます。

  • 食品: 変わらず。家で食べる食品は-0.1%、外食は+0.2%
  • 住居: +0.4%(8月は+0.3%)
  • 航空運賃: +1.2%
  • 中古車: +0.7%
  • 娯楽: +0.5%
  • 通信: -0.2%

私の読み方はこうです。9月の数字では、エネルギー高はガソリンに大きく出ていて、コアの月ごとのペースは8月と同じでした。食品も横ばいです。一方で、住居や航空運賃のように、コアの中にも上がった項目があります。それぞれがエネルギー高の影響なのかどうかは、この統計だけでは分かりません。広がったかどうかは、10月分以降のコアの前月比を続けて見て判断したい、と私は考えています。

同じ日の米国株と米国債の利回り

10月14日(米国時間)の終値は次のとおりです。

  • S&P500: 7,718.94(前日比-86.51、-1.11%)
  • ナスダック総合: 26,692.87(-511.51、-1.88%)
  • ダウ平均: 51,621.48(-48.62、-0.09%)

S&P500は米国の代表的な500社、ダウ平均は米国の代表的な30社、ナスダック総合はIT企業が多く上場する米国のナスダック市場の株でつくる指数です。S&P500は、10月6日に終値の最高値7,818.93をつけていました。14日の終値は、そこから1.28%下です。最高値をつけた10月6日から、土日を含めて8日後の下げでした。

CPIの発表と同じ日に下げた、というところまでは事実です。下げた理由をCPIだけに決めることは、終値の数字からはできません。前回のCPI発表の日を取り上げた 9月11日の記事 では、米国株は反発していました。CPIの日に株がどちらへ動くかは、毎回同じではありません。

米国債の利回りは、2年債が4.79%から4.82%に上がり、10年債が5.21%から5.19%に下がりました(13日→14日)。短い年限が上がり、長い年限が下がった形です。近い時期の利上げを見込む動きとも合いますが、市場の参加者が実際にそう考えたかどうかは、利回りの数字だけでは確かめられません。

9月の米国の金利会合(FOMC)の議事要旨に書かれていたこと

9月15〜16日のFOMCでは、FF金利の誘導目標を3.75〜4.00%に引き上げました( 9月18日の記事 で取り上げています)。その会合の議事要旨が、10月7日に公表されています。今後の金利について、議事要旨の原文はこう書いています。

“most participants assessed that another increase in the target range for the federal funds rate would likely be appropriate by year end.”

訳すと「大半の参加者は、年末までにFF金利の誘導目標をもう1回引き上げるのが適切になりそうだと判断した」です。すぐあとの文で、参加者は次のように強調しています。

“Participants emphasized, however, that they approached each meeting with an open mind and decisions at future meetings would depend on incoming information and its implications for the outlook and the balance of risks.”

訳すと「ただし参加者は、毎回の会合に予断を持たずに臨むこと、今後の会合での決定は新しく入る情報と、それが見通しとリスクのバランスに与える影響によって決まることを強調した」です。つまり、次の会合で何を決めるかは、そのとき出ているデータしだい、という意味です。

エネルギーについての記述もあります。多くの参加者は、エネルギー価格の高い状態が長く続くほど、一部の業種のコスト増がより広い物価上昇につながるリスクが大きくなる、と判断していました。これは9月の会合での議論で、今回のCPIより前の内容です。私は9月のCPIをこの議論の答えとしては読まず、10月27〜28日(米国時間)の次のFOMCが「新しく入る情報」をどう扱うかを見る材料の1つとして受け止めています。

あなたの100万円なら

計算は「評価額 × 変化率」です。変化率は、前日比の値幅を前日の終値で割って出します。

  • S&P500と同じ動きの100万円: 100万円 × (86.51 ÷ 7,805.45) = 約11,083円で、約11,100円の減少
  • ナスダック総合と同じ動きの100万円: 100万円 × (511.51 ÷ 27,204.38) = 約18,802円で、約18,800円の減少
  • ダウ平均と同じ動きの100万円: 100万円 × (48.62 ÷ 51,670.10) = 約941円で、約900円の減少

オルカンは、「100万円 × 米国の比率 × S&P500の変化率」で目安を出します。

100万円 × 63.4% × 1.108% = 約7,025円で、約7,000円の減少

この計算では、米国以外の株は動かなかったものとして扱っています。オルカンの米国の部分が、S&P500と同じ率で動いたとも仮定しています。為替の動きと信託報酬(ファンドを持っている間かかる手数料)は入れていません。実際の基準価額(投資信託の値段。1万口あたりで表示されます)は、米国以外の株や為替の動きも入って決まるので、この目安とずれます。

月3万円を積み立てている人なら、どう考えればよいでしょうか。積立の金額は円で決まっているので、値段が下がった日に買付があれば、同じ3万円で買える口数が増えます。値段が1%下がっていれば、口数は約1%多くなります(1 ÷ 0.99 ≈ 1.01)。ただ、その後に値段が戻るかどうかは分かりません。口数が増えることと、損をしないことは別の話です。

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物価が上がり続けるとどうなる?

