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マイクロソフトは時価総額最大の増加、Metaは9%下落——明暗分けた決算とS&P500反発をNISA積立向けに解説【2026年7月29-30日】

マイクロソフトはAzure+43%成長で株価急伸、時価総額増加額は史上最大規模。同日発表のMetaは一時費用でEPS未達、株価8〜9%下落。S&P500はFOMC翌日に7,437.63まで反発。オルカン・S&P500積立投資家向けに数字で解説します。

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同じ週に発表された、正反対の決算

投資初心者でも分かるように解説します。

(はじめにお断りしておくと、私はポートフォリオ管理ツールPFWiseの運営者です。記事の後半で自分のサービスにも触れます。)

2026年7月29日、マイクロソフトとMeta(旧Facebook)がそろって四半期決算を発表しました。どちらも「マグニフィセント7」と呼ばれる米国の主要テック企業の一角で、S&P500やオルカンの上位構成銘柄です。ところが決算への市場の反応は、まるで正反対でした。マイクロソフトの株価は決算発表後に急伸し、Metaの株価は8〜9%程度下落。同じ「AIに巨額投資をしているテック企業」でありながら、なぜここまで明暗が分かれたのか。この記事ではその内容を整理し、翌日のS&P500・ナスダックの反発とあわせて、オルカン・S&P500を積み立てているあなたのポートフォリオへの関わり方を数字で解説します。

マイクロソフトの決算:クラウド事業Azureが+43%成長

まずマイクロソフトです。2026年7月29日発表の四半期決算は、売上高900.1億ドル(前年比+17.75%)・EPS(1株あたり利益)4.74ドルで、どちらも市場予想を上回りました。特に強かったのがクラウド事業です。Intelligent Cloud部門の売上高は393.1億ドル(+32%)でした。その中核であるクラウドコンピューティングサービスのAzureは前年比+43%の成長を記録し、通期売上高が初めて1,000億ドルを突破しています。なお今回の決算には、出資しているAI企業Anthropicの株式評価益32億ドルも含まれており、この部分は毎期繰り返されるものではない一時的な要因です。

決算発表を受けて、マイクロソフトの株価は急伸しました。報道によって上昇幅の数字には14.8%〜16%程度の幅がありますが(時点や集計方法の違いによるものとみられます)、いずれの報道も「時価総額の増加額として株式市場史上最大規模」という点では一致しています。増加額は報道により約4,500億〜4,800億ドルとされており、1ドル150円で単純換算すると日本円で約67兆〜72兆円に相当します。1つの企業の決算発表で、1日にこれだけの評価額が積み上がるのは異例の規模だと言えます。

Metaの決算:売上は予想超えでも株価はなぜ8〜9%下落したのか

一方のMetaです。売上高は608.0億ドルで前年比+28%、市場予想(601.7億ドル)も上回りました。本業の稼ぐ力自体は伸びています。ところがEPSは6.18ドルと市場予想(約7.2ドル、集計機関により7.17〜7.22ドルの幅)を大きく下回りました。原因は約36億ドル規模の一時費用です。内訳は訴訟関連の引当金24億ドルと、2026年5月に実施した従業員約8,000人分の人員削減に伴う退職費用12億ドル(合計約36億ドル)。Meta CFOは決算説明会で、この一時費用を除けば営業利益は前年比+9%だったと説明しています。つまり本業の実力そのものが悪化したわけではなく、一時的な費用計上が利益を押し下げた形です。

それでも市場が特に注目したのは2つの数字でした。1つはフリーキャッシュフロー(自由に使える手元資金)です。前年の85.5億ドルから7.84億ドルへ、91%減少しました。もう1つは、2026年通期の設備投資計画を1,250億〜1,450億ドルから1,300億〜1,450億ドルへ上方修正したことです。株価は決算後8〜9%程度下落しました(時間外取引時点か翌営業日の終値時点かで、報道により幅があります)。

設備投資の増額自体は「AIに強気だから」というポジティブな解釈もできます。実際、マイクロソフトも巨額の設備投資を続けている点は同じです。それでも市場の反応が正反対だったのは、投資に見合うリターン、つまりAI投資に直接ひもづく収益の柱(Azureのような)を、Metaの決算では今回示せなかったためだと報じられています。Meta自体の売上は+28%と伸びていますが、その伸びとAI投資の関連性が今回の決算では明確に示されなかった、という意味です。あえて言えば、今回の決算は「2つのAI投資戦略」の対比のように見えます。一方(マイクロソフト)は利益を伸ばしながら投資も増やし、もう一方(Meta)は一時費用が重なって投資コストが利益を圧迫して見える結果になりました。

