著者: Koki Riho(PortfolioWise 開発者・運営者)
日銀会合は10月29〜30日。直近6回の政策金利変更の日、ドル円はECB参照レートで5回が円安方向【NISA積立・10月25日時点】
投資初心者向け。日銀の金融政策決定会合(2026年10月29〜30日)の前に、2024年3月以降に日銀が政策金利を変えた6回の決定日のドル円を並べました。欧州中央銀行(ECB)の参照レート(中央ヨーロッパ時間の午後2時10分ごろ)で、前日と決定日を比べると、5回が円安方向(上昇)、1回が円高方向でした。決定の前と後の動きを含み、日銀の決定が原因かは、この記録からは言えません。ドル円の動きを100万円に直した計算と、S&P500ファンドの基準価額の変化率も並べます。
10月29〜30日の会合の前に、過去6回の政策金利変更の日を見ます
日銀の金融政策決定会合が、10月29日(木)と30日(金)にあります。会合の前に、過去の決定日のドル円(1ドルが何円か)を見ておきます。
NISA(少額投資非課税制度)で、オルカンやS&P500を積み立てているあなたは、こう考えたことはありませんか。「日銀が利上げする日は円高になり、基準価額が下がる」。
オルカンは全世界の株に投資するファンドの通称で、S&P500は米国の大企業約500社の株価指数です。基準価額は、投資信託の値段のことです。
投資初心者の方にも分かるように説明します。S&P500ファンドの基準価額も並べます。
私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の末尾に、サービスの案内を置いています。特定の銘柄の売買や、積立額の変更は勧めません。
この記事の前提
数字は、2026年10月25日(日)の朝(日本時間)に確かめました。
政策金利を変えた会合として数えたのは、日銀の決定文(決定の内容を書いた文書)の題名が、次のどちらかの会合です。
- 政策金利を動かす決定: 「Change in the Guideline for Money Market Operations」
- 金融政策の枠組みの変更: 「Changes in the Monetary Policy Framework」
2024年3月19日は、枠組みを変えるとともに、政策金利を0〜0.1%程度にしました。会合は、2024年3月から2026年9月で21回ありました。6回が上の題名で、残りの15回は「Statement on Monetary Policy」でした。2026年4月28日と7月31日の決定文には、政策金利をそれぞれ0.75%程度、1.0%程度のまま保つ、とあります。
ドル円は、ECBの参照レートで測ります。ユーロに対する円のレートと、ドルのレートから、私が計算しました。
変化は、決定日のレートを、前日のレートと比べました(6回とも、前日にもレートが出ています)。前日の午後2時10分ごろから、決定日の午後2時10分ごろまでの、約24時間の変化です。
日銀の会合は、6回とも午前11時47分〜午後0時49分に終わりました(決定文の「Meeting hours」欄)。ECBのレートの時刻は、日本時間の夜です。この24時間には、決定の前の動きも、あとの動きも入っています。
6回の決定日の、ドル円(ECBの参照レート)の前日比
| 決定日(日銀) | 日銀の決定 | ドル円 前日 | ドル円 決定日 | 変化率 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月19日(火) | 金融政策の枠組みを変更(政策金利を0〜0.1%程度に) | 149.20円 | 150.52円 | +0.88% |
| 2024年7月31日(水) | 政策金利を0.25%程度に引き上げ | 154.85円 | 150.31円 | -2.93% |
| 2025年1月24日(金) | 政策金利を0.5%程度に引き上げ | 156.27円 | 156.51円 | +0.16% |
| 2025年12月19日(金) | 政策金利を0.75%程度に引き上げ | 155.77円 | 157.23円 | +0.94% |
| 2026年6月16日(火) | 政策金利を1.0%程度に引き上げ | 160.19円 | 160.38円 | +0.12% |
| 2026年9月18日(金) | 政策金利を1.25%程度に引き上げ | 155.69円 | 157.89円 | +1.41% |
ドル円は、ECBの参照レート(中央ヨーロッパ時間の午後2時10分ごろ)です。変化率は、決定日のレート ÷ 前日のレート - 1 で、丸める前の値から計算しました。2025年1月24日だけは、表の2桁の数字から計算すると+0.15%になります。
最後の行の読み方です。2026年9月17日のドル円は155.69円で、18日は157.89円でした。1ドルを買うのに、2円ほど多く円がかかったので、円安方向です。
ほかが同じなら、ドル円が動くと基準価額はどう動く?
