半導体株が軒並み急落してもS&P500はプラス圏で終えた理由:Fitchの「AI投資は信用リスク」警告を初心者向けに解説【2026年7月】
Fitchが「AI関連の相場調整」を警告した週、キオクシア急落で日経平均は2日続落。それでもS&P500は7月28日+0.21%でした。1セクターの急落と指数全体の違いをオルカン・S&P500投資家向けに数字で解説します。
半導体という「一つのセクター」が急落した週に、何が起きたか
投資初心者でも分かるように解説します。
(はじめにお断りしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で自分のサービスにも触れます。)
2026年7月28日から29日にかけて、投資ニュースが慌ただしい週になりました。大手格付け会社のFitch Ratingsが四半期ごとのリスク分析レポートを発表し、東京市場では半導体関連株が軒並み急落。数日前まで日経平均の反発を支えていたのと同じ半導体セクターが、一転して売りの中心になった格好です。
実は7月23日ごろまでは、この半導体株買いが日経平均の反発を支えていました(別記事で詳しく整理しています)。わずか1週間足らずで、相場を押し上げていたセクターがそのまま重荷に変わったことになります。
この記事では、Fitchが名指しした信用市場のリスクと、実際に起きた半導体株の急落を整理します。そのうえで、同じ7月28日に日経平均が−3.95%、S&P500が+0.21%と正反対の着地になった理由を、具体的な数字で解説します。
Fitchが名指しした2つの短期リスク:「AI相場調整」と「米国・イラン対立」
まずFitchの発表内容です。Fitch Ratingsは2026年7月28日、2026年第3四半期のグローバル・リスク・アウトルックを公表しました。当面の信用市場における最大の短期リスクとして名指ししたのが、「AI関連の相場調整」と「米国とイランの対立継続」の2つです。後者の米国・イラン情勢については、私自身別記事で7月の原油急伸・急落と絡めて整理しました。今回はもう一方の、AI・半導体まわりの話に焦点を当てます。
Fitchが特に注意を促しているのがAI投資の規模です。レポートでは「AI投資の規模の大きさが、経済と資本市場を調整リスクに大きくさらしている」と指摘しています。具体的な数字を見ると、IT投資は2026年第1四半期の米国GDP成長率に+1.4ポイント寄与したとFitchは推計しています。Fitchの原文が挙げているのは「AI関連」に限定しないIT投資全般ですが、この時期の増加分はAI関連投資が中心とみられます。いずれにせよ、GDP全体の伸びのかなりの部分をIT投資が支えている計算です。
資金調達の面でも変化が出ています。米国の社債発行額は2026年上半期に前年比+26%増加しました。主な使い道はAI投資の資金調達だとされています。データセンターやAI関連の設備投資には巨額の資金が必要で、企業は手元資金だけでなく社債という形の借入を積み増して賄っている、ということです。
さらにFitchは株式市場の割高感にも言及しています。「S&P500のCAPE(景気循環調整後PER)がドットコムバブル期(1990年代後半)の水準に接近しつつある」との指摘です。単に「株価が割高」と言っているのではなく、CAPEという特定の指標名を挙げている点がポイントです。
東京市場で半導体株が軒並み急落、日経平均は2日続落(7月28日は−3.95%)
Fitchのレポートが出たのとほぼ同じタイミングで、東京市場では半導体関連株の急落が現実に起きていました。キオクシアホールディングス株は一時18%安まで売られ、Bloombergは「再びストップ安」と報じています。東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコといった半導体製造装置株も、軒並み10%を超える下落となりました。
日経平均もこの流れを受けて下げました。日付ごとに追うと、7月27日(月)は64,931.19円で前日比+320.04円(+0.50%)と反発しています。ところが翌7月28日(火)は62,364.92円まで売られ、前日比−2,566.27円(−3.95%)の急落。29日(水)も61,434.19円で−930.73円(−1.49%)と下げ、28日・29日の2日続落となりました。
