著者: Koki Riho(PortfolioWise 開発者・運営者)
WTI原油先物が100ドル超。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のエネルギー分は9月末で100万円中3.4万円【NISA積立】
10月23日、WTI原油先物(期近の12月限)は103.27ドルで引けました(Yahoo Financeの日足の終値)。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の業種「エネルギー」は、2026年9月30日現在で3.4%、100万円あたり3.4万円分です。エネルギー業種の株が仮に3%動くと、100万円あたりの直接の影響は約1,020円の計算です。
WTI原油先物が100ドルを超えて引けた金曜。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のエネルギーは、9月末で3.4%です
先週金曜(10月23日)、WTI原油先物は1バレル103.27ドルで引けました。引けるとは、その日の取引が終わることです。ただ、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の業種「エネルギー」の比率は、2026年9月30日現在で3.4%です。100万円なら、そのうち3.4万円分です。
NISAは、少額投資非課税制度の通称です。NISAでオルカンやS&P500を積み立てるあなたは、原油100ドル超のニュースが気になりませんでしたか。オルカンは全世界の株に投資するファンドの通称で、S&P500は米国の大企業約500社の株価指数です。
投資初心者の方にも分かるように説明します。この記事で調べたのは、10月23日の原油と米国債の数字と、2つのファンドのエネルギーの比率です。
私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の末尾に、サービスの案内を置いています。特定の銘柄の売買や、積立額の変更は勧めません。
この記事の前提
数字は、2026年10月26日(月)の朝(日本時間)に確かめました。東京市場の開場前です。米国株の最新の終値は、金曜10月23日(米国東部時間)のものです。
- 原油: Yahoo Financeの日足(1日ごとの値)の終値です。CNBCの10月23日の記事も、WTIは103.27ドル、Brentは116.72ドルとしています
- 米国債の利回り: 米財務省が営業日ごとに公表する表の、10年の値です
- ファンドの比率: 三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート(2026年9月30日現在)の値です。10月23日の比率ではありません
2つの月次レポートの注記には、業種をGICS(世界産業分類基準。MSCI Inc.とS&Pが開発した業種分類)で分類している、とあります。ほかのファンドは、業種の分け方が違うことがあります。
10月23日(金)の原油と、米国債の利回り
10月23日(金)の数字を、3つ並べます。
| 項目(何の値か・単位) | 10月22日(木) | 10月23日(金) | 変化 |
|---|---|---|---|
| WTI原油先物(期近の12月限・日足の終値、1バレルあたりのドル) | 99.47 | 103.27 | +3.82% |
| Brent原油先物(期近・日足の終値、1バレルあたりのドル) | 113.17 | 116.72 | +3.14% |
| 米国債10年の利回り(米財務省の表・年率) | 4.96% | 5.00% | +0.04ポイント |
変化の列は、原油が前日比の%、利回りは差(ポイント)です。1ポイントは1%分です。
WTIの期近は、10月20日までが11月限、21日からが12月限です(限月は、先物を区別する月の名前。CNBCの限月別の日足で確認)。11月限は、10月16日・19日・20日に100ドルを超えて引けました。10月23日に103.27ドルで引けた12月限は、10月12日以降の終値で100ドルを超えたのは23日だけです。Brentは、取得した10月12日以降、毎日100ドルを超えていました。
CNBCは10月23日の記事(米国東部時間15時21分更新)で、値上がりの背景を伝えています。挙げているのは、米国がイランへの攻撃を数週間のうちに再開する、と投資家が見込む動きの強まりです。
同じ金曜、S&P500は7,623.68で終わりました。前日比は-0.52%で、配当を含まない価格指数(株価だけで計算した指数)です。前日の10月22日(木)は-1.21%でした。この下げを 11の業種に分けた記事 では、この下げのうち、情報技術の分が-1.15ポイント(1ポイントは1%分)でした。
ここで見た原油は、先物の値です。米エネルギー情報局(EIA)が公表する現物価格は、別の値です。現物価格は、実際の原油を近いうちに受け渡す取引の、その時の市場の値段です(EIAの用語集)。EIAのページ(10月21日更新)には、10月19日の現物価格が載っています。WTIは110.01ドル、Brentは118.82ドルです。同じ日の先物(期近)の終値は、103.66ドル(WTIは11月限)と109.55ドルです。10月23日の現物価格は、次の更新(10月28日の予定)まで見られません。
原油が上がると、あなたの積立はどうなる?
