【2026年Q1振り返り】S&P500 -4.6%の四半期 — NISAの積立成績はどうなってる?
S&P500 Q1 -4.6%、原油高騰、GDP 0.7%、雇用-92,000人。NISAで毎月積み立てた人のQ1成績シミュレーションと、4月の注目経済指標カレンダー。
Q1の3ヶ月を数字で振り返る
2026年の最初の四半期は、投資家にとって厳しい3ヶ月でした。S&P500の四半期リターンは-4.6%——2025年Q3以来のマイナスです。何が起きたのか、月ごとに振り返りましょう。
1月: 「新年の楽観」はすぐに消えた
- S&P500 月間リターン: -1.2%
- 年初は「2025年の暴落からの回復継続」で楽観ムード
- しかし中旬から原油価格が上昇開始(イラン核問題の再燃)
- FRB(米国の中央銀行、日本の日銀にあたる機関)が1月FOMCで利下げ見送り、「Higher for Longer」継続を示唆
- テック大手の決算で設備投資額の伸び鈍化が判明
2月: 地政学リスクが直撃
- S&P500 月間リターン: -2.1%
- イラン情勢の緊迫化でBrent原油が$100超え
- ホルムズ海峡(世界の原油輸送の約2割が通過する要衝)の航行リスクが意識され、エネルギー株は上昇もそれ以外は全面安
- 消費者信頼感指数が53.3に急落(詳細記事)
- 雇用統計で純減92,000人のショック(詳細記事)
3月: リセッション懸念が主役に
- S&P500 月間リターン: -1.3%
- Q4 GDP成長率が0.7%に急減速と判明(詳細記事)
- Moody'sがリセッション確率を48.6%に引き上げ
- FOMCドットプロットで年内利下げ1回に据え置き(詳細記事)
- Nike -13%、Micron -30%など個別銘柄の急落が相次ぐ
- JPMorganがS&P500年末目標を7,500→7,200に下方修正
Q1の主要指標ダッシュボード
四半期の全体像を、主要な経済指標でまとめます。
- S&P500: -4.6%(Q1末 約5,630)
- NASDAQ: -7.2%(テック株の調整がより深い)
- 日経平均: -5.8%(円高進行+自動車関税の影響)
- Brent原油: +18.3%($85→$100超)
- 米10年国債利回り: 4.2%→3.9%(景気減速を織り込み低下)
- ドル円: 157円→148円(円高方向に約6%)
- VIX: 15→28(恐怖指数が大幅上昇)
NISAで毎月積み立てていた人の成績は?
S&P500が-4.6%——この数字だけ見ると「やっぱり損してるのか」と思いがちですが、毎月積み立てている場合は話が違います。ドルコスト平均法の効果で、下落月に多くの口数を買えるからです。
シミュレーション条件
- 投資対象: eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を想定
- 積立日: 毎月1日
- 為替: ドル円レートの変動も考慮(157円→148円、Q1で約6%円高)
- 期間: 2026年1月-3月の3ヶ月間
毎月3万円積立の場合(Q1投資額: 9万円)
- 1月購入: 3万円分 → S&P500 約5,900水準で購入
- 2月購入: 3万円分 → S&P500 約5,750水準で購入(安く買えた)
- 3月購入: 3万円分 → S&P500 約5,630水準で購入(さらに安く買えた)
- Q1末の評価額: 約8.55万円
- 損益: -4,500円(-5.0%)
毎月5万円積立の場合(Q1投資額: 15万円)
- Q1末の評価額: 約14.25万円
- 損益: -7,500円(-5.0%)
毎月10万円積立の場合(Q1投資額: 30万円)
- Q1末の評価額: 約28.5万円
- 損益: -15,000円(-5.0%)
ここで重要なポイントがあります。S&P500自体は-4.6%ですが、円高の影響で円建てでは約-5.0%になっています。ドル円が157円→148円と約6%円高に振れたため、ドル建て資産の円換算額が目減りしたのです。ただし今回は円高の影響があるため、ドルコスト平均法の恩恵が為替で相殺されています。
ただし、長期で見れば「誤差」の範囲
-5.0%という数字を見て不安になるかもしれませんが、つみたてNISAの投資期間は20年以上を想定しています。3ヶ月で-5%は、20年の旅で言えば最初の1kmで少し道に迷った程度です。