背景として報じられているのは、AI投資に対するリスク警告と、中国勢との競争激化への懸念です。半導体は日本の輸出産業の中でも存在感が大きいセクターです。この手のニュースが出ると、指数全体への反応が大きくなりやすい面があります。
興味深いのは資金の流れです。半導体株が売られる一方で、自動車・食料品・小売など内需系のバリュー株には資金がシフトしていました。値動きの荒いセクターから、比較的地味だが業績が安定しているセクターへ資金が逃げる、典型的な「守りの動き」です。
相場を主導するセクターは、上がるときも下がるときも同じ顔ぶれになりやすい。7月23日ごろまでの反発を支えた半導体株が、1週間足らずで下落の主役に変わったのは、その一例だと思います。
米国でも半導体株に逆風、インテルは6月末から約38%下落
半導体株への逆風は日本市場だけの話ではありません。米国でもインテル株は7月28日に5.86%下落し、6月30日の終値(139.63ドル)からは約38%下落したと報じられています。7月1日に−9.0%、7日に−9.7%、24日に−7.9%と急落を繰り返してきた末の下落で、28日も−5.9%と下げが続いた形です。
実は半導体株の弱さ自体は、今回が初めてではありません。6月末から7月上旬にかけてインテル株が急落し始めた後、7月中旬には中国のAIスタートアップが発表した新モデルをきっかけに米国の半導体株全体が急落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が弱気相場入りしたことがありました(詳しくはこちらの記事で整理しています)。今回のFitchの警告とキオクシアの再急落は、6月末から続く半導体株安の流れが7月28-29日になっても完全には収まっていないことを示しているとも言えます。
日本と米国、両方の市場で同じタイミングに半導体株が売られている構図です。ここまで材料がそろうと「半導体全体、ひいてはAI相場全体が危ないのでは」と身構えたくなる気持ちは分かります。ただ、ここで一度立ち止まって整理しておきたいことがあります。
マクロの警告とミクロの急落、これは「別の話」として整理する
Fitchのレポートと、半導体株の急落。この2つを「Fitchが半導体株の暴落を予言した」というように、原因と結果でつなげたくなるかもしれません。しかし、これは正確ではありません。
Fitchの2026年第3四半期グローバル・リスク・アウトルックは、個別銘柄の値動きを予測するものではありません。信用市場全体の構造的なリスク(AI投資が資金調達面で市場を脆弱にし、S&P500のCAPEもドットコムバブル期の水準に近づいている、という中長期の指摘)をまとめたレポートです。一方でキオクシアやインテルの株価急落は、それぞれの企業や業界固有の需給・競争環境を反映した、別の報道です。
整理すると、同じ週にマクロ(Fitchの信用リスク警告)とミクロ(個別半導体株の急落)の両方で、AI・半導体への懸念が別々に表面化した、という言い方が正確だと思います。Fitchのレポートが個別株の急落を引き起こしたわけでも、個別株の急落がFitchの警告を裏付けたわけでもありません。両方が同じ週に重なった、という以上でも以下でもないというのが実態です。
この整理は地味に見えますが、投資判断への影響は大きいと思います。「Fitchが警告したから今すぐ売る」という短絡的な反応は、レポートの内容を正しく読んでいないことになるからです。
それでもS&P500は7,428.78とプラス圏で終えた
ここで実際の数字を見てみます。S&P500は2026年7月28日の終値で7,428.78、前日比+0.21%でした。半導体株があれだけ売られた日に、指数はプラスで終えたことになります。
内訳を見ると、無風だったわけではありません。この日、半導体株を集めたETF(VanEck Semiconductor ETF/SMH)は3%を超えて下落し、これで4営業日連続の下げとなりました。半導体株の弱さは、米国市場の中にもしっかり波及していたわけです。
それでも指数全体がプラスで終えたのは、テック以外のセクターが買われたからです。ヘルスケア(XLV)が+2.36%、金融(XLF)が+1.27%と上昇し、どちらも終値ベースで史上最高値を更新しました。牽引役は保険株だったと報じられています。テック株から旧来型(old-economy)セクターへ資金が移るローテーションが続いており、半導体の下げをその買いが吸収した格好です。
