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【初心者向け】NISAを始めて3年目、みんなの成績はどうなってる? — 2024-2026年の振り返り

新NISA開始から2年3ヶ月。オルカン・S&P500の実績リターン推移と積立シミュレーション。含み損でも慌てない理由と「始めた時期より続けること」が大事なデータ検証。

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新NISAスタートから2年3ヶ月——まずは全体の振り返り

2024年1月1日、新しいNISA制度がスタートしました。生涯投資枠1,800万円、つみたて投資枠と成長投資枠の2本立て、非課税期間の無期限化——これまでの旧NISAから大幅にパワーアップした制度に、多くの投資初心者が参入しました。

金融庁の発表によれば、2024年の新NISA口座開設数は約780万口座。2025年にはさらに増加し、累計で約1,400万口座に到達しています。つまり、日本の成人人口の約13%がNISAで投資を始めた計算です。

では、最初からコツコツ積み立ててきた人の資産は、今どうなっているのでしょうか?

オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の2年3ヶ月

新NISA口座で最も人気のある投資信託がeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」です。MSCI ACWI指数に連動し、世界約50カ国・約3,000銘柄に分散投資できるファンドです。

オルカンの期間別リターン(円ベース)

  • 2024年: 年間リターン約+18.2%——米国株の好調と円安(150円台)が追い風。素晴らしいスタート年
  • 2025年Q1-Q3: +6.5%——年初は堅調もQ2に「解放の日」で急落。Q3にかけて回復
  • 2025年Q4: -3.8%——原油高、関税影響、リセッション懸念で失速
  • 2026年Q1: -5.2%——米国株の調整+円高(143円台)のダブルパンチ

2024年1月から2026年3月末までの累積リターンは約+14.8%です。100万円を一括投資していた場合、現在の評価額は約114.8万円になっています。

毎月3万円を積み立てた場合のシミュレーション

一括投資のリターンはインパクトがありますが、NISA投資家の多くは毎月の積立を選んでいます。毎月3万円をオルカンに積み立てた場合のシミュレーションを見てみましょう。

ケース1: 2024年1月から積立開始(27ヶ月目)

  • 投資元本: 3万円 × 27ヶ月 = 81万円
  • 評価額(推定): 約88.5万円
  • 含み益: 約+7.5万円(+9.3%)

一括投資の+14.8%より低い+9.3%になっている理由は、ドルコスト平均法では後半(2025年後半〜2026年)の高値圏でも買い続けているためです。逆に言えば、2026年Q1の下落局面で「安く買えた」分が将来のリターンを押し上げる効果があります。

ケース2: 2024年7月から積立開始(21ヶ月目)

  • 投資元本: 3万円 × 21ヶ月 = 63万円
  • 評価額(推定): 約65.7万円
  • 含み益: 約+2.7万円(+4.3%)

半年遅れでスタートした人は、2024年前半の大幅上昇を取り逃しています。しかし、それでもプラス圏を維持しているのがドルコスト平均法の強みです。

ケース3: 2025年7月から積立開始(9ヶ月目)

  • 投資元本: 3万円 × 9ヶ月 = 27万円
  • 評価額(推定): 約25.4万円
  • 含み損: 約-1.6万円(-5.9%)

2025年後半〜2026年Q1の下落局面がほぼそのまま含み損として残っているケースです。しかし、9ヶ月目で-5.9%は歴史的に見ればごく「普通」の振れ幅です。

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S&P500の2年3ヶ月——オルカンとの違い

オルカンと並ぶ人気銘柄がeMAXIS Slim米国株式(S&P500)です。オルカンの約60%が米国株。つまりS&P500はオルカンの中核であり、リターンの傾向は似ていますが、振れ幅に違いがあります。

S&P500の期間別リターン(円ベース)

