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NISA口座2,821万、口座開設できる人の4人に1人が保有——「開設しただけ」で止まっていませんか?休眠口座のコストを初心者向けに解説【2026年7月】

金融庁調査でNISA口座数は2025年12月末に2,821万口座、口座開設できる人の4人に1人が保有する規模に到達。複数統計では2割程度が投資実績なしとの推計も。「開設しただけ」で止まっている人が今週やるべきことを初心者向けに解説します。

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NISA口座が2,821万、口座開設できる人の4人に1人が保有——でも、あなたの口座は「稼働」していますか?

金融庁が2026年7月3日に公表した「NISAの利用状況」によると、NISA口座数は2025年12月末時点で2,821万口座です。 新NISAが始まった2024年1月の直前、2023年12月末の口座数(旧NISA合計)は2,125万口座でした。つまり新NISA開始から2年間で 口座数は約696万増え、伸び率にすると約33%です。投資初心者の方にも分かるように、順を追って解説していきます。

(はじめにお断りしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で自分のサービスにも触れます。)

大和アセットマネジメント株式会社 資産運用普及センターが2026年3月2日に公表した「資産形成白書2026」では、 2025年6月末時点(2,696万口座)で「口座開設可能な個人の約4人に1人が保有する状況まで普及した」と評価されています。 2025年12月末の2,821万口座は、この時点よりさらに増えた水準です。NISAという制度は、もう一部の投資家だけのものではありません。

ただし、ここで立ち止まって考えたいことがあります。口座数が増えることと、その口座が実際に使われていることは、 まったく別の話だということです。この記事では、金融庁・日本証券業協会の公表データをもとに「開設しただけ」の 口座がどれくらい存在し、それが具体的にどんなコストを生んでいるのかを数字で確認します。

積み上がった2,821万口座、その中身は:金融庁データで見る増加ペースと国の目標

政府は2022年11月の「資産所得倍増プラン」で、NISA口座数を当時の約2倍にあたる3,400万口座まで 拡大する目標を掲げました。2025年12月末の2,821万口座は、この目標のおよそ83%に到達した水準です。

一方、NISA買付額(累計)は2025年12月末で71兆円に達しており、こちらの政府目標 (2027年12月末までに56兆円)はすでに超えています。口座数の目標にはまだ届いていないのに、 買付額の目標はすでに達成済みという状態です。この差が生まれる理由の一つが、次に説明する 「開設しただけ」の口座の存在です。

新NISAには成長投資枠とつみたて投資枠という2つの枠があり、あわせて生涯1,800万円まで非課税で投資できます。 この枠を持っているだけの状態と、実際に商品を買って運用している状態は、口座数の統計の上では区別されません。 金融庁の公表資料は「口座数」を数えているのであって、「稼働している口座数」を数えているわけではないのです。

「開設しただけ」の口座はどれくらいある?複数統計で見る利用率のギャップ

金融庁は「NISA口座の利用状況調査」で、各年に一度も買付がなかった口座の比率(買付額ゼロ円口座比率)を 公表しており、2024年の数値は38.0%でした。ただしこの数値には注意が必要です。 2023年に投資していても2024年に買付がなければ、2024年の買付額ゼロ円口座としてカウントされるため、 「一度も投資したことがない」口座の比率とは意味が異なります。

より厳密に「開設してから一度も投資したことがない」口座の比率を示すのが、日本証券業協会が2024年に 実施した「証券投資に関する全国調査」です。この調査では「口座開設・投資あり」が14.4%、 「口座開設・投資なし」が3.9%という回答結果が出ており、ここから計算される未稼働口座比率は 21.4%になります。金融庁の統計・日本証券業協会の調査・NTTデータ・エービックの意向調査など 複数のデータを組み合わせた大和アセットマネジメントの分析(2026年3月)では、NISA口座全体の未稼働比率は おおむね20%程度と総合的に判断されています。

なぜ口座を開設したのに投資しないのか。同じ日本証券業協会の調査(2024年、複数回答可)では、 投資しない理由の最多は「投資の方法が良く分からないため」で28.8%でした。2022年の別調査では 「もともとNISA口座で買い付けをするつもりはなく、金融機関に薦められて開設した」という回答が28.7%で 最多です。制度そのものは2,821万口座まで普及しましたが、「何を、どう買えばいいか分からない」という 使い方の壁は、およそ2割の口座に今も残っています。

証券口座を開いた直後に「何を買えばいいか分からない」まま時間だけが過ぎてしまうのは、珍しいことではありません。 日本証券業協会の調査でも「投資の方法が良く分からないため」が投資しない理由の最多(28.8%)となっている通り、 この記事で見てきた2割前後の未稼働口座は、「やる気がない」ことより「最初の一手が分からない」ことが原因である 可能性の方が大きいはずです。だとすれば、対策はシンプルです。

あなたのNISA口座、ちゃんと機能してる?5つのセルフチェック

あなたのNISA口座は今、稼働してる? 統計の話はここまでにして、自分自身の口座を 確認してみましょう(NISAを始めて3年前後が経った人の実際の運用成績はこちらの記事で確認できます)。 次の5つに、いくつ「はい」と答えられるでしょうか。