ここで正直に付け加えておきます。同じ7月28日、日経平均は−3.95%です。日経平均も225銘柄に分散された指数ですから、「分散されたインデックスなら大きく下げない」という話ではありません。この日はS&P500の側に、半導体の下げを打ち消すだけのヘルスケア・金融の買いが同時に入っていた。そう読むほうが正確だと思います。1日ぶんの値動きだけで「これが分散の構造だ」と言い切るには、反例が同じ日の東京市場にあるということです。
半導体が急落するとあなたのポートフォリオはどうなる?2つの経路を数字で確認する
ここが今回いちばん伝えたいポイントです。「半導体株が急落した」というニュースを見たとき、オルカンやS&P500を積み立てているあなたのポートフォリオには、実は2つの別々の経路で影響が及びます。この2つを整理せずに一括りにしてしまうと、影響を実際より大きく見積もったり、逆に見落としたりしやすいので、順番に確認します。
まず整理しておきたい大前提があります。キオクシアホールディングス・東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコは、いずれも東京証券取引所に上場する日本企業です。S&P500の構成銘柄ではありません。
経路1:オルカン経由の日本株比率
オルカン(全世界株式、MSCI ACWIなどに連動)を保有している場合、日本株は指数全体の5%程度を占めています。キオクシア・東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコのような日本の半導体関連企業は、この日本株比率の中の一部として間接的に組み込まれています。
この経路は数字で試算できます。7月28日の日経平均は−3.95%でした。オルカンの日本株部分がこれと同じだけ下げたと仮に置くと、指数全体への影響は5%×(−3.95%)でおよそ−0.2%です。500万円分の保有なら、約1万円のマイナスに相当します。日本株そのものは1日で4%近く下げているのに、オルカン全体では0.2%に薄まる。これが「日本株比率5%」という数字の意味です。
経路2:S&P500経由の米国情報技術セクター
一方でS&P500への直接的な影響経路は、NVIDIA・AMD・インテルといった米国の半導体関連企業や、米国の半導体製造装置メーカーです。これらは情報技術セクターに分類され、S&P500全体に占める比率は2026年7月4日時点でおよそ33.3%あります。日本の半導体製造装置株とは、まったく別の経路だと考えてください。
さらに踏み込むと、半導体関連株だけでS&P500の19.7%を占めています。これは過去最高の水準です。2020年6月頃は約5%でしたから、6年ほどで約4倍に膨らんだ計算になります。ドットコムバブル期のピーク(8%強)と比べても、2倍以上の比率です。「半導体はS&P500のごく一部にすぎない」と片付けるには、もう大きくなりすぎた。それが今の実態だと思います。
具体的な金額で確認してみます。仮にオルカンを500万円分保有しているとすると、日本株比率5%はおよそ25万円分です。キオクシアなどの半導体関連企業は、この25万円のさらに一部にすぎません。一方、仮にS&P500を500万円分保有しているとすると、情報技術セクター33.3%はおよそ166万円分になります。うち半導体関連株(19.7%)だけで、およそ98万円分です。こちらが米国の半導体・AI関連企業への主な露出経路です。
そしてS&P500全体としては、7月28日の1日だけで見ると+0.21%、500万円分の保有で計算すると約10,500円のプラスでした。半導体が指数の約2割という記録的な水準まで拡大している以上、その急落の影響はゼロではありません。それでもこの日は、残りの約8割(情報技術のうち半導体以外の銘柄と、他の10セクター)の側に、それを吸収するだけの買いが入っていました。オルカンなら日本株経由で約−0.2%、S&P500なら半導体が2割を占めながら指数全体は+0.21%。同じニュースでも、経路ごとに効き方がまったく違います。
あなたのオルカン・S&P500への影響は?
