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日経平均、一時1,573円安からわずか1日でV字回復——ウォーシュFRB議長のタカ派発言で9月利上げ確率54〜60%程度に。あなたのオルカン・S&P500への影響は?【2026年8月31日時点】

投資初心者向け。日経平均は8/31、前日比一時2.4%急落後にV字回復し終値-0.14%。背景はウォーシュFRB議長のタカ派発言で9月利上げ確率54〜60%程度に上昇。日経平均とオルカン・S&P500は別指数である点も解説。

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日経平均、一時1,573円安からわずか1日でV字回復——ウォーシュFRB議長のタカ派発言で9月利上げ確率54〜60%程度に。あなたのオルカン・S&P500への影響は?【2026年8月31日時点】

投資初心者でも分かるように解説します。

(はじめにお断りしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で自分のサービスにも触れます。)

2026年8月31日(月)の東京株式市場で、日経平均株価が朝方に急落したあと、その日のうちにほぼ全戻しするという値動きになりました。前日終値からの下げ幅は一時1,500円を超えましたが、終値では100円に満たない下落で収まっています。きっかけは週末前の8月28日(金)、米ワイオミング州で開かれたジャクソンホール会合でのウォーシュFRB議長の講演でした(この会合を控えた金価格の動きは別記事(8月17日時点)で解説しています)。この記事では、何が起きたのかを時系列で整理したうえで、「日経平均が動いた」というニュースだけを見て、オルカンやS&P500を積み立てているあなたが慌てる必要があるのかどうかを、具体的な数字で確認していきます。

まず何が起きたか——ジャクソンホールのタカ派発言から、月曜の日経平均急落・V字回復まで

時系列で確認します。2026年8月28日(金)、ジャクソンホール会合(米ワイオミング州で毎年開かれる中央銀行関係者の経済シンポジウム)でウォーシュFRB議長が講演を行いました。議長は、直近のCPI(消費者物価指数)やPCE(個人消費支出)物価指数について「予想されていたよりは良い数字だが、基調的な改善を示すには至っていない」との認識を示し、インフレ率を2%目標に戻すには「まだやるべきことがある」と述べました。この発言は市場からタカ派(利上げなど金融引き締めに積極的な姿勢)と受け止められました。

講演を受けて、米国の短期金利に敏感な2年国債利回りはこの日だけで約0.12%上昇し、「過去2か月余りで最も大きい短期金利の動き」と報じられました。株式市場では、S&P500が前日比-0.25%の7,711.76、ナスダック総合指数が-0.52%の26,402.42、ダウ工業株30種平均が-0.02%の53,559.99で、8月28日の取引を終えています。

週末を挟んだ8月31日(月)、東京市場が最初にこの流れを引き継ぐ形になりました。日経平均は前日終値の66,405.56円(31日終値66,311.93円に、報じられた下落幅93.63円を足した水準)から売りが先行し、一時64,832.10円まで下げました。下げ幅は1,573円あまり、率にして約2.4%です。米国の利上げ観測の高まりに加えて、この日は半導体関連株の軟調さも重なったと報じられています。

ところが、この安値のあたりで押し目買い(株価が下がった局面を「買い場」ととらえて買いを入れること)が入り始め、日経平均は午後にかけて急速に値を戻しました。最終的な終値は66,311.93円(前日比-93.63円、-0.14%)。安値からの戻り幅は約1,480円(約2.3%)に達し、「一時1,500円超下げた指数が、その日のうちにほぼ全戻しした」という値動きになりました。東証株価指数(TOPIX)はこの日+0.23%の4,156.29で取引を終え、上昇して終わっています。

9月FOMCの利上げ確率、約35%から54〜60%程度へ——なぜ「まだやるべきことがある」の一言でここまで動いたのか

ウォーシュ議長は今回の講演で、次回9月のFOMC(米連邦公開市場委員会、米国の金融政策を決める会合。次回は2026年9月15日〜16日開催予定)で利上げを行うと明言したわけではありません。それでも市場が大きく反応した理由は、議長がインフレについて「まだやるべきことがある」と述べたことが、市場の想定より引き締め方向に傾いた姿勢と受け止められたためです。