  • 2024年: 年間リターン約+22.4%——AI相場(Magnificent 7)の恩恵を最大限に享受。オルカンを4%上回る
  • 2025年通年: +1.2%——Q2の急落からQ3に回復するも、Q4に再下落でほぼ横ばい
  • 2026年Q1: -7.1%——テック調整、原油高、GDP減速で大幅下落。オルカンの-5.2%より振れ幅が大きい

2024年1月からの累積リターンは約+15.3%。オルカンの+14.8%とほぼ同水準ですが、2026年Q1の下落がきつかった分、ボラティリティはS&P500の方が大きいことがわかります。

S&P500で毎月3万円積立の場合

  • 2024年1月開始(27ヶ月目): 元本81万円 → 評価額約87.8万円(含み益+6.8万円 / +8.4%)
  • 2024年7月開始(21ヶ月目): 元本63万円 → 評価額約63.9万円(含み益+0.9万円 / +1.4%)
  • 2025年7月開始(9ヶ月目): 元本27万円 → 評価額約24.8万円(含み損-2.2万円 / -8.1%

遅く始めた人ほど、S&P500とオルカンの差が広がります。これはS&P500のボラティリティの高さが原因です。短期的にはS&P500の方が振れ幅が大きいため、下落局面での含み損がオルカンより大きくなります。

含み損の人へ——それは「負けている」のではなく「まだ途中」

2025年後半から積み立てを始めた人の中には、今まさに含み損を抱えている人がいるでしょう。毎月の積立を見るたびにマイナスの数字が目に入り、「やっぱり投資なんてやめておけばよかった」と思うかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。長期投資における含み損は「負け」ではなく「通過点」です。

過去のデータが示す「暴落後の回復」

  • 2020年3月(コロナショック): S&P500は-34%暴落。2020年1月から積み立てていた人は一時-30%以上の含み損。→ 6ヶ月で全回復、その後+70%の上昇
  • 2022年(利上げショック): S&P500は年間-19%。2022年初から積み立てていた人は年末時点で-15%前後の含み損。→ 2023年に+26%の急回復で含み益に転換
  • 2025年4月(解放の日): S&P500は-20%急落。→ 約4ヶ月で回復(詳しくはこちらの記事

いずれのケースでも、暴落中に積み立てを止めなかった人が最もリターンを得ているのです。暴落中に買い増した口数が、回復局面で大きなリターンを生み出すからです。

「始めた時期」より「続けた期間」が重要な理由

先ほどのシミュレーションで、2024年1月開始と2025年7月開始では大きなリターン差がありました。「やっぱり早く始めた人が得をするのか」と思うかもしれません。

確かに短期的にはそうです。しかし、投資期間を10年・20年に延ばすと、開始時期の差はほとんど消えます

歴史的データで検証

過去30年のS&P500データで、任意の時点から20年間積み立てた場合のリターンを計算すると、以下のことがわかります。

  • 最悪の開始タイミング(2000年1月ITバブル頂点): 20年間の年平均リターン+6.1%
  • 最良の開始タイミング(2009年3月リーマン底値): 20年間の年平均リターン+14.2%
  • 全期間の中央値: 年平均リターン+9.8%

最悪のタイミングで始めても、20年積み立てれば年平均+6.1%。毎月3万円の積立なら、元本720万円が約1,380万円(約1.9倍。運用益は約660万円)になっている計算です。最良のタイミングを当てようとするより、「いつ始めても20年続ける」方がはるかに確実です。

3年目の今、見直すべき3つのポイント

2024年に始めて3年目に入った人、2025年に始めて2年目の人。いずれにせよ、ある程度の金額が積み上がってきたこのタイミングで、一度立ち止まって見直してみましょう。

ポイント1: 積立額は「余裕資金」の範囲内か?

NISAを始めた最初の1年は、少額でもワクワクして続けられます。しかし2〜3年目に入ると、「もっと増やしたい」という欲が出てきます。

ここで絶対に守ってほしいルールは、生活防衛資金(生活費6ヶ月分以上)を確保した上での余裕資金だけを投資に回すこと。雇用統計のジグザグ(詳しくはこちら)が示す通り、自分自身の雇用リスクもゼロではありません。

ポイント2: 投資先が「本当に分散」されているか?