新NISAでオルカンやS&P500を積み立てている25〜45歳くらいの会社員読者(この記事では「タケシさん」と呼びます)に、聞いてみたいことがあります。今回の半導体株急落のニュースを見て、あなたはご自身のオルカン・S&P500の評価額を確認しましたか。
私自身、以前は個別株を8銘柄保有していた時期があります。銘柄数が8つあったので、それなりに分散できていると思い込んでいました。ところが実際にHHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数、集中度を測る指標)を計算してみると3,100という数字が出ました。「高集中」とされる目安の2,500を軽く超えていたうえ、10,000をHHIの値で割ると均等保有時の実質的な銘柄数が分かる計算式に当てはめると、10,000÷3,100で約3.2。8銘柄に分けていたつもりが、実質は3銘柄程度に集中しているのとほぼ同じだったわけです。「銘柄数が多いから安心」という判断基準を、その時に手放しました。
今回の半導体株急落のニュースを見て、当時のことを思い出しました。半導体という1つのセクターが全面安になっても、オルカンやS&P500のようにセクターも銘柄も広く分散された指数なら、その影響は薄まって届きます。ただし「ほとんど関係ない」わけではありません。半導体はS&P500の19.7%と過去最高の比率まで拡大しており、影響はゼロではないからです。それでも残り約8割が吸収しうる規模ではある、という言い方が今の実態に近いと思います。逆に、半導体関連の個別株やセクターETFに資産を集中させていたら、今回の急落をそのまま体感していたはずです。銘柄数やファンドの本数ではなく、実際にどれだけ分散できているかを数字で確認する習慣は、今回のようなニュースが出るたびに効いてくると感じています。
【8月1日追記】半導体株は7月30日に急反発。ただし7月月間では下落月だった
この記事を最初に公開した7月28〜29日は、半導体株の急落局面でした。ところが7月30日、半導体株はその流れを覆す急反発を見せます。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前日比+8.19%と、約15か月ぶりの上げ幅を記録しました(別記事で詳述するマイクロソフトの好決算が材料の1つです)。マイクロン+18.4%、サンディスク+26.0%、AMD+13.0%、インテル+11.3%と、半導体株全般に買いが広がりました。
7月31日には東京市場でもキオクシアが値幅制限いっぱいまで買われ、ストップ高(+17.72%)で引けています。ただしこれは決算発表前の半導体株全般への見直し買いによるもので、決算発表そのものへの市場の反応は別(別記事で詳述)です。同じ31日、日経平均は前日比+2,494円(+4.03%)の64,362円で取引を終え、7月28〜29日の下げ幅の大半を取り戻しました。韓国市場もSKハイニックスの急伸を中心に反発しています。
米国の指数でも、7月31日はダウが52,485.03(前日比+276.97ドル・+0.53%)で7月6日につけた最高値(53,055.91)に対して約1%低い水準まで戻し、4か月連続の月間プラスを記録しました(別記事)。S&P500も7,489.72(同+0.7%)まで戻していますが、こちらは6月2日につけた史上最高値(7,609.78)からはまだ1.6%ほど低い水準です(7月中の高値7,575.39からは約1.1%低い水準)。半導体株を含むハイテク比率の高いナスダック総合指数(NASDAQに上場する約3,000銘柄をほぼ全て含む指数)も25,373.85(同+1%)まで戻しています。
ここまでは7月30〜31日という数日間の反発の話です。もう少し長い目で7月ひと月を振り返ると、印象はかなり変わります。半導体指数(SOX)は7月30〜31日の急反発を含めてもなお、7月ひと月の下落率は約21%(−20.6%)に達し、直近10年間で最も悪い月間成績になりました。半導体ETF(SOXX)も7月ひと月で約21%安(−21.2%)。韓国のKOSPI指数も月間約22%安(−22.19%)で、月末終値ベースで統計を遡れる範囲(1990年以降)を計算すると、1997年のアジア通貨危機・2008年の世界金融危機の月に次いで3番目に大きな下落率にあたります。一方、同じ7月のS&P500は月間でほぼ横ばいの−0.1%、ナスダック総合は−3.2%、ダウは+0.3%(4か月連続プラス)でした。7月30〜31日の反発は、この大きな下げ幅の一部を取り戻したにすぎません。半導体という1セクターが月間約21%安という異例の下落を記録した裏で、S&P500全体はほぼ横ばいだった——これこそが、本文で確認した「1つのセクターの急落は、指数全体には薄まって届く」という構造を、月単位でも裏づける最も分かりやすい対比だと思います。
