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著者: (PortfolioWise 開発者・運営者)

日銀0.25%利上げで1.25%(31年ぶり)、なのに円安157円・日経平均+882円——「利上げ=円高」が起きなかった理由とあなたのオルカン・S&P500への影響【2026年9月18日】

投資初心者向け。2026年9月18日、日銀が政策金利を1.00%→1.25%(31年ぶり水準)に利上げ、16日にはFRBも3.75-4.00%に利上げ。にも関わらずドル円は153円台から157円台へ円安進行、日経平均は+882円。理由とオルカン・S&P500への影響を解説。

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日銀0.25%利上げで1.25%(31年ぶり)、なのに円安157円・日経平均+882円——「利上げ=円高」が起きなかった理由とあなたのオルカン・S&P500への影響【2026年9月18日】

投資初心者でも分かるように解説します。

(はじめにお断りしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で自分のサービスにも触れます。)

2026年9月、日米の中央銀行が相次いで利上げに動きました。米FRB(連邦準備制度理事会)は9月16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFF(フェデラルファンド)レートを3.50〜3.75%から3.75〜4.00%へ引き上げ、投票は12対0の全会一致でした。そして2日後の9月18日、日本銀行も金融政策決定会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げました。1995年以来およそ31年ぶりの水準です。多くの市場参加者は「日銀が利上げをすれば、日米の金利差が縮まって円高が進む」というシナリオを事前に描いていました。しかし、実際に起きたのはその逆でした。今日は、何が起きたのか、そしてなぜ「教科書通り」にならなかったのか、あなたが積み立てているオルカンやS&P500にどう関わってくるのかを順番に整理していきます。

何が起きたか——FRBと日銀、2日差で相次いだ利上げ

まず米国です。FRBは9月16日のFOMCで、FFレートを3.75〜4.00%へ引き上げることを12対0の全会一致で決定しました。複数の報道機関が「3年ぶりの利上げ」と伝えています。FRBは声明で「経済活動は着実なペースで拡大している」とし、雇用については「雇用の増加は労働力の伸びに見合っており、失業率はほとんど変化していない」と評価する一方、「インフレは依然として高い水準にある」とし、今回の利上げが「2%目標へのより早期の回帰を支援する」と説明しました。

その2日後の9月18日、今度は日本銀行が金融政策決定会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げました。0.25%(25ベーシスポイント)の利上げで、1995年以来およそ31年ぶりの高水準です。ただしFRBとは違い、全会一致ではありませんでした。日本銀行の公式発表によれば、会合では賛成7反対2でこの決定がなされ、浅田委員は据え置くことが望ましいとして、佐藤委員はこのタイミングでの利上げは適切ではないとして、それぞれ反対しました。

なぜ「利上げ=円高」にならなかったのか——織り込み済みと反対票というブレーキ

日銀が利上げに動けば、日米の金利差が縮まり円高が進む——これは一般的な理屈としては間違っていません。実際、低金利の円を借りて高金利のドル資産で運用する「円キャリートレード」は、金利差が縮まるほど妙味が薄れ、巻き戻し(借りた円を買い戻す動き)が円高要因になるとされます。

ただし今回は、この理屈がそのまま当てはまらない大きな理由がありました。FRBも2日前の9月16日に、日銀と同じ0.25%の利上げをしていたのです。日銀の利上げで金利差が縮まるはずの一方、FRBの利上げは金利差を維持する方向に働きます。両方が同時に起きたため、日米の金利差はほとんど縮まりませんでした。「日銀が利上げをすれば金利差が縮まる」という前提条件が、そもそも今回は成立していなかったことになります。

実際のドル円の動きを日付ごとに見ると、この構図がよく分かります。9月11日には153円台だったドル円は、FOMCが開催された9月16日には156円台まで、日銀会合より先に3円近く円安が進んでいました。そして日銀会合当日の9月18日には157円台まで、さらに円安が進みました。つまり今回の円安の大部分は、日銀会合よりも先にFRBの利上げに反応して進んでいたことになります。