FOMCの翌日、S&P500は+1.7%・ナスダックは6日ぶり反発

この決算が発表されたのと同じ週、FRB(米連邦準備制度理事会。日本の日銀にあたる米国の中央銀行)は2026年7月29日のFOMC(米連邦公開市場委員会。FRBが政策金利を決める会合)で政策金利を3.50〜3.75%に据え置きました。投票は9対3の賛成多数で、反対した3人は全員「利上げすべき」という立場でした(この会合の詳細は別記事で整理しています)。この日、S&P500の終値は7,316.15(前日比-1.52%)まで下落しました。長期金利(償還まで10年前後ある米国債の利回り)の上昇も重なり、神経質な値動きとなりました。

ところが翌7月30日、相場の空気は一変します。マイクロソフトの好決算に加え、前週まで急落していた半導体株の反発(こちらの経緯は別記事で整理しています)も追い風になり、S&P500は7,437.63(前日比+1.7%)まで戻しました。ナスダック総合指数はさらに強く、+2.8%の25,122.18まで上昇。これは6営業日続いていた下落基調が一旦止まった格好です。金(ゴールド)価格も1トロイオンス(金の重さの単位。約31.1グラム)あたり4,100ドル前後まで上昇しており、FOMCの結果を受けた資金の動きが株式・金の両方に及んでいたことがうかがえます。

たった2日間で、S&P500は「利上げ観測で下落」から「好決算で反発」へと大きく揺れ動いたことになります。この振れ幅の大きさそのものが、日々のニュースだけで一喜一憂することの難しさを物語っていると思います。

あなたのオルカン・S&P500への影響は?

新NISAでオルカンやS&P500を積み立てている25〜45歳くらいの会社員読者(この記事では「タケシさん」と呼びます)に、確認してほしい数字があります。マイクロソフトは2026年6月30日時点でS&P500構成比4.29%を占める第3位の構成銘柄です(1位はNVIDIA7.50%、2位はApple6.57%)。仮にS&P500を500万円分保有しているとすると、マイクロソフト1銘柄への配分はおよそ21万円分に相当します。

決算発表後の株価上昇(報道で14.8%〜16%程度の幅)を、この21万円に単純にあてはめてみます。指数全体への寄与はおよそ+0.64〜0.69%分。金額にすると500万円のうち約3.2万〜3.4万円という試算になります。例えば、毎月3万円をS&P500に積み立てているタケシさんなら、ちょうど1か月分の積立額に相当する評価額が、マイクロソフト1銘柄の決算だけで動いた計算です。もちろんマイクロソフト1銘柄の急騰だけでS&P500全体が7,316.15から7,437.63まで動いたわけではなく、半導体株の反発や他のセクター(業種のまとまり。情報技術・ヘルスケア・金融など11分類がある)の動きも合わさった結果です。それでも、S&P500上位3銘柄(NVIDIA・Apple・マイクロソフト)だけで指数の約18.4%を占めている以上、この3社の決算・値動きは指数全体への影響が大きい構造になっている、ということは意識しておく価値があると思います。

私自身、以前は話題の大型IPO(新規上場。企業が初めて証券取引所に株式を公開すること)のたびに「今買わないと一生買えない」という衝動に駆られてきました。初値(上場後に最初につく取引価格)で成行注文(価格を指定せず「いくらでもいいから買う」という注文方法)を出し、高値掴みで長期の含み損(売らずに保有したままの状態での評価損)を抱えた経験が何度かあります。今回のマイクロソフトのような「1日で+15%前後」というニュースを見ると、同じ衝動が頭をもたげます。例えば、決算翌日に慌ててマイクロソフト株を買い増していたら、その後の値動き次第では高値掴みになっていたかもしれません。ただ、そのたびに自分に問い直すようにしているのは「この1銘柄が、自分のポートフォリオ全体の何%を占めているか」という一点です。オルカンやS&P500を積み立てていれば、マイクロソフトのような好決算銘柄の恩恵も、Metaのような下落銘柄の影響も、どちらも指数の構成比に応じてすでに織り込まれています。個別のニュースを見て慌てて売買先を変えるより、その構成比を確認するほうが、今の自分には合っていると感じています。

