半導体がS&P500史上最高の19.7%、オルカンの2位はNVIDIA(4.4%)——8月26日決算とジャクソンホール新議長初講演が同じ週に。あなたへの影響は?【2026年8月24日時点】
投資初心者向け。半導体はS&P500の19.7%(過去最高)を占め、中心のNVIDIAはオルカン組入2位(4.4%)。8/26のNVIDIA決算と8/27〜29のジャクソンホール会議(ウォーシュ新議長初講演)が同じ週に集中。
半導体がS&P500史上最高の19.7%、オルカン2位はNVIDIA(4.4%)——8月26日決算とジャクソンホール新議長初講演が同じ週に。あなたへの影響は?
投資初心者でも分かるように解説します。
(はじめにお断りしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で自分のサービスにも触れます。)
「オルカンは全世界の株式に分散投資しているから安心」——そう考えている方も多いと思います。実際にオルカンは2,000社を超える銘柄に投資していますが、組入比率で見ると上位への集中は決して小さくありません。運用会社の月次レポート(2026年7月31日基準)によれば、組入銘柄の2位はNVIDIA(エヌビディア)で比率4.4%。1位のApple(4.8%)、3位のMicrosoft(3.1%)と合わせると、上位3社だけでオルカン全体の12.3%を占めます。
その2位企業NVIDIAの決算発表が、2026年8月26日に迫っています。しかもその2日後の8月27〜29日には、5月に就任したばかりのウォーシュFRB議長が「ジャクソンホール会議」で議長として初めての基調講演を行う予定です。たまたま同じ週に、あなたのオルカンに直結する2つの大きなイベントが集中していることになります。
NVIDIA決算(8/26)——自社ガイダンスは910億ドル±2%、当時の市場予想を大幅に上回る水準だった
NVIDIAは2026年8月26日(現地時間、市場の引け後)に、2026年5〜7月期にあたる第2四半期決算を発表する予定です。日本時間では翌8月27日の早朝にあたる見込みです。
注目すべきは、この四半期についてNVIDIA自身がすでに「見通し」を示している点です。5月の第1四半期決算発表の際、NVIDIAは第2四半期の売上高について、中国向け売上を除いたベースで910億ドル±2%というガイダンスを公表しました。これは当時の市場予想(860億ドル程度)を大幅に上回る水準でした。この数字だけで市場を驚かせた経緯があります。
参考までに、直前の第1四半期(2026年2〜4月期)の実績を振り返ってみます。売上高は816億ドルで、市場予想789億ドルを上回り前年同期比+85.2%でした。EPS(1株当たり利益)は会計基準ベースで2.39ドル(前年同期比+214.5%)。市場予想と比較可能な調整後ベースでは1.87ドルとなり、市場予想の1.76〜1.77ドル程度を上回りました。データセンター向け売上は752億ドル($75.2B)で、前年同期比+92%でした。データセンター向けが売上全体の9割超を占める構造は、直近数四半期にわたって続いています。
半導体はS&P500の19.7%——テックバブル期の2倍を超える集中度
NVIDIA1社の決算が市場全体を動かしうる背景には、半導体セクターがS&P500の中で占める比率そのものが、過去に例のない水準まで高まっているという事情があります。
2026年6月30日時点の集計では、半導体セクターはS&P500全体の時価総額の19.7%を占め、過去最高を記録しました。これは2000年前後のいわゆる「ITバブル(テックバブル)」当時のピーク(半導体比率としておよそ8〜9%台とされる)の2倍を優に超える水準です。さらに範囲を広げた情報技術(IT)セクター全体で見ると、2026年8月21日時点で36.6%とS&P500最大のセクターとなっており、上位3セクターだけで指数全体の60%を占めています。
さらに、半導体・半導体製造装置セクターは2026年第2四半期(4〜6月期)において前年同期比+135%の増益が見込まれています。半導体関連の他銘柄(Micronなど)の年初来上昇率も含め、「S&P500が上がっているか下がっているか」という話の相当部分は、実質的に半導体関連企業、なかでもNVIDIAの動向で説明できる状況になっています。
オルカン組入2位はNVIDIA(4.4%)——「分散」の内側にある集中
では、あなたが積み立てているオルカンには、この動きがどう反映されているのでしょうか。運用会社が公表しているeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の月次レポート(2026年7月31日基準)によれば、組入上位10銘柄と比率は次のとおりです。
- 1位 Apple(アメリカ・情報技術) 4.8%
- 2位 NVIDIA(アメリカ・情報技術) 4.4%
- 3位 Microsoft(アメリカ・情報技術) 3.1%
- 4位 Amazon.com(アメリカ・一般消費財サービス) 2.2%
- 5位 Alphabet Class A(アメリカ・コミュニケーションサービス) 1.9%
- 6位 Broadcom(アメリカ・情報技術) 1.7%
- 7位 台湾セミコンダクター(TSMC、台湾・情報技術) 1.6%