総合CPIの指数で見ると、米国で1年前に100ドルだった買い物は、今は約103.7ドルです(100ドル × 336.940 ÷ 324.800。指数は季節調整なし)。これは米国の物価で、日本の物価ではありません。

ポートフォリオで見ると、物価が上がり続けたときに目に見えて目減りするのは現金です。銀行に置いた100万円は、金額が100万円のままでも、買えるモノの量が減ります。株の場合は、会社の売上も費用も物価と一緒に動くので、影響は会社ごとに違います。値上げしやすい会社もあれば、コストだけが増える会社もあります。

もう1つの経路は金利です。物価の上昇が続けば、FRBが政策金利を上げる理由の1つになります。

金利が上がるとどうなる?

政策金利が上がると、お金を借りるコストが上がります。住宅ローンや企業の借入れの金利が上がれば、家計の買い物や企業の投資にブレーキがかかりやすくなります。

株の値段にも経路があります。株の値段は、会社が将来かせぐ利益を今の価値に直したもの、という考え方があります。金利が高いほど、将来の利益を今の価値に直すときの割引が大きくなります。利益の多くを遠い将来に見込まれている会社ほど、この影響を受けやすいとされます。

この日は、ナスダック総合の下げ幅がS&P500より大きくなりました。ただ、1日の値動きだけで、その理由を金利と決めることはできません。

あなたのポートフォリオで見ると、オルカンの月次レポートでは、業種別で情報技術が32.4%を占めます(2026年9月30日現在)。金利の話題で値動きが大きくなりやすい会社も入っている、ということは知っておいてよいと私は思います。

積立は変える?

私は、この1日の値動きを理由に、積立の金額や設定を変えなくてよいと考えます。理由は2つあります。

1つ目は、下げの大きさです。S&P500の最高値の日に100万円だった分は、14日の終値で約12,800円の減少です(100万円 × 1.28%)。毎月3万円を積み立てる人にとっては、半月分の1万5,000円より少ない金額です。

2つ目は、次の判断材料がまだ出ていないことです。10月27〜28日のFOMCで何が決まるかは、まだ誰にも分かりません。議事要旨自身が、今後の決定は新しく入る情報しだいだと書いています。1つの統計で設定を変えるのは、まだ出ていない結果に賭けることに近い、と私は考えます。

見直すきっかけにするなら、家計の変化のほうがよいと私は思います。生活費の何か月分を現金で持っているか。目標の配分から大きくずれていないか。こちらはCPIの結果に関係なく、自分で確かめられます。

今日から確認しておくとよいこと

まとめ

  • 9月のCPIは、総合の前月比の上昇の半分以上をガソリンが占め、コアの月ごとのペースは8月と同じでした
  • 同じ日に米国株は下げ、2年債の利回りは上がり、10年債の利回りは下がりました
  • 9月のFOMC議事要旨は、今後の決定は新しく入る情報しだいだと書いています。次の会合は10月27〜28日です

次に「物価の伸びが加速」のような見出しを見たら、まず内訳でガソリンとコアを分けてみてください。そのうえで、評価額 × 変化率で自分の金額を出せば、積立を変えるかどうかを金額で考えられます。

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参考資料

免責事項

※記事の数字は2026年10月15日朝(日本時間)に確認したもので、15日の東京市場の動きは反映していません。
※CPIの値は、BLSの発表文(2026年10月14日午前8時30分 米国東部時間、日本時間21時30分)にもとづきます。前年比は季節調整なし、前月比は季節調整済みの値です。「1年前に100ドルの買い物」の計算は、BLSの指数(CPI-U総合・季節調整なし。2025年9月が324.800、2026年9月が336.940)から計算しました。
※株価指数は米国10月14日の終値(現物)です。3指数の終値と値幅は、AP通信のまとめ(WTOP掲載)の値です。前日比の率は、値幅を前日の終値で割った計算値です(AP通信の率は小数第1位までの表記)。ナスダック総合はNasdaqの公式データ、ダウ平均はFREDでも、値が一致することを確認しました。前日の終値(7,805.45)と10月6日の終値の最高値(7,818.93)はFREDの値です。
※米国債の利回りは、米財務省のDaily Treasury Par Yield Curve Ratesの値(10月13日と14日)です。
※議事要旨の引用は、FRBが2026年10月7日に公表した9月15〜16日会合の議事要旨の原文です。訳は運営者によるものです。
※オルカンのアメリカの比率(63.4%)と情報技術の比率(32.4%)は、三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート(2026年9月30日現在)の値です。比率は毎月変わります。
※記事内の金額は概算です。オルカンの目安は、米国の部分がS&P500と同じ率で動き、米国以外の株は動かなかったものとして計算しています。為替の動きと信託報酬などのコストは含めていません。実際の基準価額の増減とは一致しません。
※過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。Audibleの案内も、同じくAmazonアソシエイトのリンクです。