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まとめ:同じ週の好決算と減益決算、そして指数の反発

最後に整理します。

  • マイクロソフトのEPS4.74ドルには、Anthropic株の評価益32億ドルという一時要因も含まれる。それでもAzure(クラウド事業)の+43%成長は実力による伸びで、通期売上高が初めて1,000億ドルを突破した
  • Metaの売上高は前年比+28%成長と本業は堅調。EPS未達の主因は訴訟引当金24億ドル+人員削減費12億ドル=合計約36億ドルの一時費用で、これを除けば営業利益は前年比+9%だったとCFOが説明している
  • S&P500はFOMC当日(7月29日)の終値7,316.15(-1.52%)から、翌30日には決算を好感して7,437.63(+1.7%)まで反発。ナスダック総合指数も+2.8%の25,122.18まで戻し6営業日続いた下落基調が一旦止まった
  • マイクロソフトのS&P500構成比4.29%(第3位、1位NVIDIA7.50%・2位Apple6.57%)を500万円のS&P500保有にあてはめると配分額は約21万円。決算後の株価上昇分だけで指数全体に+0.64〜0.69%分、金額で約3.2万〜3.4万円寄与した計算になる
  • オルカン・S&P500の積立投資家は、個別に売買しなくても構成比に応じて好決算銘柄の恩恵も下落銘柄の影響もすでに受けている。急騰した個別銘柄を後から追いかけて買う前に、自分の指数の中に既にどれだけ含まれているかを確認する価値がある

同じ週に発表された正反対の決算と、その翌日の指数の反発。個別企業のニュースの大きさに気を取られがちですが、オルカン・S&P500の積立投資家にとって大事なのは、それが自分の保有資産全体の中で何%を占める出来事なのかを数字で確認することだと思います。

PFWiseのポートフォリオ診断では、保有資産の構成銘柄・セクター別の比率を一枚で確認できます。今回のような「1つの企業の決算が大きく報じられた日」に自分の数字を確認しておくと、次に似たニュースが出たときも見出しでなく自分の数字で受け止めやすくなると感じています。

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免責事項

※本記事で触れたマイクロソフト・Metaの決算内容(売上高・EPS・Azure成長率・フリーキャッシュフロー・設備投資計画・一時費用の内訳等)は、CNBC・Bloomberg・The Motley Fool・TechCrunch・Variety等、2026年7月29〜30日時点の複数の報道にもとづく概説です。マイクロソフトの株価上昇幅(決算後14.8%〜16%程度)、時価総額の増加額(報道により約4,500億〜4,800億ドル・「1日の増加額として株式市場史上最大規模」との報道)、Meta株価の下落幅(決算後8〜9%程度)、Metaの一時費用合計額(訴訟関連24億ドル+人員削減費12億ドル=合計約36億ドル)は、報道時点(時間外取引か翌営業日終値か)・集計方法により数値に幅があり、PFWiseが独自に検証・保証するものではありません。マイクロソフトのS&P500構成比(4.29%・NVIDIA7.50%・Apple6.57%)は複数の市場データサービスの集計にもとづく2026年6月30日時点の概算です。
※S&P500・ナスダック総合指数の数値(7月29日終値7,316.15・7月30日終値7,437.63・ナスダック総合25,122.18等)、金価格(1トロイオンス4,100ドル前後)は、2026年7月30日時点で報じられている情報にもとづく概説であり、将来の値動きを保証するものではありません。
※記事内の金額試算(500万円のS&P500保有時のマイクロソフト配分額・指数全体への寄与度の試算・時価総額増加額の円換算[1ドル150円で試算]等)は説明のための概算・単純化した仮定であり、実際のS&P500の構成比や個人の損益とは異なります。特に指数全体への寄与度の試算は、決算後の株価上昇幅を構成比にそのまま乗じた単純計算であり、実際の指数の値動きは他の構成銘柄・セクターの動きも合わさった結果です。
※FRBの金融政策(2026年7月29日のFOMCでの政策金利据え置き・投票結果)に関する詳細は別記事で解説しており、本記事では前提として簡潔に触れるにとどめています。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
※本記事はPFWiseの運営者が執筆しており、個人的な見解を含みます。書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。