日経+39%でも実感ゼロ?2026年上半期の指数と自分の口座のズレを分解する【NISA積立民向け】
日経平均が上半期+39.2%(1976年以降最大・報道)で終了。でもオルカン・S&P500積立民の口座はそこまで増えていない?値がさ株偏重・円安の正体・資産配分の棚卸し方法を初心者向けに解説します。
上半期、日経は+39%。でもあなたの口座は?
2026年6月30日、日経平均は70,062円で上半期を締めました。 上昇幅は1万9722円、上昇率は39.2%——1976年以降の半期で過去最大の伸びと報じられています(日本経済新聞ほか。なお、それ以前の1952年上半期には48.2%という記録があり、「1976年以降では最大」という限定付きの表現です)。
SNSを眺めると「+39%すごい」という声と並んで、こんな感想も目につきます。 「うちのNISA、+39%にはほど遠い」「オルカン100万円あるのに、そこまで増えてない」。 タケシもそのひとりです。毎月3万円をオルカンに積立中ですが、上半期の増加は日経の勢いほど実感できていません。
これは運用が失敗しているわけではありません。 日経という「物差し」と、あなたが実際に保有している資産の中身が、そもそも別物だからです。 この記事では、そのズレの正体を3つの角度から分解します。
なぜ指数の数字と実感がズレるのか:①日経平均は「値がさ株の影響が大きい」指数
まず知っておいてほしいのは、日経平均の計算方式です。
つまり、日経平均が+39%と報じられても、それは「すべての日本株が均等に39%上がった」という意味ではありません。 値がさ半導体株など、特定の銘柄が大きく上げたことが数字を押し上げています。 指数が一部の銘柄に偏る仕組みは、日経7万円でも資産が増えない理由(指数集中の記事)でさらに詳しく解説しています。
オルカン(全世界株)や S&P500 連動ファンドを積み立てている場合、保有資産の値動きは日経とは別の動きをします。 オルカンに占める日本株の比率は概ね6%前後です(最新の構成比は eMAXIS Slim 全世界株式の交付目論見書でご確認いただけます。記事末尾に公式リンクを掲載)。 仮にオルカンを100万円保有しているなら、日本株成分はおよそ6万円相当。 残りの94万円は米国株(約60%超)・欧州・新興国など、日経の影響を直接受けない資産で構成されています。
たとえば「日経が39%上がったのにオルカンの増え方はもっと小さい」と感じても、それは矛盾ではなく正常な範囲と考えられます(ここでの数字は仕組みを示すための例で、実際の騰落率は時期や商品で異なります)。 日経の強さがオルカン全体に薄まって反映されている、と整理すると分かりやすいはずです。
なぜ指数の数字と実感がズレるのか:②円安で外貨建て資産の「見た目」が変わる為替の正体
2026年上半期、ドル円相場は162円台まで円安が進んだという声がSNS上で多く見られました(「レーガン政権以来の円安水準」という指摘もありましたが、これはSNS上の見方であり、正確な水準はご自身で最新の為替レートをご確認ください)。 円安が進むと、外貨建て資産を持つ方の見た目の評価額に直接影響します。
ここで整理しておきたいのは、「指数の成長」と「為替効果」は別物だということです。
- 指数の成長:組入企業の業績・配当・成長期待で株価が上がった分
- 為替効果:円安が進んだことで、ドル建て価格が変わらなくても円換算額が増えた分
2026年上半期、円安が大幅に進んだため、S&P500連動ファンドをはじめとする外貨建て資産の「円での評価額」は押し上げられています。 円安が進んでいない局面であれば、同じ相場水準でも円での評価額の増え方は違っていたはずです。
為替は将来的に変動します。「円高が戻ったとき、評価額がどう変わるか」も頭に入れておくことで、今の数字に一喜一憂せずに済みます。 円安局面での積立の考え方は、161円台の円安と積立行動をまとめた記事も参考になります。
オルカンの純資産がS&P500連動ファンドを逆転——「人気1位=今すぐ買い」ではない
上半期、X上で話題になったニュースのひとつが「オルカン(全世界株)の純資産総額がS&P500連動ファンドを逆転した」という報告です。 これは「どちらがより多くの投資家から資金を集めているか」という規模感を示します。
オルカンの純資産規模が大きくなることは、ファンドとして安定性が上がるという面ではポジティブです。 ただ、「純資産が大きい=今すぐ買いどき」という意味ではありません。