例にするのは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。月次レポート(2026年9月30日現在)の「ファンドの特色」に、「原則として、為替ヘッジは行いません」とあります。
米国株の値段が同じでも、ドル円が1%下がる(円高)と、円で見た値は約1%下がります。1%上がる(円安)と、約1%上がります。ほかの条件を同じにしたときの話です。
100万円なら、1,000,000円 × 1% = 10,000円です。表の変化率を当てはめます。上がればプラス、下がればマイナスです。
- 2026年9月18日(+1.41%): 1,000,000円 × 1.41% = 約+14,100円
- 2024年7月31日(-2.93%): 1,000,000円 × (-2.93%) = 約-29,300円
- 2026年6月16日(+0.12%): 1,000,000円 × 0.12% = 約+1,200円
為替だけを取り出した計算で、株価・信託報酬(運用の手数料)・税は入っていません。ファンドが基準価額の計算に使うドル円は、ECBの参照レートと時刻が違います。大きさの見当をつけるための計算です。
実際の基準価額は、ドル円だけでは決まりません
ここまでは、ドル円だけの話でした。ここからは、ファンドの値段が実際にどう動いたかを見ます。同じ6回の決定日の、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価額です。その日の分と、次に出た分を比べました。
| 決定日 → 次の基準価額の日付 | 変化率 | あいだの日数 |
|---|---|---|
| 2024年3月19日 → 3月21日 | +2.50% | 2日 |
| 2024年7月31日 → 8月1日 | -0.29% | 1日 |
| 2025年1月24日 → 1月27日 | -0.74% | 3日 |
| 2025年12月19日 → 12月22日 | +2.03% | 3日 |
| 2026年6月16日 → 6月17日 | -0.45% | 1日 |
| 2026年9月18日 → 9月24日 | +1.99% | 6日 |
変化率は、次の基準価額 ÷ 決定日の基準価額 - 1 です。あいだの日数は、1日から6日までまちまちです。金曜の3回は、週末をはさみます。2024年3月と2026年9月は、間に公表のない日も入っています。
期間がそろわず、ドル円の表の24時間とも合いません。そのため、横に並べて大きさを比べることはできません。
基準価額には、米国株の値動きと、米国と日本の日付のずれも入ります。日付のずれは、 基準価額の答え合わせの記事 で調べました。
この記録から言えること、言えないこと
ここまでの数字から、言えることと言えないことを分けます。言えることは1つです。6回の決定日に、ドル円(ECBの参照レート)は5回上がり、1回下がりました。
言えないことは、次の3つです。
- 日銀の決定が原因か。この24時間には、決定の前の動きと、あとの動きの両方が入っています。ほかのできごとも入っています
- 「利上げの日は円安になる」という決まり。6回のうち1回は反対でした。2024年3月19日以降にECBがレートを出した664日のうち、前の営業日より上がったのは375日(56.5%)です。決定日は6回中5回(83%)です。上がった5回のうち1回が下がっていれば、4回(67%)になります
- 10月29〜30日の会合の結果と、そのあとの為替・基準価額の動き。この記事では予想しません
2026年9月18日の1回は、 9月18日の日銀会合の日を書いた記事 もあります。そちらは別の時刻のレートを使っているので、数字はそろいません。
会合の前に、自分で確かめること
まとめ
- 日銀が政策金利を変えた直近6回の決定日、ドル円(ECBの参照レート)は5回上がり、1回下がりました
- 2024年7月31日のドル円(-2.93%)を100万円に当てはめると、為替だけで約-29,300円です
私は、会合の日の為替のニュースを見たら、レートの時刻が決定の前か後かを、先に確かめるのがよいと考えます。ECBのレートの24時間は、決定の前後の動きを含むからです。
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参考資料
-
日本銀行「Monetary Policy Meetings」(2026年の会合日程。「Table : 2026」の「Date of MPM」の列に、Oct. 29 (Thurs.), 30 (Fri.) と Dec. 17 (Thurs.), 18 (Fri.))