日銀会合当日分の値動きについては、市場報道が主に次の2つの理由を指摘しています。

①利上げ自体はすでに市場へ十分「織り込み済み」だったこと。市場参加者の多くが事前に「日銀は利上げするはずだ」と予想し、その前提で取引していたため、実際に利上げが決まっても「想定通り」であり、新たな驚き(サプライズ)にはならなかったとされます。

②2名の反対票が「日銀は決まったペースで利上げを続けるとは限らない」というメッセージとして受け止められたこと。全会一致ではなく反対票が出たことで、市場は「次の利上げも当然のように続く」とは見なさなくなり、より積極的な追加利上げを期待していた投資家の失望を招いたと報じられています。

つまり、「日銀が利上げをした」という事実そのものよりも、「利上げは予想通りだったか」「今後も利上げが続きそうか」という市場の期待値との比較のほうが、為替の値動きを左右したことになります。これは初心者が特に見落としやすいポイントです。ニュースの見出し(利上げした/しなかった)だけを見て為替の方向を予測しようとすると、今回のように逆方向に外れることがあります。

株式市場の反応——FOMC当日は急落、翌日反発、日銀会合当日は日経平均が上昇

為替と違い、株式市場の反応は一様ではありませんでした。米国では、FOMC当日の9月16日、S&P500は前日比0.45%安の7,551.81ポイントまで下落しました。利上げの内容自体は予想通りでしたが、FRB議長ウォーシュ氏が記者会見で「インフレは依然として高すぎる状態が長く続いている」と述べ、追加利上げに積極的な姿勢(タカ派)を示したと受け止められ、先行きへの不透明感が強まったためとされています。ダウ工業株30種平均も前日比631ドル21セント安(-1.21%)まで下落しました。

ところが翌9月17日には一転して反発し、S&P500は前日比85.95ポイント高(+1.14%)の7,637.76ポイントまで値を戻しました。原油価格の下落(WTI原油が1%程度下落)や、前日にFOMC後の一時5%超えを受けて上昇していた米長期金利(10年国債利回り)が低下に転じたことが支援材料になったと報じられています。

日本では、日銀会合当日の9月18日、日経平均株価は前日比882円70銭高(+1.38%)の65,018円95銭まで上昇しました。利上げの内容が事前予想の範囲に収まったことに加え、円安の進行が輸出企業の業績期待を後押しした面もあるとみられます。

このように、株式市場は「利上げ後に一方的に上昇した」わけではなく、FOMC当日の急落とその翌日の反発、そして日銀会合当日の上昇という、値動きの大きい1週間でした。為替と同様に、株価の反応も「利上げしたかどうか」そのものより「発言の内容が予想とどれだけ違ったか」に左右された形です。

円安が進むとどうなる? あなたへの3つの影響

ここからは、円安が進むと一般的にどんな経路であなたの生活や資産に影響するのかを見ていきます。

①外貨建て資産(オルカン・S&P500など)の円換算評価額は増えやすくなる: オルカンやS&P500に連動する投資信託の多くは、為替ヘッジをしない(為替変動の影響をそのまま受ける)タイプです。円安が進むと、ドルで見た株価が同じでも、円に換算した評価額は増える方向に働きます。具体的な計算は次の章で見ていきます。

②輸入品・ガソリン・海外旅行のコストは上がりやすくなる: 円安は外貨建ての輸入コストを引き上げる方向に働きます。原油はドルで取引されるため、円安が進むとガソリン価格などにも上昇圧力がかかりやすくなります。海外旅行や、輸入した食品・日用品の価格にとっても円安はマイナス材料です。円安は資産運用の面ではプラスに働く一方、生活コストの面では負担が増える可能性がある、という点は覚えておく価値があります。

③輸出企業の業績には追い風になりやすい: トヨタ自動車やソニーグループのような輸出企業は、海外で得た売上をドルなど外貨で受け取り、円に換算して決算を発表します。円安が進むと、海外売上を円換算した金額が増えるため、業績への期待が強まりやすくなります。日経平均は輸出関連の大型株を多く含むため、円安の進行が日経平均の追い風の一つになり得ます(会合当日の上昇にも、この期待が一部影響したとみられます)。