道はほかにもあり得ますが、この記事では2つに分けて考えます。1つ目は、ファンドが持つエネルギーの会社の株価を通る、直接の道です。2つ目は、物価と金利を通る、間接の道です。
直接の道: ファンドの中のエネルギーの比率
月次レポートの業種「エネルギー」の比率は、次のとおりです(2026年9月30日現在)。
| ファンド | 業種「エネルギー」 | 100万円あたり |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 3.4% | 34,000円 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 3.9% | 39,000円 |
9月30日現在の比率で、100万円あたりの金額は、次の掛け算です。
- 米国株式(S&P500): 1,000,000円 × 3.4% = 34,000円
- 全世界株式(オール・カントリー): 1,000,000円 × 3.9% = 39,000円
比率は、原則として、ファンドの純資産総額に対する割合です(月次レポートの注記)。表示された桁より下は、四捨五入されています。
では、エネルギー業種の株が仮に3%上がったら、ファンド全体はどれだけ動くでしょうか。9月30日現在の比率を使い、ほかの条件は同じとして、掛け算をします。
- 米国株式(S&P500): 3.4% × 3% = 0.102%(約0.10%)。1,000,000円 × 0.102% = 約1,020円
- 全世界株式(オール・カントリー): 3.9% × 3% = 0.117%(約0.12%)。1,000,000円 × 0.117% = 約1,170円
3%は、計算のための仮の数字で、予想ではありません。3%下がる場合は、同じ大きさで反対向きの、約-1,020円と約-1,170円になる計算です。
例えば、毎月2万円を積み立てる人なら、9月30日現在の比率を掛けると、積立のうちエネルギー業種に当たる分は、米国株式(S&P500)で約680円、全世界株式(オール・カントリー)で約780円です。2万円 × 3.4% = 680円、2万円 × 3.9% = 780円です。
間接の道: 物価と金利を通る道
こちらは、掛け算で大きさを出せません。金利の目安のひとつが、上の表の米国債10年の利回りです(10月23日は5.00%)。ここでは、米連邦準備制度理事会(FRB)の記録に、この道に近い記述があることだけを紹介します。
9月15〜16日の会合で、FOMCは政策金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げました。3.75〜4.00%になりました(賛成12・反対0)。この会合の議事要旨(会合の記録で、10月7日公表)に、次の記述があります。
- 参加者は、物価上昇率が高い水準にとどまり、ここ数か月、物価上昇率を下げる十分な進展は見られなかった、と指摘しました。物価の上昇圧力につながっているものとして、原油や石油製品の価格を押し上げた、続いている地政学的な動き(国と国の関係に関わる動き)と、AI関連投資の急増を挙げました
- 今後について、大半の参加者(most participants)の判断は、こうでした。年末までに、もう一度の引き上げが、おそらく適切になる、というものです。ただし参加者は、各会合に先入観なく臨む、と強調しました。参加者は、今後の会合の決定は、新しく入る情報しだいだと述べました。参加者は、その情報が見通しやリスクの釣り合いに持つ意味も、決定を左右する、と述べました
これは9月の会合の記録で、10月28日の結果を示すものではありません。この記事は、2つの記述を並べただけで、原油が利上げの判断につながったとは言いません。
この記事では言わないこと
この記事では、次の4つは言いません。
- 原油が株や金利を動かした原因。S&P500が-0.52%だった10月23日に、原油は上がり、米国債10年の利回りは5.00%でした。同じ日の出来事を並べただけで、時刻の前後は確かめていません
- 10月28日のFOMCや、29日のPCE物価指数(米国の消費者が買うモノやサービスの値段の変化を示す指標)・GDPの結果
- 原油や金利の今後
- エネルギーの比率が9月末で3.4%だから、原油の影響は小さい、ということ。間接の道は、この計算に入っていません
今週の確認点: 10月28日の会合と、29日の物価・国内総生産(GDP)の発表
日銀の金融政策決定会合も、10月29〜30日にあります。過去6回の政策金利の変更の日に、ドル円がどう動いたかは、 日銀会合の前に決定日のドル円を調べた記事 にまとめました。
FOMCは10月27〜28日です。9月の会合(15〜16日)の声明は、最終日の16日に出ました。同じ形なら、10月の声明は28日です。FRBのカレンダーでは、10月の会合にSEPの印がありません。SEPは、参加者が成長率や物価、政策金利の見通しを示す資料です。
まとめ
- 10月23日(金)、WTI原油先物の期近(12月限)は103.27ドルで引けました
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)では、9月末のエネルギーが3.4%です。100万円なら、3.4万円分です
私は、原油のニュースを見たら、まずエネルギーの比率を確かめるのがよいと考えます。自分のファンドの月次レポートで探せます。比率が分かれば、直接の影響を見積もれるからです。9月30日現在の比率で、エネルギーが3%動く仮定なら、100万円あたり、米国株式(S&P500)は約1,020円、全世界株式(オール・カントリー)は約1,170円です。金利を通る間接の道は、この見積もりに入っていません。
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参考資料
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Yahoo Finance 日足(WTI原油先物「CL=F」、Brent原油先物「BZ=F」、S&P500「^GSPC」。2026年10月26日7時51分〜52分に取得。期間は2026年10月12日〜26日)
https://query1.finance.yahoo.com/v8/finance/chart/CL%3DF?period1=1791763200&period2=1793059200&interval=1d&events=history