https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmsche_minu/index.htm -
日本銀行「Monetary Policy Releases」(決定文の一覧。題名で政策金利を変えた会合を数えた。2024年・2025年・2026年)
https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2024/index.htm
https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2025/index.htm
https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2026/index.htm -
日本銀行の決定文(政策金利を変えた6回。「Meeting hours」欄は最後のページ)
2024年3月19日「Changes in the Monetary Policy Framework」: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240319a.pdf
2024年7月31日: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240731a.pdf
2025年1月24日: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k250124a.pdf
2025年12月19日: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k251219a.pdf
2026年6月16日: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616a.pdf
2026年9月18日: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918a.pdf -
日本銀行の決定文(据え置きの2回。政策金利を0.75%程度、1.0%程度のまま保つ旨)
2026年4月28日「Statement on Monetary Policy」: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260428a.pdf
2026年7月31日「Statement on Monetary Policy」: https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260731a.pdf -
欧州中央銀行(ECB)「Euro foreign exchange reference rates」(参照レートの説明。公表は営業日の午後4時ごろ〔中央ヨーロッパ時間〕)
https://www.ecb.europa.eu/stats/policy_and_exchange_rates/euro_reference_exchange_rates/html/index.en.html -
欧州中央銀行(ECB)「ECB Data Portal」の公開API(円とドルの対ユーロ参照レート。2024年3月14日〜2026年10月23日。データの題名に「2.15 pm (C.E.T.)」とある)
https://data-api.ecb.europa.eu/service/data/EXR/D.JPY+USD.EUR.SP00.A?startPeriod=2024-03-14&endPeriod=2026-10-23&format=csvdata -
三菱UFJアセットマネジメント「基準価額(公開データ)」(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)。下は2026年9月18日付。日付の部分「20260918」を、表の各日付に変えて取得)
https://developer.am.mufg.jp/fund_information_date/fund_cd/253266/base_date/20260918 -
三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 月次レポート」(2026年9月30日現在。3ページ目の「ファンドの特色」に「特色3 原則として、為替ヘッジは行いません。」)
https://www.am.mufg.jp/pdf/geppou/253266/253266_202609.pdf
免責事項
※記事の数字は2026年10月25日(日)朝(日本時間)に確認したもので、10月29〜30日の会合の結果と、それ以降の値は反映していません。
※政策金利を変えた会合は、日銀の決定文の一覧(英語版)で、題名が「Change in the Guideline for Money Market Operations」か「Changes in the Monetary Policy Framework」の会合です。2024年3月から2026年9月の21回のうち6回が該当し、残りの15回の題名は「Statement on Monetary Policy」でした。2025年6月(国債の買い入れ額の計画)と9月(ETFなどの売却)を決めた会合は数えていません。2024年7月31日の題名は「Change in the Guideline for Money Market Operations and Decision on the Plan for the Reduction of the Purchase Amount of Japanese Government Bonds」で、政策金利の引き上げと、国債の買い入れ減額計画の決定を含みます。2024年3月14日より前の会合は調べていません。
※ドル円は、ECBの参照レート(中央ヨーロッパ時間の午後2時10分ごろの1時点)を、円のレート ÷ ドルのレートで運営者が計算した値です。ファンドが基準価額の計算に使うレートそのものではありません。変化率は、決定日と前日の比較です(6回とも、ECBは前日にもレートを出しています)。
※日銀の会合の時刻は、6回の決定文の「Meeting hours」欄によります。決定日の会合は9:00に始まり、終わったのは、2024年3月19日が12:28、7月31日が12:49、2025年1月24日が12:16、12月19日が12:12、2026年6月16日が12:12、9月18日が11:47です。
※基準価額は、三菱UFJアセットマネジメントが公表した、1万口あたりの値です。表の変化率は、決定日の日付がついた基準価額と、次に公表された基準価額から、次の基準価額 ÷ 決定日の基準価額 - 1 で運営者が計算しました。元の値(円)は、参考資料のAPIで取得できます。あいだの日数は1〜6日と違い、ドル円の24時間とは期間が異なります。
※100万円の金額は、1,000,000円 × 変化率の試算です。ドル円の行は為替だけの試算で、株価・信託報酬・配当・税を含まず、実際の基準価額の動きとは異なります。
※為替ヘッジの方針は、月次レポート(2026年9月30日現在)の記載です。ほかのファンドの方針は、確かめていません。
※「664日のうち375日(56.5%)」は、ECBが参照レートを公表した2024年3月19日から2026年10月23日までの日のうち、前の営業日より上がった日を数えた値です。決定日の6日を含みます。
※過去の実績は、将来の運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。Audibleの案内も、同じくAmazonアソシエイトのリンクです。