この結果、CME FedWatchのデータにもとづく報道では、9月FOMCでの利上げ確率は講演前の約35%から、講演後は54%〜60%程度まで上昇したとされています(CNBCは57.5%、Forbesも同水準と報じる一方、参照時点によって54%前後とする報道もあります)。別の予測市場(Kalshi)のデータでは、9月に0.25%の利上げが行われる確率は48%程度と報じられており、参照するデータソースによって具体的な数値には幅があります。いずれにしても、方向としては「利上げの可能性が明確に高まった」という点で一致しています。

日経平均とTOPIX、何が違うのか——今回の値動きで見えた違い

今回、日経平均は一時2%超下落してほぼ全戻ししましたが、TOPIXはそもそもマイナスにならず、+0.23%で終えています。この違いは2つの指数の作り方の違いによるものです。日経平均は東証プライム市場の代表的な225銘柄を対象に、株価(値がさ株ほど影響大)を基準に算出される指数です。一方TOPIXは、東証プライム市場の上場銘柄(2022年の市場区分見直し以降は段階的に構成銘柄を絞り込み中)を対象に、時価総額(株価×発行済株式数)を基準に算出されます。値がさ株(1株あたりの株価が高い銘柄)の値動きの影響を受けやすい日経平均に対し、TOPIXは時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすいという違いがあり、同じ日の値動きでも方向がずれることがあります。

利上げ観測が上がるとどうなる?——株価・為替・あなたのPFへの影響

ここで基本に戻って、「利上げ確率が上がる」ことが市場にどう波及するかを整理します。理屈のうえでは、利上げ(政策金利の引き上げ)が意識されると、主に3つのルートで株式市場に影響します。

1つ目は債券利回りの上昇です。今回も米2年国債利回りが約0.12%上昇しました。国債の利回りが上がると、相対的に「リスクを取らずに得られるリターン」が増えるため、株式(リスク資産)の相対的な魅力が薄れやすくなります。2つ目は株式のバリュエーション(株価が利益や資産価値に対して割高か割安かの評価)への影響です。将来の利益を現在の価値に割り引く際に使う金利が上がると、特に成長期待の高いハイテク株などは理論株価が下がりやすくなります。ナスダック総合指数がS&P500より下落率が大きかった(-0.52% vs -0.25%)のは、この影響が出やすい銘柄が多いためと考えられます。3つ目は企業や個人の借入コストです。住宅ローン金利や企業の資金調達コストが上がることで、実体経済の消費・投資が鈍る可能性があります。一方で、銀行株は貸出金利の上昇で利ざやが改善しやすく、プラスに働くこともあります。

これらはあくまで「理屈のうえでの一般的な傾向」であり、必ずこの通りに動くとは限りません。今回のケースでも、日経平均は一時大きく下落しましたが、TOPIXはプラスで終えており、同じ材料でも指数や銘柄によって影響の出方は異なります。

あなたのオルカン・S&P500への影響は?——日経平均と混同しないことが大切

ここが今回いちばん誤解しやすいポイントです。日経平均自体はオルカン(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)等)やS&P500(eMAXIS Slim米国株式(S&P500)等)の構成銘柄ではありません。ただし「オルカンに日本株が一切入っていない」わけではなく、オルカンは日本を国別配分で約5%組み入れています(米国約6割に次ぐ水準)。この日本株部分が仮に日経平均と同率(前日比-0.14%)で動いたと単純計算しても、オルカン全体への影響は約-0.007%(0.14%×5%)にとどまり、無視できる規模です。つまり「日経平均が一時2%超下落した」というニュースを見ても、それだけであなたのオルカン・S&P500の評価額が同じように動いたと考えるのは正確ではありません。

ただし、今回のケースで実際にオルカン・S&P500に影響したのは、日経平均の値動きそのものではなく、その大元にある「FRBのタカ派化・9月利上げ観測の上昇」という共通の材料です。この材料は8月28日(金)の米国市場にすでに反映されており、S&P500は前日比-0.25%の7,711.76で取引を終えています。タケシさん(本サイトが投資初心者〜中級者の読者像として想定している人物です)のようにS&P500やオルカンを積み立てている場合、影響を受けたのはこの8月28日分の下落ということになります。