あなたのオルカン・S&P500への影響は? 円安が効いた分だけ計算してみる

タケシさん(本サイトが投資初心者〜中級者の読者像として想定している人物です)のように、オルカンやS&P500を毎月積み立てている場合、今回のドル円の動きだけを取り出して、円換算の評価額にどんな影響があったかを計算してみましょう。

仮に100万円分のS&P500連動の投資信託(為替ヘッジなし)を保有していたとして、ドル円が9月11日の154円48銭(同日の高値)から9月18日の157円台(日中の値動きベース)まで動いた(約1.6%の円安)とすると、為替の変動だけで円換算の評価額は次のように計算できます。

100万円 × (157 ÷ 154.48) ≈ 101万6,000円

為替の変動だけで、円換算では1万6,000円ほどプラスに働く計算です(※信託報酬やスプレッド等のコストは含まない単純計算。実際の基準価額の変動とは異なります)。米国株自体は前述のとおりFOMC当日に下落し翌日に反発するなど値動きが大きく、この試算には含めていません。日本株に投資している部分については、日経平均が日銀会合当日に大きく上昇した点が別途の追い風として働いています。

一方で、オルカンの場合は国別構成比率でアメリカが最大(6割程度)を占めるものの、日本やその他の国・地域にも分散されているため、S&P500に100%連動する商品よりも、為替変動の影響がいくらか緩和されやすい構造になっています。ドル円と日銀・FRBの金融政策の関係については、こちらの記事でも解説しています。

NISAつみたて投資枠でオルカンやS&P500を毎月一定額積み立てている場合、こうした為替の変動に一喜一憂して積立額を変える必要はありません。今回はたまたま円安・株高が重なりプラスに働きましたが、次回は逆に振れる可能性も当然あります。ドルコスト平均法(価格が変動する商品を定期的に一定額ずつ買い続ける手法)の考え方に立てば、どちらの方向の値動きも長期的な積立の一部として淡々と受け止めることができます。

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まとめ: 「利上げ=円高」は思い込み。金利差が縮まらなかったことが今回の核心

  • 米FRBは9月16日のFOMCでFFレートを3.75〜4.00%へ利上げ(12対0の全会一致)。複数の報道機関が「3年ぶりの利上げ」と伝えている
  • 日本銀行は9月18日の会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げ。1995年以来およそ31年ぶりの水準だが、賛成7反対2(浅田委員・佐藤委員が反対)で決定された
  • FRBも日銀と同じ0.25%を利上げしたため日米の金利差はほとんど縮まらず、ドル円は円高ではなく円安方向に進行。9月11日の153円台→FOMC直後の9月16日に156円台→日銀会合当日の9月18日に157円台と、一貫して円安が進んだ
  • 日銀会合当日分の値動きには、利上げが事前に織り込み済みだったことと、反対票が「利上げペース鈍化」のメッセージと受け止められたことも影響したとされる
  • 株式市場は一様ではなかった。米国株はFOMC当日(9/16)に急落(ダウ-631.21ドル/-1.21%)し翌日(9/17)に反発(S&P500+1.14%)、日経平均は日銀会合当日(9/18)に+882円70銭(+1.38%)上昇した
  • ドル円の変動だけを取り出すと、100万円のS&P500資産を例にすると為替差益だけで1万6,000円程度のプラスになる計算(米国株自体の値動きは含まず)

「利上げ=円高」「利上げ=株安」といった単純な図式は、ニュースの見出しとしては分かりやすいものの、実際の市場では必ずしもその通りに動きません。今回のケースは、値動きを決めるのは「何が起きたか」だけでなく「市場がそれをどれだけ事前に予想していたか」であることを示す、良い教材になりました。

PFWiseのポートフォリオ診断では、保有商品の国別・通貨別の構成比率や、為替ヘッジの有無を確認できます。日米の金融政策が大きく動いたこのタイミングで、自分のポートフォリオがどれだけドル建て資産に依存しているかを一度可視化してみることをおすすめします。