人気ファンドに資金が集まった後は、かえって割高になるリスクもあります。 「みんなが買っているから自分も」ではなく、「自分の積立計画に合っているか」を判断軸にすることが大切です。 すでにオルカンやS&P500を積み立てている方は、この逆転ニュースで何かを変える必要は基本的にありません。 計画通りに続けることが、多くの長期積立投資家にとって堅実な選択と考えられます。 逆転の背景や2つの商品の選び方は、オルカン逆転を3つの数字で読み解く記事とオルカンとS&P500の選び方の比較記事でまとめています。
上げ相場でも下げた資産:純金ファンドの例が教えること
一部のNISA保有者の実績として、純金ファンドが上半期に-7.7%だったという個人の報告がSNS上で見られました (市場全体の動向ではなく、あくまで個人の実績例として参照してください)。
日経が+39%という上げ相場でも、保有する資産によってはマイナスになりえます。 これは失敗ではなく、分散投資の性質です。すべての資産が同じ方向に動かないからこそ、一方向のリスクを分散できます。
「上げ相場なのに自分だけ負けている」と感じているなら、まず「自分が何を保有しているか」を確認することが先決です。 日経が強かった時期に、日経に入っていない資産を持っていたなら、指数と差があって当然です。
上半期末に初心者がやるべき1点検:自分のポートフォリオを棚卸しする
上半期末という節目に、一度だけ自分のNISA口座を確認しましょう。 やることは1つ:「増えた理由を確認する」。
確認するのは次の3点です。
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株式・債券・金などの配分比率を確認する
上半期に評価額が増えているなら、それは株式の上昇によるものか、為替(円安)によるものか、それとも両方か。 PFWiseで資産配分を確認すると、どの資産がどれだけ評価額を動かしたかが分かります。 -
積立を続けているか、止まっていないかを確認する
自動積立の設定が生きていれば、この半期も毎月仕込みが続いていたはずです。 念のため設定が有効になっているかを確認しましょう。 -
配分がリスク許容度と合っているかを確認する
上半期の上昇で株式比率が高まっている場合、当初計画より株寄りになっている可能性があります。 「このまま下落したら精神的に耐えられるか」という感覚で、配分を見直すタイミングです。
積立を続ける根拠——上半期が終わった今、改めて確認する
「上半期これだけ上がったなら、今から始めるのは高値掴みでは」——そう思っている方へ。
ドルコスト平均法の前提は「タイミングを読まない」ことです。 高値だろうが安値だろうが、毎月一定額を機械的に買い続ける。 上半期のような上昇相場は「少ない口数しか買えなかった月」であり、 次の調整局面では「多くの口数を仕込める月」になります。
東証プライムの上半期売買代金は累計約1,050兆円と、報道によれば半期で初の1,000兆円超えとされています。 日本株市場への資金流入が続いているという事実は、長期的な市場の健全性を示す一指標です。 ただし「活況だから上がり続ける」という結論にはなりません。 流入が続く局面で高値を掴まないための手段が、積立による平均化です。
上半期末の今、あなたがすべきことは派手な行動ではなく、 自分の積立計画が意図通りに動いているかを確認するだけです。 数字が増えていれば、それはあなたの積立と市場の成長の合計です。 増え方が日経より小さくても、分散の設計通りに機能しています。
関連書籍(もっと学びたい方へ)
敗者のゲーム(原著第8版)
チャールズ・エリス
「市場平均を上回ろうとするほど負ける」というインデックス投資の本質を説いた名著。上半期に指数と自分の口座のズレを感じた方に、分散積立を続ける根拠を与えてくれます。
通勤中に投資本を「聴く」という選択肢
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参考リンク(出典)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)公式(信託報酬・構成比・純資産)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)公式
- 日本経済新聞 マーケット(日経平均・東証プライム売買代金の報道)
※ 本文中の日経平均終値70,062円・上昇率39.2%(1976年以降最大)・東証プライム上期売買代金約1,050兆円は、2026年6月30日時点の各種報道(日本経済新聞ほか)にもとづく数値です。最新・正確な数値は一次情報をご確認ください。
本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資は自己責任で行ってください。記事内の数値は報道・SNS上の情報を参考にしており、投資の成果を保証するものではありません。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。