著者: Koki Riho(PortfolioWise 開発者・運営者)
ゴールドは1月の高値から下落・5月決算ラッシュ到来:NISA積立投資家が今やるべき3つのこと【2026年5月】
金価格は2026年1月下旬の高値から下がり、5月1日の終値は1オンス4,600ドル台(現物)。同時に5月決算ラッシュ・配当入金シーズンが到来。オルカン・S&P500積立中のNISA投資家がこの局面でやるべき3つのアクションを初心者向けに解説。
投資初心者でも分かるように解説します。2026年5月現在、投資に関する3つの大きな出来事が同時に起きています。
- 金(ゴールド)価格が1月下旬の高値から下落(1月28日の終値5,416.42ドル → 5月1日の終値4,612.89ドル・1オンスあたり・現物)
- 5月は日本企業の本決算ラッシュ(3月期決算の結果発表が集中)
- 配当金の入金シーズン(5月下旬〜6月にかけて日本株配当が着金)
「ゴールドは高値から下がったけど、今から買うの?」「決算って関係あるの?」「配当金が入ったら何をすべき?」——この3つの疑問に、オルカン・S&P500を積立している投資家「タケシ」視点でお答えします。
ゴールドは1月の高値から下落——あなたのポートフォリオへの影響は?
金(ゴールド)の国際価格(現物)は、2026年1月28日の終値1オンス5,416.42ドルが、終値としては年初からの最高でした。その後は下がり、5月1日の終値は1オンス4,612.89ドルで、1月28日より約15%低い水準です。日本円では1オンス(約31グラム)が約72万円(1ドル=156.76円で換算)、1グラムあたり約2万3,000円です。2025年12月31日の終値(4,314.86ドル)と比べると+6.9%です。
ゴールドの値動きを左右する3つの要因
金の値動きの説明でよく挙げられる要因は3つです。2026年5月時点の状況とあわせて見ます。
要因1: 中央銀行の購入
各国の中央銀行はゴールドを買い増してきました。World Gold Council(WGC)の集計では、2025年の中央銀行の購入量は863トンでした。WGCは、この量を歴史的に高い水準としつつ、直近のペースよりは鈍ったと書いています。
要因2: 実質金利(金利からインフレ率を引いたもの)
「実質金利」とは金利からインフレ率を引いたもの。実質金利がマイナス=お金を銀行に預けていると実質的に損する状態。こういう局面では「利息を生まないゴールド」でも競争力が高まる、と説明されます。ただし、2026年5月1日の米国10年物の実質金利(物価連動国債の利回り)は1.91%で、プラスでした。
要因3: 地政学リスク(地域紛争・関税)
紛争や関税をめぐる不安が強まると、安全資産として金を買う動きが出やすい、とよく言われます。WGCは、2025年の金の投資需要を支えた理由として、安全資産としての需要と分散の動機を挙げています。ただし、不安が強まれば必ず金が上がるわけではありません。
インデックス投資家への影響:「今すぐゴールドを買うべき?」
結論から言います。オルカン・S&P500の積立を止めてゴールドに移行する必要はありません。
ただし、値動きの違う資産として、ポートフォリオの一部にゴールドを組み入れるという考え方はあります。
「今からゴールドを買うのは高値掴みでは?」
もっともな疑問です。金は1月下旬の高値から下がりましたが、この先上がるか下がるかは誰にも分かりません。だからこそ、一括投資ではなく積立(ドルコスト平均法)での少額から始めるのが現実的です。
ゴールドに投資する投資信託のうちNISA成長投資枠の対象になっているものを、毎月1万円ずつ積み立てるのは一つの選択肢です。100万円を一括投資するのとは全く違うリスクです。
5月決算シーズンとは何か——NISA投資家が知るべきこと
日本では、3月末を決算期末とする企業が多く、その結果が5月中旬に発表されます。これが「5月決算ラッシュ」と呼ばれる現象です。
決算が株価に与える影響
決算発表後、株価は大きく動くことがあります。「予想より良い決算(上振れ)」→株価上昇、「予想より悪い決算(下振れ)」→株価下落、というのが基本パターンです。
インデックス投資家(オルカン・S&P500)にとっては基本的に無関係です。なぜなら、個別銘柄の決算結果がインデックス全体の価格を大きく変えることはまれだからです。ただし、主力銘柄(日本ならトヨタ・三菱UFJ、米国ならApple・Microsoft)の決算は市場全体に影響することがあります。
「決算またぎ」に注意が必要なのは個別株投資家
個別株を持っている方は、決算発表前後で株価が急変するリスク(「決算またぎリスク」)があります。一方、インデックスファンドなら数百〜数千社に分散されているため、1社の決算が致命的な損失になることはありません。これが分散投資のメリットです。
配当金入金シーズン——入ったお金で何をすべきか
3月末が権利確定日の日本株は、5月下旬〜6月にかけて配当金が着金します。「配当金チャリン!」と話題になる時期です。
配当金が入ったら:インデックス投資家の正解
配当金の使い道について、インデックス投資家の正解は明確です。
- NISAの積立額を増やす原資にする(つみたて投資枠は年間120万円まで)