具体的な金額で確認してみます。100万円分のS&P500(またはオルカンのうち米国株に連動する部分)を保有していたと仮定すると、8月28日の-0.25%の下落だけを取り出した場合、評価額は約2,500円の目減りという計算になります(100万円×0.25%=2,500円)。日経平均が一時1,573円(約2.4%)も動いたニュースの直後だと不安になりがちですが、あなたのS&P500・オルカンに直接効いた部分は、この規模の変動だったということです(なお、ここでは為替(ドル円)の変動は考慮していません。為替の影響についてはドル円160円台回復を扱った別記事で解説しています)。

むしろ今回の日経平均の値動きから学べる教訓は、「朝の急落ニュースだけで判断しない」ということです。もし日経平均に連動する商品を持っている人が、64,832.10円まで下げた時点(前日終値比で約2.4%安)で狼狽売りをしていたら、その日のうちに約1,480円戻る値動きの恩恵を受けられなかったことになります。オルカン・S&P500の積立投資でも同じで、短期的な下落のニュースを見て積立を止めたり売却したりすることは、長期的な資産形成という観点では基本的に推奨されません。

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まとめ: 日経平均は一時急落からV字回復、実際にオルカン・S&P500に効いたのは0.25%の下落分

  • 2026年8月31日、日経平均は前日終値66,405.56円から一時64,832.10円(約2.4%安)まで下げたが、同日中に約1,480円戻し、終値は66,311.93円(-0.14%)とほぼ横ばいで着地した
  • きっかけは8月28日のジャクソンホール会合でのウォーシュFRB議長のタカ派発言。9月FOMCの利上げ確率はCME FedWatchベースで約35%から54%〜60%程度へ上昇した(参照時点・報道により幅がある)
  • 日経平均はオルカン・S&P500の構成銘柄ではない。日経平均の急落ニュースと、あなたの保有商品の値動きを直接結びつけないことが大切
  • 実際にオルカン・S&P500に影響した共通の材料は、8月28日のS&P500-0.25%の下落分。100万円保有なら約2,500円の目減りに相当する
  • 朝方の急落だけを見た狼狽売りは、今回のようなV字回復のケースでは戻りの恩恵を逃す結果になりやすい。値動きの大きい日ほど終値まで確認する習慣が有効

9月のFOMC(9月15日〜16日)に向けて、利上げ確率が上昇した状態がしばらく続く可能性があります。今回のように、材料そのものは同じでも指数や銘柄によって反応の出方が異なり、さらに1日のうちに大きく戻ることもあります。短期的な値動きのニュースに反応する前に、自分が実際に何にどれだけ投資しているのかを把握しておくことが、値動きの大きい局面で慌てないための土台になります。

PFWiseのポートフォリオ診断では、保有資産の国・地域別の構成比率や、指数別の値動きが評価額全体に与える影響を確認できます。日経平均のニュースを見て不安になったときこそ、実際に自分の資産がどの指数にどれだけ連動しているのかを一度確認してみることをおすすめします。