https://query1.finance.yahoo.com/v8/finance/chart/BZ%3DF?period1=1791763200&period2=1793059200&interval=1d&events=history
https://query1.finance.yahoo.com/v8/finance/chart/%5EGSPC?period1=1791763200&period2=1793059200&interval=1d&events=history -
CNBC「Brent crude oil tops $116, a six-month high, as tensions swell in the Middle East」(2026年10月23日、米国東部時間15時21分更新。原文に「Brent futures gained 3.1% to close at $116.72 a barrel」「U.S. West Texas Intermediate added 3.8% to settle at $103.27 a barrel」とある)
https://www.cnbc.com/2026/10/23/oil-price-brent-wti-iran-war-saudi-arabia.html -
CNBC 限月別の日足(WTIの11月限「@CL26X」、12月限「@CL26Z」、期近「@CL.1」。2026年10月26日8時20分に取得。期間は2026年10月12日〜26日。11月限の足は10月20日まで。期近は、10月20日までが11月限、10月21日からが12月限と一致。11月限の終値は10月16日101.41・19日103.66・20日101.79、12月限の終値は10月23日103.27)
https://ts-api.cnbc.com/harmony/app/bars/@CL26X/1D/20261012000000/20261026000000/adjusted/EST5EDT.json
https://ts-api.cnbc.com/harmony/app/bars/@CL26Z/1D/20261012000000/20261026000000/adjusted/EST5EDT.json -
米財務省「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」(2026年。10月22日の10年は4.96、23日は5.00)
https://home.treasury.gov/resource-center/data-chart-center/interest-rates/daily-treasury-rates.csv/2026/all?type=daily_treasury_yield_curve&field_tdr_date_value=2026&page&_format=csv -
米エネルギー情報局(EIA)の現物価格(2026年10月21日更新。WTIは「Cushing, OK WTI Spot Price FOB」、Brentは「Europe Brent Spot Price FOB」。10月19日はWTI 110.01、Brent 118.82。次の更新は10月28日と表示)
https://www.eia.gov/dnav/pet/hist/RWTCD.htm
https://www.eia.gov/dnav/pet/hist/RBRTED.htm -
EIA「Glossary」の「Barrel」(「A unit of volume equal to 42 U.S. gallons.」)
https://www.eia.gov/tools/glossary/index.php?id=Barrel -
EIA「Glossary」の「Spot price」(「The price for a one-time open market transaction for near-term delivery of a specific quantity of product at a specific location where the commodity is purchased at current market rates.」)
https://www.eia.gov/tools/glossary/index.php?id=Spot%20price -
三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 月次レポート」(2026年9月30日現在。1ページ目の「組入上位10業種」の表に「9 エネルギー 3.4%」。注記に「業種は、GICS(世界産業分類基準)で分類しています。」。2ページ目の注記に「Global Industry Classification Standard("GICS")は、MSCI Inc.とS&P(Standard & Poor's)が開発した業種分類です。」)
https://www.am.mufg.jp/pdf/geppou/253266/253266_202609.pdf -
三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 月次レポート」(2026年9月30日現在。2ページ目の「組入上位10業種」の表に「8 エネルギー 3.9%」。注記に「業種は、GICS(世界産業分類基準)のセクターで分類しています。」。3ページ目の注記に「Global Industry Classification Standard("GICS")は、MSCI Inc.とS&P(Standard & Poor's)が開発した業種分類です。」)
https://www.am.mufg.jp/pdf/geppou/253425/253425_202609.pdf -
米連邦準備制度理事会(FRB)「FOMC Calendars」(2026年の会合日程。「October 27-28」に印(*)なし、「September 15-16*」に印あり。「* Meeting associated with a Summary of Economic Projections.」)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm -
FRB「Federal Reserve issues FOMC statement」(2026年9月16日。「The Committee decided to raise the target range for the federal funds rate by 1/4 percentage point to 3-3/4 to 4 percent」「12 – 0 vote」)