- 成長投資枠でオルカンやS&P500をスポット購入
- 生活防衛資金(6ヶ月分の生活費)が不足している場合は現金として積み立て
「配当金が入ったから使っちゃおう」はNG。再投資することで複利の効果が最大化します。
例: 配当金3万円をオルカンに再投資→30年後には(年利7%・複利)約22.8万円になる計算です(3万円×1.07の30乗≈7.6倍)。一度投資したお金が雪だるま式に増えるのが複利の力です。
NISA積立投資家が今やるべき3つのこと
アクション1: ポートフォリオの現在地を確認する
金価格の下落・日経平均の6万円台乗せ(4月27日の終値で初めて)・決算シーズンが重なる今こそ、自分のポートフォリオが「当初予定した配分」から大きくズレていないかを確認するタイミングです。
例えば、「株式90%・現金10%」と決めていたはずが、株高で「株式95%・現金5%」になっていませんか? これが「リバランスの必要サイン」です。
アクション2: 積立設定が生きているか確認する
相場が大きく動いたときに「積立を止めよう」と考えている方——止めないでください。
「Sell in May(5月に売れ)」という相場格言がありますが、売る時期と買い戻す時期を毎年当て続けるのは簡単ではありません。この記事は、決めた積立を続けるほうが判断を誤りにくいと考えます。
アクション3: ゴールドを「少額」で試す(任意)
ゴールドへの興味がある方は、NISA成長投資枠で月1,000〜1万円程度の少額積立から試す方法があります。始める前に、ポートフォリオ全体に占める上限(例:5%まで)を決めておくと、買い過ぎを防げます。
商品を選ぶときは、NISA成長投資枠の対象かどうか、信託報酬(手数料)、為替ヘッジの有無を、証券会社の商品ページや目論見書で確かめましょう。
「ゴールドが上がるとどうなる?」——株・円・NISA積立との関係
ゴールドと株価の関係
「株が下がるとゴールドが上がる」とよく言われますが、日々の値動きでは必ずしもそうなっていません。2025年1月3日から2026年5月1日までに、S&P500が前日比1%以上下げた日は39日あり、そのうち金(現物)が上がったのは22日でした。また2026年5月1日は、S&P500が終値の最高値を更新した一方、金は1月下旬の高値から約15%下にありました。
円安時:ゴールドの円建て価格への影響
ゴールドの国際価格はドル建てです。円安(1ドル=150円→160円)になると、ドル建ての金価格が同じでも、円建ての価格は約6.7%上がります(160÷150≒1.067)。つまり、円建ての金価格は「ドル建ての金価格の動き」と「為替の動き」の両方で動きます。ドル建ての上昇と円安が重なれば上げ幅は大きくなり、ドル建ての下落と円高が重なれば下げ幅が大きくなります。
2026年5月1日のドル円は156円台(FRBの公表レートで156.76円)でした。円安が続く環境では、ゴールドの円建て価格は割高に見えることに注意が必要です。
金利上昇時:ゴールドへの影響
一般論として「金利が上がるとゴールドは不利」です。なぜなら、金利が高いと「利息が付く預金・債券」がゴールドより魅力的になるからです。金利を見るときは、インフレ率を差し引いた実質金利(要因2)もあわせて確認します。
まとめ:金の下落・5月決算・配当シーズン、NISA積立投資家の結論
金価格の下落・決算シーズン・配当入金——3つが重なる今月は「何か行動しなければ」と焦りやすい局面です。でも、インデックス投資家の正解は「積立継続+年1〜2回のリバランス」という基本を守ることです。
自分のポートフォリオが「どんな状態にあるか」を客観的に把握するには、無料のポートフォリオ管理ツール「PFWise」が便利です。入力するとすぐに、9指標のPFスコアで点数の低い項目が分かります。
関連書籍(もっと学びたい方へ)
JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則
ニック・マジューリ (著)
配当再投資・積立継続・分散の重要性をデータで示した必読書。「積立を止めない」理由が数字で理解できます。
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※2026年10月23日に、公開後の事実確認(独立監査)を受けて訂正しました。公開時の記事は、金価格が2026年5月に1オンス5,600ドルを超えたと書いていましたが、公開時点の価格(5月1日の終値4,612.89ドル・現物)と合わないため改めました。主な訂正箇所は、タイトルと説明文、金価格と年初来の上昇率、円換算・グラム換算・延べ棒の金額の計算、実質金利の記載、株と金の値動きの関係、円安時の円建て金価格の説明、「Sell in May」に関するデータの記載、中央銀行の購入量、オルカンの国数と銘柄数、NISAで配当が非課税になる条件、PFWiseの機能に関する記載、OGP画像の見出しです。さらに2026年10月24日に、再度の独立監査を受けて、決算発表の時期の「下旬」と、為替ヘッジの用語解説の「追加手数料」を削除しました。
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