参考までに、2024年の新NISA開始初年度のQ1は+12.3%でした。翌年のQ1(2025年Q1)は「解放の日」前で+2.1%。そして今回の2026年Q1が-4.6%。3年の平均では+3.3%/四半期で、十分にプラスです。
2024年からNISA積立を続けている人の累計成績
新NISA開始の2024年1月から毎月積み立てを続けている人の累計成績も確認してみましょう(毎月5万円、S&P500ファンドの場合)。
- 積立期間: 27ヶ月(2024年1月-2026年3月)
- 投資総額: 135万円
- 2026年3月末の評価額: 約152万円
- 累計損益: +17万円(+12.6%)
2025年の「解放の日」暴落と2026年Q1のマイナスを経験しても、27ヶ月間の累計ではしっかりプラスです。これがドルコスト平均法と長期投資の力です。
4月の注目経済指標カレンダー
Q1の振り返りと同時に、Q2の最初の月である4月の重要指標を押さえておきましょう。これらの数字が、今後の市場の方向性を決めます。
4月3日(木): 3月雇用統計
- 注目ポイント: 2月の純減92,000人が継続するか、反転するか
- 市場予想: +50,000-80,000人(控えめな回復予想)
- シナリオ: 2ヶ月連続純減ならリセッション懸念が一気に加速。プラス転換ならS&P500の反発材料に
4月10日(木): 3月CPI(消費者物価指数)
- 注目ポイント: コアCPI 3.1%から改善するか、原油高の影響で悪化するか
- 市場予想: 総合CPI 2.6-2.8%、コアCPI 3.0-3.2%
- シナリオ: コアCPIが3.0%を割れば利下げ期待で株高。3.2%超ならスタグフレーション懸念加速
4月29日(火): FOMC政策金利発表
- 注目ポイント: 3.50-3.75%据え置きか、利下げ開始か
- 市場予想: 据え置きが80%、0.25%利下げが20%(CME FedWatch)
- シナリオ: 雇用がさらに悪化していれば利下げ期待が急上昇。パウエル議長のコメントがキーポイント
4月30日(水): Q1 GDP速報値
- 注目ポイント: Q4の0.7%からさらに減速するか、反発するか
- 市場予想: 0.3-0.8%(アトランタFRBのGDPNow参照)
- シナリオ: マイナス成長ならリセッション入りのシグナル。1.0%超なら市場安心感
Q2に向けて——NISAの積立はどうすべきか
結論: 積立設定は変えない
Q1が-4.6%だったからといって、積立額を減らしたり、投資先を変更したりする必要はありません。むしろ、下落している今こそ「安く多く買える」タイミングです。
「解放の日」から1年の記事で詳しく解説していますが、S&P500が-20%暴落した2025年4月に売った人と持ち続けた人では、1年後に約19万円の差が開きました。-4.6%の下落で動揺して設定を変えるのは、将来の自分に対する裏切りです。
ただし、セクター分散の確認は必要
積立を続けることと、ポートフォリオの健全性を確認することは別の話です。Q1で特に大きく下落したのはテクノロジーセクター(-8.5%)と一般消費財セクター(-7.2%)。逆にエネルギーセクター(+12.1%)と公益事業(+3.2%)は好調でした。
S&P500一本の積立であれば自動的にセクター分散されていますが、個別株やテーマETFを組み合わせている場合は、テック偏重になっていないか確認してください。PFWiseのHHI集中度指数(特定セクターへの偏りを数値化した指標)で数値化できます。
まとめ——3ヶ月の下落は、20年の投資旅行では「小さな寄り道」
2026年Q1、S&P500は-4.6%でした。毎月5万円を積み立てていた人は、15万円の投資に対して約7,500円の含み損です。この数字を「大きい」と感じるか「小さい」と感じるかは、あなたの投資期間の捉え方次第です。
NISAは非課税保有期間が無期限。20年、30年の長期投資を前提とした制度です。その長い旅の中で、3ヶ月の-4.6%は文字通り「誤差」です。2024年開始から27ヶ月積み立てを続けた人は、暴落を2回経験しても累計+12.6%のプラスです。
4月は雇用統計、CPI、FOMC、GDPと重要指標が目白押しです。数字が悪ければ短期的にはさらに下がるかもしれません。しかし、1年前の「解放の日」の教訓を思い出してください。暴落時に動かなかった人が、最終的に勝っているのです。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。シミュレーションは概算であり、実際の運用成績とは異なる場合があります。