  • 直近12ヶ月以内に、成長投資枠かつみたて投資枠のどちらかで一度でも買付をした
  • クレジットカード決済や口座振替による積立設定が、エラーで止まらず「有効」のままになっている
  • 成長投資枠とつみたて投資枠のうち、少なくとも一方は実際に商品を保有している
  • 非課税保有限度額1,800万円のうち、自分が今どれだけ使っているかをおおよそ把握している
  • 積立金額を設定した時から収入が変わっても、金額を一度は見直したことがある

オルカン積立、止まっていない? 5つのうち3つ以上に「いいえ」がついたなら、その口座は 金融庁の統計でいう買付額ゼロ円口座、あるいは日本証券業協会の統計でいう未稼働口座に近い状態にある 可能性があります。

「何もしない」コストを計算する:月1万円なら、100万円なら

口座を開設しただけで止まっている状態と、実際に積み立てている状態では、資産の増え方がどれくらい 変わるのでしょうか。具体的な数字で確認します。新NISAが始まった2024年1月から2026年7月までの 約2年半(30か月)、月1万円ずつオルカンやS&P500連動のインデックスファンドを積み立てていたケースを 考えます(オルカンとS&P500のどちらを選ぶべきかはこちらの比較記事で詳しく解説しています)。

元本(投資した金額そのもの、運用益を含まない元手)だけで30万円です。ここに仮に年率5%で運用できていたと 仮定すると、含み益(売却せずに保有し続けている間の、評価上の利益)を含めておよそ32万円になっていた 計算になります(将来の運用成果を保証する数値ではなく、あくまで一定の前提に基づく単純な試算です)。 一方、口座を開設しただけで一度も買付をしていなければ、同じ2年半が経っても残高は0円のままです。

この「月1万円を止めずに積み立てる」方法がドルコスト平均法です。価格が高い月は少ない口数、 安い月は多い口数を自動的に買うことになり、買うタイミングを自分で判断する必要がなくなります (具体的な実践方法はドルコスト平均法×NISAで資産形成する方法でまとめています)。

すでにまとまった金額を成長投資枠に入れているのに、投資信託を買わず現金のまま置いている場合は どうでしょうか。仮に100万円を1年間現金のまま放置すると、同じ年率5%の前提で、およそ5万円分の 運用機会を逃した計算になります。「何もしない」ことは一見コストがかからないように見えますが、 実際には複利が働き始めるタイミングを先送りするという、目に見えないコストを払い続けていることに なります。

休眠口座から抜け出すために今週やること

統計と自己診断がすんだら、あとは行動に移すだけです。今週中にできる4つを挙げます。

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まとめ:2,821万という数字より、あなたの1口座が動いているかどうか

最後に整理します。

  • 金融庁調査でNISA口座数は2025年12月末時点で2,821万口座、新NISA開始から2年で2,125万から約696万口座(+約33%)増加した
  • 大和アセットマネジメントの分析では2025年6月末時点で「口座開設可能な個人の約4人に1人が保有」する規模、2025年12月末時点ではさらに広がっている
  • 金融庁データで2024年の買付額ゼロ円口座比率は38.0%、日本証券業協会調査で未稼働口座比率は21.4%。複数統計を総合すると休眠口座はおよそ2割程度という推計がある
  • 投資しない最多の理由は「投資の方法がよく分からないため」(28.8%)であり、制度自体より使い方の壁が課題になっている
  • 月1万円を2年半積み立てた場合、元本30万円に運用益が乗るのに対し、開設しただけの口座は2年半経っても残高0円のまま
  • 100万円を1年間現金のまま放置すると、年率5%の前提でおよそ5万円の運用機会を逃す計算になる

ここまで見てきた口座数の伸びが伝えるのは、NISAという制度がどれだけ普及したかです。でも、その伸びは あなた自身の資産が増えたかどうかとは関係ありません。増えるかどうかを決めるのは、口座を持っているかではなく、 その口座が実際に稼働しているかどうかです。

もしこの記事を読んで、自分の口座が「開設しただけ」に近いと感じたなら、やることは複雑ではありません。 ログインして残高を確認し、積立設定が生きているかを見て、止まっていたら1,000円からでも動かし直す。 それだけです。

PFWiseのポートフォリオ診断では、成長投資枠・つみたて投資枠それぞれの非課税枠消化率を一枚で確認できます。 自分の口座がどれだけ稼働しているかを数字で把握しておくと、休眠状態に気づかないまま何年も過ぎてしまう ことを防げます。

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免責事項

※本記事で触れたNISA口座数(2,821万口座・2025年12月末時点)およびNISA買付額(累計71兆円)の数値は、 金融庁が2026年7月3日に公表した「NISAの利用状況」にもとづきます。政府目標(口座数3,400万・買付額56兆円、 いずれも2027年12月末まで)も同資料の記載によります。
※休眠口座・買付額ゼロ円口座比率に関する数値(2024年で38.0%・21.4%、総合推計20%程度等)および 「口座開設可能な個人の約4人に1人が保有」という評価(2025年6月末時点)は、金融庁「NISA口座の利用状況調査」・ 日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」等の公表データを大和アセットマネジメント株式会社 資産運用普及センターが2026年3月2日にまとめた「資産形成白書2026」にもとづく引用であり、 算出方法・定義(単年の買付実績の有無か、開設以来一度も投資していないか)によって数値が異なる点にご留意ください。
※記事内のシミュレーション(月1万円の積立・100万円の運用機会損失の試算)は、年率5%という仮定の運用利回りに もとづく単純計算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。実際の運用成果は市場環境により変動し、 元本を下回る可能性があります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。 投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。 書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。