ここで改めて確認しておきたいのは、半導体株のこうした急落・急反発は、あなたが積み立てているオルカンやS&P500そのものの値動きとは別の話だという点です。本文で確認したとおり、半導体関連株はS&P500の19.7%(過去最高水準)を占めているため影響はゼロではありませんが、残り約8割の値動き次第で指数全体の着地は変わります。7月28〜29日は下げが、7月30〜31日は戻りが、それぞれ指数全体には薄まって届いていました。仮にS&P500を500万円分保有しているとすると、7月31日の+0.7%はおよそ+3万5,000円、7月28日の+0.21%はおよそ+1万500円という規模感です。ニュースの見出しにある半導体株個別の変動率と、自分が積み立てている指数の変動率は別の数字だという整理を、ここでも繰り返しておきたいと思います。
今すぐできる3つのアクション
まとめ:7月28日、S&P500は+0.21%・日経平均は−3.95%
最後に整理します。
- Fitch Ratingsは2026年7月28日発表のQ3グローバル・リスク・アウトルックで「AI関連の相場調整」と「米国・イラン対立の継続」を最大の短期信用リスクに名指しした。IT投資(AI関連投資が中心とみられる)は2026年第1四半期の米国GDP成長率に+1.4ポイント寄与、米国の社債発行額は2026年上半期に前年比+26%増加(主にAI投資の資金調達目的)。株価水準についてはS&P500のCAPE(景気循環調整後PER)がドットコムバブル期に接近と指摘
- 東京市場ではキオクシアホールディングスが一時18%安、東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコも10%超下落。日経平均は7月27日に+0.50%と反発した後、28日は−2,566.27円(−3.95%)、29日も−930.73円(−1.49%)で2日続落。内需系バリュー株への資金シフトが鮮明になった
- 米国でもインテル株は7月28日に5.86%下落し、6月30日の終値からは約38%下落したと報じられている。半導体株の弱さは7月中旬の中国AIモデル発表をきっかけとしたSOX弱気相場入りから続く流れの延長線上にある
- Fitchの信用リスク警告と個別半導体株の急落は別々の報道であり、同じ週にマクロとミクロの両方でAI・半導体への懸念が表面化したという整理が正確
- S&P500は7月28日終値で7,428.78(前日比+0.21%)とプラス圏で終えた。半導体ETF(SMH)が3%超下落し4営業日連続安となる一方、ヘルスケア(XLV)+2.36%・金融(XLF)+1.27%がともに終値ベースの史上最高値を更新し、下げを吸収した
- キオクシア等はS&P500の構成銘柄ではなくオルカンの日本配分(約5%)経由。日経平均−3.95%の日でも、オルカン全体への影響は単純計算で約−0.2%にとどまる
- S&P500への直接経路は情報技術セクター(2026年7月4日時点で約33.3%)、うち半導体関連株だけで19.7%と過去最高水準(2020年6月頃の約5%から約4倍、ドットコムバブル期のピーク8%強の2倍超)。影響はゼロではないが、残り約8割が吸収しうる規模でもある
- 【8月1日追記】半導体株は7月30日にSOX+8.19%(約15か月ぶりの上げ幅)と急反発。マイクロン+18.4%・サンディスク+26.0%・AMD+13.0%・インテル+11.3%が牽引し、31日は東京市場のキオクシア(ストップ高+17.72%)・韓国市場のSKハイニックスも急反発。日経平均も31日に+2,494円(+4.03%)の64,362円で取引を終え7月28〜29日の下げ幅の大半を取り戻した。米指数でも7月31日終値でダウが52,485.03(+0.53%・4か月連続の月間プラス)、S&P500が7,489.72(+0.7%・ただし6月2日の史上最高値からはまだ約1.6%低い)、ナスダック総合が25,373.85(+1%)まで回復した。ただし7月ひと月で見るとSOXは約21%安(直近10年で最悪の月間)、S&P500はほぼ横ばいの-0.1%で、数日の反発だけでは埋まらない規模の差がセクターと指数全体の間にあった
