「Sell in May」は正しい?75年のデータで分かった衝撃の真実——S&P500最高値更新中の今、NISA積立を止めてはいけない理由【2026年5月】
1950〜2025年の75年間、Sell in May戦略は+14,863%・保有継続は+34,177%と2倍以上の差。S&P500最高値・PER26倍の今こそ知るべき「積立を止めてはいけない理由」を初心者向けに解説。
「Sell in May」って何?投資初心者でも分かるように説明します
「Sell in May and go away(5月に売って、どこかへ行け)」という有名な相場格言があります。
これは「5月に株を売り、11月頃に買い戻すと良い」という投資戦略のことです。 歴史的に5月〜10月の夏場は株式市場が低迷しやすいという経験則から生まれた格言で、 毎年この時期になると「今年こそ売った方がいいのでは?」という話題が出てきます。
投資初心者でも分かるように解説します。 実際に75年分のデータを検証してみると、驚くべき結論が出ています。
【衝撃データ】75年間で2倍以上の差が生まれた
1950年から2025年までの75年間で、2つの投資戦略を比較した結果を見てみましょう。
- Sell in May戦略:毎年5月に売り、11月に買い戻した場合 → 累積リターン+14,863%
- 保有継続戦略:ただ持ち続けた場合 → 累積リターン+34,177%
保有継続の方が、2倍以上の差がついています。
100万円を1950年に投資したと仮定すると、Sell in May戦略では1億4,863万円になる一方、 ただ保有し続けた場合は3億4,177万円になります。 その差は約2億円。これが「売り買いを繰り返す」ことのコストです。
なぜ「Sell in May」戦略が負けるのか?
直感的には「高値で売って低値で買い戻す」のが正しそうに思えます。なぜ負けてしまうのでしょうか?
理由1:売り買いのたびにコストがかかる
株式ファンドを売ると、税金(利益の20.315%)がかかります。 通常の課税口座では、100万円の利益が出ると約20万円を税金で払い、80万円しか手元に残りません。 NISA口座でも、一度売ると非課税枠の消費につながります。
理由2:「相場の最良の日」を逃す
株式市場では、大きく上がる日が特定の時期に集中しています。 5月〜10月の「夏場」に相場から離れると、その期間中に起きる急騰を逃してしまいます。 過去のデータでは、年間で最も上がった日の上位10日を逃しただけで、 20年間の累積リターンが半分以下になるという研究結果もあります。
理由3:買い戻しのタイミングを間違える
「11月に買い戻す」と決めていても、その時の市場が高値だったら? 心理的に「もう少し下がってから買おう」と様子を見てしまい、 結局さらに高くなってから買う羽目になるのが人間の心理です。
「高値圏で積立継続は怖い」という感覚が危険な理由
2026年5月現在、S&P500は最高値圏にあります。実績PERは26倍、予想PERも21倍と高水準です。
「今が高値だから怖い」という気持ちはよく分かります。でも、こんなデータがあります。
- 1987年:ブラックマンデーで-34%の大暴落 → その後、持ち続けた人は元値奪回後に+200%以上
- 2000年:ITバブル崩壊で-49%の大暴落 → その後の20年間積立継続者は全員プラス
- 2007年:リーマンショックで-56%の大暴落 → その後の15年間積立継続者は大幅プラス
- 2020年:コロナショックで-34%の大暴落 → わずか6ヶ月で元値奪回
「高値に見えた時点」に積立を止めた人たちは、その後の回復と上昇を享受できませんでした。
重要なのは:どの時点が「高値」か、事前に分かる人は誰もいないということです。
「オルカン・S&P500積立が上がるとどうなる?」「下がるとどうなる?」
S&P500が下がった場合
積立を続けている場合、下落は「安く買えるチャンス」になります。 毎月3万円積立している場合、基準価格が下がれば同じ3万円でより多くの口数を購入できます。 これをドルコスト平均法と呼び、長期的には取得価格が平準化されます。
S&P500が上がり続けた場合
積立を続けていれば、当然資産が増えていきます。 「高値で買い増し」することになりますが、長期的にS&P500が右肩上がりを続けると仮定すれば、 今日の「高値」は5年後に見ると「安値」になっている可能性が高いです。
「Sell in May」で売り、11月に高値で買い戻した場合
2024年5月〜10月のS&P500を振り返ると、この期間も実は+10%以上上昇しています。 「夏場は低迷する」という格言通りにならない年も多く、 売り抜けてもその後に下がるとは限らないのが現実です。
S&P500 PER26倍は本当に危険?ハワードマークス氏の警告を解説
伝説的な投資家ハワードマークス氏が「歴史的にPERが23倍前後に達した後の10年年率リターンは2%〜-2%に収まる」と警鐘を鳴らしています。
これは重要な視点です。ただし、NISAで積立投資している方にとって意味することは:
- 「今後10年の年率リターンが低い可能性がある」→ だから積立額を増やして口数を稼ぐべき
- 「一括投資なら慎重に」→ だが毎月積立なら下落時も拾えるのでリスク分散できている
- 「市場から出ろという意味ではない」→ 現金に変えると確実に機会損失になる
つまり「PERが高い=積立を止める理由にはならない」というのが積立投資の考え方です。
NISA積立でやるべき「正しい行動」
「Sell in May」の議論から学べる最大の教訓は、「市場タイミングを予測しようとすることは、長期的に損をする戦略」ということです。
代わりに、以下のアプローチが統計的に有効です:
- 積立設定を変えない:毎月の自動積立を5月だけ止めたり、一時停止したりしない
- SNSのノイズを遮断する:「今は暴落する」「Sell in May」の話題で不安になっても、設定を変えない
- ポートフォリオを確認する:テック集中していないか、セクター分散ができているか確認
- 長期の軸を持つ:5年・10年・20年の目標から逆算して、今の株価水準に一喜一憂しない
日経平均EPS 3,000円突破・63,000円シナリオとNISAの関係
2026年5月1日時点で、日経平均のEPS(1株当たり利益)が初めて3,000円を突破しました。 PERを20〜21倍で計算すると、日経平均の理論株価は60,205〜63,215円という計算になります。
これはNISA積立で日本株を保有している方にとって朗報です。 ただし、以下の点を確認しましょう:
- 日経平均ETFや日本株比率が高い場合:恩恵を受ける可能性が高い
- オルカン(全世界株)の場合:日本株は約5〜6%の比率のため限定的な恩恵
- S&P500集中の場合:日本株の上昇は直接関係しないが、円安進行が為替損につながる可能性も
まとめ:「Sell in May」をやってはいけない3つの理由
- 75年分のデータが示す通り、保有継続が2倍以上の結果を出している
- 税金と手数料で確実にコストが発生し、複利が中断される
- 「最良の日」を逃すリスクが高く、買い戻しタイミングも難しい
NISA積立はシンプルさが最大の強みです。 市場タイミングを計ろうとするほど、その強みが失われます。
「設定して、放置して、長期で見る」——これが75年のデータが証明した最良の戦略です。
関連書籍(もっと学びたい方へ)
ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第12版)株式投資の不滅の真理
バートン・マルキール
「市場タイミングを予測することは不可能」というデータを徹底検証。インデックス投資の理論的根拠を理解できる投資家必読の一冊。Sell in Mayのような格言が機能しない理由も分かります。
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