- 8位 Alphabet Class C(アメリカ・コミュニケーションサービス) 1.5%
- 9位 Meta Platforms(アメリカ・コミュニケーションサービス) 1.2%
- 10位 Micron Technology(アメリカ・情報技術) 1.0%
上位10銘柄のうち、NVIDIA・Broadcom・TSMC・Micronの4社は半導体関連企業です。合計すると8.7%になります(上位10位以内に入る名前だけの合算のため、実際の半導体関連比率はこれより高い可能性があります)。加えて国・地域別の資産構成では、アメリカが63.1%を占めています。
NVIDIA決算やジャクソンホール会議が波乱要因になったら? あなたのオルカン・S&P500への影響は
ここまでの数字を踏まえると、2つのシナリオが考えられます。
NVIDIA決算がガイダンス(910億ドル±2%)を上回った場合、半導体セクター・情報技術セクター全体への追い風となり、その比率が高いS&P500・オルカンにもプラスに働きやすいと考えられます。逆にガイダンスを下回ったり、来四半期の見通しが弱かったりした場合、NVIDIA1社の下落にとどまらず、指数の19.7%を占める半導体セクター全体、ひいてはS&P500・オルカン全体の重しになる可能性があります。
例えば、毎月3万円をオルカンに積み立てている人であれば、月々の投資額のうちおよそ1,320円(4.4%)がNVIDIA1社に、およそ2,610円(8.7%)が半導体関連4社に向かっている計算になります。すでに100万円分を積み立てている場合は、NVIDIA分は4.4万円、半導体関連4社の合算では8.7万円分が、この1社の決算内容に連動しやすいことになります。
もう一つの要因がジャクソンホール会議です。CME FedWatch(将来の金利動向を市場参加者の取引から算出するツール)では、2026年8月20日時点で9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合における利上げ確率はおよそ3割程度とされています(算出時点・算出方法により2〜3割台で幅があります)。もし利下げでなく利上げの観測が強まれば、株式市場全体にとって逆風になりやすくなります。その場合も、比率の大きい半導体・情報技術セクターへの影響が相対的に大きくなりやすいと考えられます。
重要なのは、どちらの結果になるかを事前に断定することはできないという点です。ここで伝えたいのは「上がる」「下がる」の予想ではなく、オルカン・S&P500が、実はこの1週間に起きる2つの出来事から値動きの影響を受けやすい構造になっているという事実です。
今すぐできる4つのアクション
まとめ: オルカン2位はNVIDIA(4.4%)、半導体はS&P500史上最高の19.7%——8月26日・27〜29日は値動きの影響を受けやすい週
- オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の組入銘柄2位はNVIDIA(4.4%、2026年7月31日基準)。1位Apple(4.8%)・3位Microsoft(3.1%)と合わせ上位3社で12.3%を占める
- NVIDIAは2026年8月26日(現地時間引け後、日本時間27日早朝)に第2四半期決算を発表予定。自社ガイダンスは中国向け除き910億ドル±2%で、公表当時の市場予想を大幅に上回っていた
- 半導体セクターはS&P500の19.7%(2026年6月30日時点、過去最高・テックバブル期の2倍超)、情報技術セクター全体では36.6%とS&P500最大のセクター
- 8月27〜29日はジャクソンホール会議。5月就任のウォーシュFRB議長が28日に議長として初講演を予定。CME FedWatchでは9月の利上げ確率がおよそ3割程度とされる(2026年8月20日時点)
- 結果を事前に断定はできないが、オルカン・S&P500がこの1週間の2つのイベントから値動きの影響を受けやすい構造にあることは、積立を続ける前提として知っておく価値がある
「オルカンは全世界2,000社以上に分散しているから、1社の決算くらいでは動じない」というイメージを持っている方も多いかもしれません。実際には、時価総額に応じて組入比率が決まる仕組み上、急成長した企業ほど指数の中での存在感を増していきます。それ自体は悪いことではなく、市場の実態を映しているとも言えますが、「自分が何にどれだけ投資しているか」を知っておくことは、値動きの大きい週を乗り切るうえで助けになります。
PFWiseのポートフォリオ診断では、保有銘柄のセクター別構成比率や、特定銘柄・セクターへの集中度を確認できます。決算シーズンやジャクソンホール会議のような材料が重なる週こそ、自分のポートフォリオが「何にどれだけ賭けているか」を一度可視化してみることをおすすめします。
関連書籍(もっと学びたい方へ)
ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第13版)
バートン・マルキール
「なぜインデックス投資が合理的か」を歴史と統計で徹底検証した古典的名著。NVIDIA1社の決算に一喜一憂しそうになったときこそ、指数投資の考え方の土台に立ち返る助けになります。
敗者のゲーム(原著第8版)
チャールズ・エリス