半導体という1つのセクターが軒並み急落した7月28日、S&P500はプラスで終え、日経平均は−3.95%でした。同じニュースでも、どの指数を・どの比率で持っているかで効き方が変わる。そして7月30〜31日には、その半導体株自体が急反発しています。今回のFitchの警告・半導体株急落・その後の反発は、いずれも「半導体という1セクターの値動きは、オルカン・S&P500全体の値動きとは別の数字である」ことを確認する材料になったと思います。
PFWiseのポートフォリオ診断では、保有資産のセクター別・国別の構成比を一枚で確認できます。自分の資産がどのセクター・どの国にどれくらい依存しているかを数字で把握しておくと、今回のような懸念が重なる週が来ても、見出しではなく自分の数字で受け止めやすくなると感じています。
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ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第13版)
バートン・マルキール
半導体という1つのセクターの急落を見て不安になったときに読み返したい古典。個別企業や個別セクターを読み切ろうとする努力がなぜ報われにくいかを、歴史と統計で徹底的に示している。オルカン・S&P500のような広い分散を選ぶ理由を、あらためて言語化してくれる1冊。
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免責事項
※本記事で触れたFitch Ratingsの2026年第3四半期グローバル・リスク・アウトルックの内容(AI関連の相場調整・米国イラン対立に関する指摘、GDP寄与度、社債発行額、S&P500のCAPEに関する評価等)は、2026年7月28日時点で複数の一次報道により報じられている情報にもとづく概説であり、Fitch Ratings自身の見解の要約です。PFWiseが同レポートの内容を検証・保証するものではありません。
※半導体関連株(キオクシアホールディングス・東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコ・インテル等)の株価変動、日経平均・S&P500・各セクターETF(SMH・XLV・XLF)の数値は、2026年7月28〜29日時点で報じられている情報にもとづく概説であり、将来の値動きを保証するものではありません。インテル株の下落率のうち7月28日単日の5.86%、6月30日終値からの約38%(6月30日139.63ドルと7月28日の終値を比較した試算)は、いずれも終値ベースの試算です。ナスダック総合指数の下落・半導体株(フィラデルフィア半導体株指数SOX)の弱気相場入りに関する記述は、2026年7月中旬(別記事で詳述)の報道時点の情報を指しており、7月28〜29日時点の新規の動きではありません。
※Fitchの信用リスク警告と個別半導体株の株価急落は、それぞれ独立した報道にもとづくものであり、本記事はこの2つを因果関係として結びつけるものではありません。
※【8月1日追記】部分のSOX上昇率(7月30日+8.19%)・マイクロン/サンディスク/AMD/インテル等の個別株上昇率、S&P500(7月31日終値7,489.72)・ダウ(同52,485.03)・ナスダック総合(同25,373.85)の数値は、2026年7月30〜31日時点で報じられている情報にもとづく概説です。SOX・SOXX・KOSPIの7月月間騰落率およびS&P500/ナスダック総合/ダウの7月月間騰落率は、7月末の月末確定値として7月31日〜8月1日にかけて報じられている情報にもとづきます。将来の値動きを保証するものではありません。キオクシアホールディングス・SKハイニックスの7月31日の反発については、それぞれ関連記事(本文中リンク)で詳述している内容の要約です。
※記事内のセクター比率・国別配分に関する数値(「S&P500の情報技術セクター比率約33.3%(2026年7月4日時点)」「半導体関連株のS&P500構成比19.7%」「オルカンの日本配分約5%」等)および具体的な金額試算(500万円保有時の試算、日経平均−3.95%時のオルカンへの影響約−0.2%の試算等)は、説明のための概算・単純化した仮定であり、実際のオルカン・S&P500の構成比や個人の損益とは異なります。特にオルカンへの影響試算は「日本株部分が日経平均と同率で下落した」と仮定した単純計算です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。