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免責事項

※ウォーシュFRB議長が2026年8月28日、米ワイオミング州で開催されたジャクソンホール会合で講演を行い、直近のCPI・PCE物価指数について「予想されていたよりは良い("better than expected")が、基調的な改善を示すには至っていない」との趣旨を述べ、インフレ率を2%目標に戻すには「まだやるべきことがある」と発言したことは、FRB公式サイトの講演原稿(federalreserve.gov「Keynote remarks by Chairman Warsh at the 2026 Jackson Hole Economic Policy Symposium」)にもとづきます。この発言がタカ派と受け止められたことは、CNBC「S&P 500 falls Friday after Fed's Warsh highlights inflation worries, but index posts positive week」(2026年8月27日/28日配信)にもとづきます。
※米2年国債利回りがこの日約0.12%上昇し4.36%程度となり、「過去2か月余りで最も大きい短期金利の動き」と報じられたことは、同CNBC記事にもとづきます。
※2026年8月28日の米国市場の終値(S&P500 7,711.76・前日比-0.25%、ナスダック総合指数 26,402.42・同-0.52%、ダウ工業株30種平均 53,559.99・同-0.02%)は、CNBC「S&P 500 falls Friday after Fed's Warsh highlights inflation worries」の報道にもとづきます(当サイトの別記事「ドル円160円台を回復」の免責事項でもYahoo Finance報道として同水準の数値を確認済みです)。
※9月FOMCでの利上げ確率がCME FedWatchのデータにもとづく報道で講演前の約35%(35.4%)から講演後は約57%(57.5%)へ上昇したことは、CNBC「Jackson Hole analyst roundup: Warsh's speech sends hike chances higher」(2026年8月31日配信)およびForbes「Fed Rate Hike Odds Rise After Warsh's Jackson Hole Speech」(2026年8月30日配信)にもとづきます。予測市場Kalshiでは9月の0.25%利上げ確率が48%程度と報じられていることも同CNBC記事にもとづきます。当サイトの別記事「ドル円160円台を回復」では同じ講演後の水準を54%〜60%程度とする複数報道を集約して記載しており、本記事の本文でも参照時点・情報源による幅を明示するため、講演後の水準を「54%〜60%程度」と表記しています(57.5%はその範囲内でCNBC/Forbesが報じた具体値です)。
※2026年8月31日の日経平均株価について、終値66,311.93円(前週末比-93.63円、-0.14%)であったこと、ザラ場(取引時間中)で一時1,573.46円安の64,832.10円まで下落したことは、財経新聞「日経平均大引け:前週末比93.63円安の66311.93円」(2026年8月31日配信)にもとづきます。同紙は日中安値からの値戻しの経緯も報じており、この安値からの戻り幅(約1,480円)は当サイトが両数値の差から算出した参考値です。前日終値66,405.56円は、News On Japan「Nikkei Nearly Erases 1,500-Point Drop as TOPIX Extends Winning Streak」(2026年8月31日配信)の記述と整合します。下落幅・下落率の表現は報道により幅があり(Business Recorder「Japan's Nikkei slides nearly 2%」等)、本記事では財経新聞の具体的な数値を採用しています。
※日経平均急落の背景として、9月利上げ観測の高まりに加えて半導体関連株の軟調さが重なったと報じられている点は、複数の市場概況報道にもとづく一般的な説明であり、本記事では特定の半導体銘柄の個別株価までは確認していません。
※2026年8月31日のTOPIX(東証株価指数)が+0.23%の4,156.29で取引を終えたことは、News On Japan「Nikkei Nearly Erases 1,500-Point Drop as TOPIX Extends Winning Streak」の報道にもとづきます。
※次回FOMCの日程(2026年9月15日〜16日)は、FRB公式サイトの会合カレンダー(federalreserve.gov)にもとづきます。
※日経平均とTOPIXの算出方法の違い(株価平均型 vs 時価総額加重型)、および東証プライム市場の市場区分見直しに関する記述は、日本取引所グループ(JPX)公式サイトの一般的な説明にもとづきます。
※記事内の金額試算(100万円分のS&P500を保有した場合の評価額の増減)は、記載した騰落率をそのまま乗じた簡易な仮定計算であり、信託報酬・スプレッド・為替変動等は考慮していません。実際の商品の値動きとは異なります。またこの試算はドル建て評価額の変動のみを示すものであり、円換算評価額には別途ドル円の変動が影響します。
※オルカン(全世界株式、MSCI ACWIなどに連動)の国別配分について、日本が約5%程度(米国に次ぐ水準)を占めることは、MSCI ACWI指数の公表構成比等にもとづく一般的な説明です。日経平均の値動きが仮にオルカンの日本株部分に同率で反映されたと仮定した場合の影響試算(約-0.007%)は、説明のための単純化した仮定計算であり、実際のオルカンの値動き(日本株以外の構成銘柄の影響も含む)とは異なります。
※「利上げ観測が上がるとどうなるか」の一般的な説明(債券利回り上昇・株式バリュエーションへの影響・借入コストへの影響・銀行株への影響)は、金融・経済の一般的な理論にもとづく説明であり、個別銘柄や特定の指数が必ずこの通りに反応することを保証するものではありません。
※今後、FRBが9月のFOMCで実際にどのような決定を行うか、また株価・為替が今後どちらの方向に動くかは、現時点では分かりません。本記事は将来の株価・金利動向を予測するものではありません。
※過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。