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20260916a.htm -
FRB「Minutes of the Federal Open Market Committee, September 15-16, 2026」(2026年10月7日公表。原文: 「Participants noted that inflation remained elevated and that they had not seen sufficient progress on lowering inflation in recent months.」「They noted that ongoing geopolitical developments, which had pushed up prices for crude oil and refined fuel products, and surging AI-related investments were contributing to inflation pressures.」「With regard to the outlook for monetary policy beyond the current meeting, most participants assessed that another increase in the target range for the federal funds rate would likely be appropriate by year end. Participants emphasized, however, that they approached each meeting with an open mind and decisions at future meetings would depend on incoming information and its implications for the outlook and the balance of risks.」)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20260916.htm -
米経済分析局(BEA)「News Release Schedule」(2026年。「October 29 8:30 AM」に「GDP (Advance Estimate), 3rd Quarter 2026」と「Personal Income and Outlays, September 2026」)
https://www.bea.gov/news/schedule -
BEA「Personal Consumption Expenditures Price Index」(「The PCE price index, released each month in the Personal Income and Outlays report」「Next release: October 29, 2026」)
https://www.bea.gov/data/personal-consumption-expenditures-price-index
免責事項
※記事の数字は、2026年10月26日(月)朝(日本時間)に確認したものです。10月27〜28日のFOMC、29日のPCE物価指数・GDPなどの結果と、それ以降の値は反映していません。
※原油の値は、Yahoo Financeの日足の終値です(WTI「CL=F」、Brent「BZ=F」)。Brentは、Yahoo Financeの表示で、ニューヨーク商業取引所の「Brent Crude Oil Last Day Financial Futures」の期近です。取引所の公式資料では確かめていません。CNBCの10月23日の記事の値(WTI 103.27ドル、Brent 116.72ドル)とは一致しました。WTIの期近は、10月16日・19日・20日が11月限です。前日比に使った10月22日と23日は、どちらも12月限です(CNBCの限月別の日足で確認)。
※EIAの現物価格は、先物とは別の値です。10月19日のEIAの現物価格は、WTI(Cushing, OK)が110.01ドル、Europe Brentが118.82ドルでした。同じ日のYahoo Financeの先物の終値は、103.66ドル(WTIは11月限)と109.55ドルでした。EIAのページには、更新日が2026年10月21日、次の更新が10月28日と表示されています。
※米国債10年の利回りは、米財務省の「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」の値(10月22日4.96%、23日5.00%)です。変化はポイント(差)で、率ではありません。S&P500の7,623.68と-0.52%は、Yahoo Financeの日足の終値から運営者が計算した値です。価格指数です。
※ファンドの比率は、三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート(2026年9月30日現在)の「組入上位10業種」の表の値です。比率は、原則として純資産総額に対する割合で、表示桁未満は四捨五入されています。業種の分け方は、2つの月次レポートの注記によると、GICSです。10月23日時点の比率ではなく、上位10業種の外の業種は調べていません。
※100万円と、毎月2万円の積立の金額は、比率を掛けた試算です。「3%動く」は計算のための仮の数字で、予想ではありません。この試算は、エネルギー業種の動きだけを取り出したものです。エネルギー以外の業種の動き・為替・信託報酬・税・金利を通る間接の影響は含みません。実際の基準価額の動きとは異なります。
※FOMCの議事要旨の日本語は、運営者の訳です。英語の原文は、参考資料に載せました。議事要旨は、9月15〜16日の会合の記録です。10月28日の声明が出る時刻は、確かめていません。
※CNBCの記事の内容は、運営者が要約しました。
※過去の実績や予想は、将来の運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。Audibleの案内も、同じくAmazonアソシエイトのリンクです。