個別企業の決算やイベントに反応して売買判断を変えることがなぜ難しいかを、データにもとづいて解説。「何もしないことが最善」という視点は、値動きの大きい週ほど効いてきます。
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免責事項
※NVIDIAの2026年8月26日(現地時間、引け後)の決算発表日程は、Investing.com「Nvidia fiscal Q2 2027 earnings outlook: what to watch on August 26」等、複数の市場報道にもとづきます。日本時間での発表タイミング(翌27日早朝ごろ)は、当サイトが過去に報じた第1四半期決算(2026年5月20日発表・日本時間5月21日早朝ごろ)の実績パターンからの推定であり、正式な発表時刻は確定していません。
※NVIDIA自身が示した第2四半期(2026年5〜7月期)ガイダンス(中国向け売上除き910億ドル±2%)、および第1四半期(2026年2〜4月期)実績(売上高816億ドル・前年同期比+85.2%、EPS2.39ドル・前年同期比+214.5%、データセンター向け売上752億ドル($75.2B)・前年同期比+92%)は、いずれも当サイトが2026年5月の決算発表時点で報じた内容にもとづきます。データセンター向け売上が全社売上の9割超を占める旨は、2026年1月期(第4四半期)決算時点の実績にもとづく傾向であり、第2四半期の実際の比率は決算発表まで確定しません。市場予想(コンセンサス)は情報源(証券会社・データベンダー)により920億ドル台〜950億ドル程度までばらつきがあり、本文では確定額として扱っていません。第1四半期の市場予想として本文に記載した売上789億ドル・調整後EPS1.76〜1.77ドルは、日経およびBloomberg(Yahoo Finance経由)の決算発表当時の報道にもとづきます。なお実績のEPS2.39ドルは会計基準(GAAP)、市場予想と比較した1.87ドルは調整後(non-GAAP)基準であり、算出基準が異なる点にご留意ください。
※半導体セクターがS&P500の19.7%を占め過去最高である旨(2026年6月30日時点)は、Yahoo Finance「Semiconductor stocks climb to record 19.7% of the S&P 500 as AI rally reshapes the index」の報道にもとづきます。テックバブル期のピークの2倍超である旨は、24/7 Wall St「Semiconductor Exposure in S&P 500 Hits 18%. That's More Than Double the Tech Bubble Peak.」(2026年5月時点・当時の比率18%として報道)を参照した上で、本文中の直近値(19.7%)に置き換えて記載しています。情報技術セクターが36.6%でS&P500最大である旨(2026年8月21日時点)は、ChartRow「S&P 500 Sector Weights (2026)」にもとづきます。半導体セクターの前年同期比+135%の増益見込みは、FactSet「Earnings Insight」(2026年8月7日付レポート)にもとづきます。
※オルカン(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))の組入上位10銘柄・比率・国別構成(アメリカ63.1%)は、三菱UFJアセットマネジメントが公表する月次レポート(emaxis.am.mufg.jp、2026年7月31日基準)にもとづきます。半導体関連4社(NVIDIA・Broadcom・TSMC・Micron)の合算比率(8.7%)は、上記月次レポートの上位10銘柄データのみを用いた本サイトによる単純合算であり、上位10位圏外の半導体関連銘柄は含まれていません。
※ジャクソンホール会議の日程(2026年8月27〜29日)、ウォーシュFRB議長の基調講演予定(8月28日、議長として初講演)は、techtimes.com「Jackson Hole 2026: What to Watch When Warsh Steps to the Podium Friday」等、複数の市場報道にもとづきます。
※9月のFOMC会合における利上げ確率(2026年8月20日時点でおよそ3割程度)は、CME FedWatch等の金利先物にもとづく市場予想ツールの報道時点の数値であり、日々変動します。算出時点・算出方法(CME FedWatch・Investing.com Fed Rate Monitor等)により2〜3割台で幅があり、本文中の数値はあくまで記事執筆時点の目安です。
※記事内の金額試算(オルカン100万円あたりのNVIDIA分・半導体関連4社合算分)は、記載した組入比率をそのまま乗じた簡易な仮定計算であり、為替変動・信託報酬・スプレッド等は考慮していません。実際の評価額とは異なります。
※「ガイダンスを上回れば/下回れば市場にプラス/マイナスに働きやすい」といった説明は、一般的に紹介される金融市場の考え方にもとづく概説であり、NVIDIA決算やジャクソンホール会議後の市場の反応を確定的に予測するものではありません。
※過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。