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免責事項

※米FRBが2026年9月16日のFOMCでFFレートを3.50〜3.75%から3.75〜4.00%へ引き上げたこと(12対0の全会一致)、および声明文の内容(「経済活動は着実なペースで拡大している」「インフレは依然として高い水準にある」「2%目標へのより早期の回帰を支援する」等)は、FRB(連邦準備制度理事会)公式声明(2026年9月16日)にもとづきます。今回の利上げが「3年ぶり」であることは、CNBC・Fox Business等、複数の報道機関が共通して伝えている内容にもとづきます。
※日本銀行が2026年9月18日の金融政策決定会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げたこと(1995年以来およそ31年ぶりの水準)、この決定が賛成7反対2でなされたこと、浅田委員が据え置くことが望ましいとして、佐藤委員がこのタイミングでの利上げは適切ではないとしてそれぞれ反対したことは、日本銀行公式「当面の金融政策運営について」(2026年9月18日)にもとづきます。利上げが事前に市場へ十分織り込まれていたことはKarmactive「Bank of Japan rate hits 1.25%, highest since 1995」の報道にもとづき、反対票が今後の利上げペースへの期待を後退させ円安要因になったとの見方は、同記事に加えBloomberg・FXStreet・Yahoo Finance等、複数の市場報道で共通して指摘されている内容にもとづきます。
※ドル円が2026年9月18日時点で156円86銭前後(前営業日比+0.58%)で推移したことは、Trading Economics「Japanese Yen」の実測値にもとづきます。同日中に157円台(報道によっては158円台)まで下落する場面があったことは、複数の市場報道(Bloomberg・FX Leaders・日本経済新聞等)でも伝えられています。9月11日時点でドル円がニューヨーク時間に154円48銭から153円24銭の間で推移していたことは、財経新聞「9月11日のNY為替概況」の報道にもとづきます。FOMC直後の9月16日にドル円が156円台まで上昇していたこと、その要因がFOMCの「予想外のタカ派利上げ」と受け止められ日米金利差拡大への期待からドル買いが優勢になったことは、ザイFX!「米9月FOMCは予想外のタカ派利上げ、ドル大幅続伸」およびザイFX!「ドル円、156円台乗せ FOMC金利見通し」の報道にもとづきます。
※日経平均株価が2026年9月18日大引けで前日比882円70銭高(+1.38%)の65,018円95銭だったことは、財経新聞「日経平均大引け:前日比882.70円高の65018.95円」にもとづきます。S&P500種指数が2026年9月16日(FOMC当日)に前日比0.45%安の7,551.81まで下落したこと、ダウ工業株30種平均が前日比631ドル21セント安(-1.21%)まで下落したこと、FRB議長ウォーシュ氏のタカ派的な発言が要因とされることは、Yahoo Finance「Stocks Tumble as Fed Hikes Interest Rates and Signals More to Come」およびCNBC「Dow drops 600 points as Fed rate hike and Warsh's inflation talk unnerve investors」の報道にもとづきます。S&P500種指数が2026年9月17日終値で前日比85.95ポイント高(+1.14%)の7637.76だったこと、原油価格の下落や米長期金利の低下が支援材料になったことは、OANDA「S&P500の振り返りと見通し」およびYahoo Finance「Dow, S&P 500, Nasdaq rebound as bond yields slip, oil eases」にもとづきます。
※記事内の金額試算(100万円のドル建て資産を例にした為替変動による円換算評価額の計算)は、記載した為替レートをそのまま乗じた簡易な概算であり、信託報酬・スプレッド等のコストや実際の基準価額の変動は考慮していません。実際の評価額の増減とは異なります。上記の通りドル円は9月11日から9月18日にかけて153円台から157円台まで動きましたが、試算では同一日(9月11日)のNY時間レンジ内で最も円安側だった154円48銭を起点に採用しています。オルカンの国別構成比率(アメリカ6割程度)は、三菱UFJアセットマネジメント公式月次レポート(2026年8月31日基準・アメリカ62.8%)にもとづく概数です。
※「利上げ=円高」「織り込み済み」といった説明は、一般的に紹介される金融市場の考え方にもとづく概説であり、今後のドル円相場・金融政策・株式市場の動きを確定的に予測するものではありません。
※過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。トヨタ自動車・ソニーグループ等の個別企業名は、円安が輸出企業に与える影響を説明するための一般的な例として挙げたものであり、特定銘柄への投資を推奨する趣旨ではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。