新NISA開始当初は「とりあえずオルカン」「とりあえずS&P500」で十分でした。しかし3年目に入ったら、自分のポートフォリオが本当に分散されているか確認してみましょう。

  • オルカンだけ: 十分に分散されています。特に変更の必要なし
  • S&P500だけ: 米国集中。2026年Q1のように米国単独で下落する局面ではオルカンより振れ幅が大きい。気になる人は一部をオルカンに分散も選択肢
  • オルカン + S&P500を半々: 実質的にオルカンの米国比率を70%→80%に引き上げたのと同じ。分散効果は限定的。「米国を多めに取りたい」なら問題ないが、分散目的なら再考を
  • 個別株もNISAで買っている: 個別株は値動きが大きく、非課税メリットの裏側で大きな含み損を抱えるリスクも。コア(インデックス80%)+サテライト(個別株20%)の比率を守る

ポイント3: リバランスのタイミングを決めているか?

複数の投資信託を保有している場合、値動きによって当初の資産配分からずれてきます。例えば「オルカン50% + 債券ファンド50%」で始めたのに、株高で「オルカン65% + 債券35%」になっていたら、リスクが当初の想定より高まっています。

年に1回、決まった月にリバランスするルールを設定しておくことをおすすめします。誕生月やNISA開始月など、覚えやすいタイミングで。PFWiseのリバランス機能を使えば、現在の配分と目標配分のずれを数値で確認できます。

これから始める人へ——「3年目の先輩」のデータが示すこと

「今から始めても遅いのでは?」と思っている人に、3年目の先輩たちのデータが教えてくれることがあります。

  • 2024年1月に始めた人: 2024年は+18%の好調→2025年は横ばい→2026年Q1は下落。ジェットコースターのような2年間でも、含み益は約+9%
  • 2025年に始めた人: 開始直後の「解放の日」で洗礼を受け、2026年Q1も下落。含み損を経験しているが、歴史的には「最も有利な開始タイミング」の可能性

どちらの先輩も、「あの時やめなくてよかった」と将来振り返る可能性が極めて高いのです。過去50年のデータが示すのは、「10年以上続けた人の97%がプラスリターンになっている」という事実です。

2026年残り9ヶ月の注目ポイント

3年目の残りの期間を有意義に過ごすために、以下のイベントに注目しておきましょう。

  • 4月: 雇用統計+CPI——3月の+178,000人からジグザグが続くかトレンド転換か(3月雇用統計の分析はこちら
  • 5-6月: FOMC——利下げ開始なら株価にプラス。据え置き継続なら当面のレンジ相場
  • 7-9月: 企業決算シーズン——関税の影響が企業業績にどこまで波及しているかが焦点
  • 10-12月: 年末ラリーの可能性——歴史的にQ4はS&P500が最もパフォーマンスが良い四半期。2026年も当てはまるか

ただし、これらのイベントを「予測して売買する」のは、プロのトレーダーでも困難です。個人投資家にとっての最善策は、「知識として知っておく。でも積立は変えない」という姿勢です。

まとめ——「続けた人」が勝つゲーム

新NISAの3年目を迎えた今、SNSでは「NISAで含み損」「やっぱり投資は怖い」という声も聞こえてきます。一方で「含み益30万円突破!」と喜ぶ声もあります。

しかし、2〜3年の成績で投資の成否を判断するのは早すぎます。2024年の+18%が異常な好調だっただけで、長期平均リターン(年7-10%)から見れば、2025-2026年の調整はむしろ「正常化」です。

投資で最も大切なことは、「最高のタイミングで買う」ことでも「暴落を予測して逃げる」ことでもありません。「仕組みを作って、続けること」。これに尽きます。

毎月の積立を淡々と続け、年に1回だけポートフォリオを見直す。10年後、20年後にこの記事を読み返したとき、「あの時続けてよかった」と思えるはずです。

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