著者: Koki Riho(PortfolioWise 開発者・運営者)
日経平均が1%動いても、あなたのオルカンへの直接の影響は100万円で約500円【2026年10月6日】
投資初心者向け。10月6日に日経平均が+1.05%で終値7万円台を約3ヶ月ぶりに回復し、7日は-0.92%。オルカンの日本株比率5.0%で計算した100万円あたりの直接の影響と、S&P500が0円になる理由を解説。
7万円台回復のニュースとあなたのオルカン
投資初心者でも分かるように解説します。
先にお伝えしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で、自分のサービスにも少しだけ触れます。
2026年10月6日、株探(かぶたん。株式の情報サイト)などの市況記事に「7万円台回復」という見出しが並びました。
この見出しを見て、自分のオルカンも増えたはずだと思った方もいるでしょう。では、あなたのオルカンへの影響はいくらだったのでしょうか。
日経平均が1日で1%動いても、オルカン100万円への直接の影響は約500円です。S&P500への直接の影響は0円です。だから私は、日経平均の速報を見て積立を止めたり増やしたりしなくてよいと考えています。10月6日と7日の実際の数字で確かめます。
10月6日と7日の日経平均
10月6日の日経平均は、前の日より737.12円高い70,683.98円で取引を終えました。上がった率は+1.05%です。
この率は、前の日(10月5日)の終値69,946.86円をもとに計算します。737.12円を69,946.86円で割ると、約1.05%です。
終値で7万円台に乗ったのは、7月1日(70,474.96円)以来で、約3ヶ月ぶりです。7月2日から10月5日までの終値は、すべて7万円を下回っていました。
何が日経平均を押し上げたのか。株探の大引け記事は、こう書いています。
「前日の米国株市場がハイテク株中心に買われナスダック総合株価指数が約2週間ぶりに史上最高値を更新したことを受け、同関連株を中心に買いが広がった」
ナスダック総合株価指数は、IT企業が多く上場する米国のナスダック市場の株でつくる指数です。同じ株探の別の記事は、見出しで「半導体株が牽引」と伝えています。日経平均の上げ幅737円のうち、約334円は、半導体関連のアドバンテスト1社の値上がりによるものだったそうです。
ただ、朝からずっと強かったわけではありません。OANDAのサイトに載った市況記事(配信元はDZH)によると、寄り付きの上げは1桁(円)にとどまったそうです。開始直後には、100円以上下げた場面もありました。株探によると、上げ幅が広がったのは午後の取引(後場)に入ってからでした。
翌10月7日の日経平均は、648.27円安い70,035.71円で取引を終えました。率にすると-0.92%で、3日ぶりの下げ(反落)です。終値は7万円台を保ちました。
株探の大引け記事の見出しは「3日ぶり反落、半導体関連中心に利益確定売り」でした。利益確定売りは、値上がりした株を売って、もうけを確定させる動きです。
前の晩の米国では、ナスダック総合株価指数が5日続けて上がり、最高値を更新していました。それでも株探は、東京市場が「この流れを引き継げなかった」と書いています。米国株が上がった翌日でも、日経平均が下がる日はあります。
オルカン100万円への直接の影響
計算は掛け算1回です。
オルカンの評価額 × 日本株の比率 × 日経平均の変化率
10月6日なら、100万円 × 5.0% × 1.05% = 525円です。割合にすると約0.05%で、日経平均の+1.05%の20分の1です。
10月7日なら、100万円 × 5.0% × 0.92% = 460円のマイナスです。
この計算は、オルカンの中の日本株が日経平均と同じ率で動いたと仮定した目安です。運用会社の交付目論見書によると、オルカンの日本株の部分は、日経平均ではなく「MSCIジャパン・インデックス」(指数会社のMSCIがつくる日本株の指数。大型株と中型株167社、2026年9月末時点)に連動することをめざし、時価総額の比率で組み入れています。日経平均とは、会社の選び方も計算方法も違います。なので、実際の金額はこの目安とずれます。ずれの大きさは、日によって変わります。また、オルカンの残りの約95%は日本以外の国の株です。その日の基準価額(ファンドの値段)は、日本以外の株と為替の動きで大きく変わります。
例えば、オルカンを300万円持っている人の場合です。10月6日の直接の影響は、300万円 × 5.0% × 1.05% = 1,575円でした。自分の評価額を入れれば、同じ式ですぐに出せます。
S&P500の場合
S&P500に連動するファンドなら、計算は100万円 × 0% × 1.05% = 0円です。日経平均が+1.05%の日も、-0.92%の日も、答えは0円のままです。
S&P500のファンドを持つ人に効くのは、S&P500そのものの動きです。10月5日(米国時間)のS&P500は、前の営業日より0.66%高い7,773.95で取引を終えました。東京で10月6日の取引が始まる前の数字です。S&P500のファンドを100万円持っていれば、為替の動きを考えずに計算して約6,600円の値上がりです。日経平均の0円とは、けたが違います。
オルカンとS&P500のどちらを持つかで迷っている方は、 乗り換える前に見る3つの数字をまとめた記事 も読んでみてください。
日経平均が上がる/下がるとオルカンはどうなる?
日本株の比率5.0%で計算すると、オルカン100万円への直接の影響はこうなります。
- 日経平均が1%動く日なら、約500円
- 2%動く日なら、約1,000円
- 3%動く日なら、約1,500円
- S&P500のファンドなら、日経平均が何%動いても0円
上がる日はこの分だけ増え、下がる日はこの分だけ減ります。日経平均が1日で3%動けば、大きなニュースになります。それでも、オルカン100万円に届くのは約1,500円です。
例えば、1ドル=150円が155円まで円安になったとします。S&P500のファンドを100万円持っていれば、株価が同じでも評価額は約3万3,000円増えます。5円÷150円で、約3.3%の円安だからです。円高なら、同じだけ減ります。ここでは、為替ヘッジ(為替の動きをおさえる仕組み)のないファンドを想定しています。
日本の金利も関係があります。日本の金融政策は為替を動かすことがあり、円高や円安を通じて、円での評価額に影響します。オルカンやS&P500の円での評価額を大きく動かすのは、日本以外の株と為替のほうです。
日経平均の速報と毎月の積立
日経平均の1日の速報を理由に、オルカンやS&P500の積立を止めたり増やしたりする必要はない、と私は考えます。
日経平均で計算した目安では、7万円台回復の日が約525円のプラス、次の日が約460円のマイナスで、2日分の差し引きは約65円です。日経平均が何日も同じ向きに動けば、その分は積み上がります。たとえば日経平均が10%動けば、直接の影響は100万円で約5,000円です。それでも、日本株の比率は5%前後なので、1日の速報の影響は限られます。
積立の金額を見直すなら、きっかけにするのは家計や目標の変化がよいと私は思います。1つの指数や1つの銘柄の動きが、分けて持つことでどれだけ薄まるかは、 8月28日の値動きで分散の効果を計算した記事 でも取り上げています。
今日から確認しておくとよいこと
まとめ
- 10月6日の日経平均は+1.05%で、終値で約3ヶ月ぶりに7万円台に戻りました。翌7日は-0.92%でした
- 日経平均で計算した目安では、オルカン100万円への直接の影響は、6日が約525円のプラス、7日が約460円のマイナスです
- S&P500には日本株が入っていないので、直接の影響は0円です
「7万円台回復」という見出しは大きく見えます。それでも、あなたのオルカン100万円に届く分は500円前後です。次に日経平均の速報を見たら、評価額 × 日本株の比率 × 変化率を一度計算してみてください。
関連書籍(もっと学びたい方へ)
ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第13版)
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参考資料
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株探「【↑】日経平均 大引け| 大幅続伸、半導体関連が買われ7万円台回復 (10月6日)」(2026年10月6日)
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202610061041 -
株探「東京株式(大引け)=737円高と続伸、半導体株が牽引し終値で7万円回復」(2026年10月6日)
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202610060922 -
OANDA掲載 DZH「日経平均サマリー(6日)」(2026年10月6日)
https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/mn_1037530_202610061753/ -
株探「【↓】日経平均 大引け| 3日ぶり反落、半導体関連中心に利益確定売り (10月7日)」(2026年10月7日)
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202610070971 -
三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 月次レポート」(2026年8月31日現在)
https://www.am.mufg.jp/pdf/geppou/253425/253425_202608.pdf -
三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 交付目論見書」(2026年7月25日)
https://www.am.mufg.jp/pdf/koumokuromi/253425/253425_20260725.pdf -
MSCI「MSCI Japan Index」ファクトシート(2026年9月末)
https://www.msci.com/documents/10199/78a2d66c-74d6-422b-bb03-e54542d30152 -
S&P Dow Jones Indices「S&P Dow Jones Indices Clarifies Domicile Language for U.S. Indices」(2023年7月5日)
https://press.spglobal.com/2023-07-05-S-P-Dow-Jones-Indices-Clarifies-Domicile-Language-for-U-S-Indices -
Yahoo Finance 日経平均(^N225)とS&P500(^GSPC)の日足データ
https://finance.yahoo.com/quote/%5EN225/history/
免責事項
※日経平均の終値と前日比(10月6日は70,683.98円・+737.12円・+1.05%、10月7日は70,035.71円・-648.27円・-0.92%)は、株探の各日の大引け記事にもとづきます。終値で7万円台に乗ったのが7月1日(70,474.96円)以来であることは、Yahoo Financeの日足データで確認した値で、OANDA掲載のDZH「日経平均サマリー(6日)」と株探の大引け記事の記載とも一致しています。
※10月6日の値動きの説明と、上げ幅のうち約334円がアドバンテスト1銘柄によるものという数字は、株探の2026年10月6日付の大引け記事にもとづきます。10月7日の値動きの説明は、株探の2026年10月7日付の大引け記事にもとづきます。
※10月5日(米国時間)のS&P500の終値と前日比(7,773.95、+0.66%)は、Yahoo Financeの日足データにもとづきます。
※オルカンの日本株の比率(5.0%)は、三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート(2026年8月31日現在、組入上位10ヵ国・地域)の値です。比率は毎月変わります。
※オルカンの日本株の部分の連動先(MSCIジャパン・インデックス)は、三菱UFJアセットマネジメントの交付目論見書(2026年7月25日)にもとづきます。同指数の構成銘柄数(167社、2026年9月末)は、MSCIのファクトシートにもとづきます。
※S&P500に日本企業が入らないことは、S&P500の採用対象を米国企業に限るという、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの採用基準(参考資料のプレスリリースが説明する、所在地の規定)にもとづきます。
※記事内の金額は、日経平均の変化率とファンドの日本株の比率を掛けた概算です。オルカンの日本株の部分が日経平均と同じ率で動くと仮定した目安で、実際の基準価額の増減とは一致しません。為替の動きと信託報酬などのコストは含めていません。為替の例(1ドル=150円から155円)は仮の数字です。
※過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。Audibleの案内も、同じくAmazonアソシエイトのリンクです。