FRB7月利上げ確率が25%に急上昇——「Higher for Longer」で新NISA積立は止めるべき?過去の利上げ局面のS&P500を実データで検証【2026年6月・初心者向け】
2026年6月、市場が織り込む「7月のFRB利上げ確率」が一時25%まで急上昇し、利下げどころか利上げを警戒する『Higher for Longer』観測が再燃。半導体株の調整と重なり不安が広がっています。でも積立を止めるべきか——過去の利上げ局面(2022年・2015〜2018年)でS&P500が実際どう動いたかを実データで確認し、新NISAのオルカン・S&P500積立への意味を初心者向けに解説します。
投資初心者でも分かるように解説します。2026年6月、投資クラスタのタイムラインに 「7月のFRB利上げ確率が25%に急上昇」という言葉が一気に増えました。 ついこの間まで「いつ利下げするか」を議論していたのに、わずか数か月で 「利下げどころか利上げか?」へと空気が逆回転したのです。
同じ時期に半導体株が大きく調整し、SNSでは 「良いニュースが出ても株は下がる」「そろそろAIバブルも終わりでは」という不安な投稿が目立ちました。 もしあなたが新NISAでオルカン(全世界株式)やS&P500を毎月積み立てているなら、 こう感じても無理はありません——「いったん積立を止めて様子を見たほうがいいのでは?」
この記事の結論を先に言います。「7月利上げ確率25%」は積立を止める理由になりません。 なぜそう言い切れるのか——雰囲気ではなく、過去の利上げ局面でS&P500が実際にどう動いたかという 歴史の数字で確認していきましょう。
そもそも「7月利上げ確率25%」とは何の数字か
まず誤解をほどきましょう。「利上げ確率25%」は、誰かが決めた予定でも、FRBの公式発表でもありません。 これは金利先物市場で取引している投資家たちが、結果的に織り込んでいる確率です。 (CME FedWatchなど、金利先物から逆算する指標で誰でも確認できます。) かみ砕くと、「7月の会合で利上げがある」に賭けているお金と「ない」に賭けているお金の比率から、 逆算して出てくる“市場の体感温度”のようなものです。
25%という数字は「4回に1回は利上げがありうると市場が身構えている」状態を意味します。 裏を返せば75%は『据え置き』を見込んでいるということでもあります。 ニュースの見出しは「急上昇」を強調しますが、メインシナリオは依然として「金利は今のまま」です。 ここを混同すると、必要以上に怖くなります。
なぜ「良いニュースが悪いニュース」になるのか
この局面でよく言われる「good news is bad news(良いニュースが悪いニュース)」という地合いも、 仕組みを知ると怖くなくなります。
たとえば「雇用が強い」「景気が良い」という本来ポジティブな経済指標が出たとします。 普通なら株高の材料です。ところが今の市場では、強い経済指標は 「インフレがまだ収まらない → FRBが利上げを続けるかも → 金利が高いまま」という連想につながり、 株にとっては逆風と受け取られるのです。これが「良いニュースが悪いニュース」の正体です。
重要なのは、これは企業がダメになったから下げているのではないという点です。 むしろ景気が強すぎることへの警戒で下げている。 つまり下落の原因が「業績悪化」ではなく「金利の見通し」にある、という違いを押さえておきましょう。
金利が上がると、あなたのオルカン積立はどうなる?
では本題です。金利が上がると、あなたが積み立てているオルカン・S&P500は実際どうなるのでしょうか。 短期と長期に分けて、正直に説明します。
短期(数週間〜数か月):株価は下がりやすくなります。特に半導体・ハイテクなど グロース株の比率が高いS&P500は、金利上昇のニュースに敏感に反応します。 ここは隠してもしょうがないので、はっきり言います。当面、評価額が減る日が増える可能性は高いです。 (これは見通しであって確定ではありません。相場の方向を当てる話ではない点に注意してください。)
長期(数年〜):ここが本記事でいちばん伝えたいところです。 金利の上げ下げは数か月〜数年単位のサイクルで動きますが、 あなたの積立が乗っているのは「世界の企業が利益を生み続ける」というもっと長いエンジンです。 金利という“向かい風”は、企業利益の成長という“追い風”の前では、長い目で見ると一時的なノイズに近い。 これを次の章で、雰囲気ではなく実際の数字で確かめます。
【本記事の核心】過去の利上げ局面で、S&P500は実際どうなったか
「利上げ=株安」というイメージは半分正しく、半分間違っています。 PFWiseが一貫してお伝えしているのは、感情ではなく過去のデータで判断するという姿勢です。 では、実際の利上げ局面を2つ振り返りましょう。
ケース1:2022年——一年かけて急ピッチで利上げした年
2022年は、FRBがインフレ退治のために1年で政策金利をほぼゼロから4%超まで引き上げた、 近年で最も激しい利上げの年でした。結果、S&P500はその年およそ−18%下落しました(配当込みのトータルリターン基準)。 「やっぱり利上げで暴落するじゃないか」と思うかもしれません。確かに、その年だけを見れば苦しい1年でした。
ですが続きがあります。2022年に積立を止めずに続けた人は、 その後の回復でS&P500が史上最高値を更新していく場面に乗ることができました。 年ごとのS&P500の動きを並べると、こうです(出典:S&P Dow Jones Indices等の年間リターン公表値・配当込みのトータルリターン・概数)。 なお利上げが本格化したのは2022年で、2023年以降は利上げ停止〜利下げへ向かう局面だった点も押さえておきましょう。
- 2022年:約−18%(急ピッチで利上げした年)
- 2023年:約+26%(利上げが一巡し、大きく反発)
- 2024年:約+25%(続伸し最高値を更新)
もし2022年の下落で怖くなって積立を止めていたら、続く2023〜2024年の二桁上昇をまるごと取り逃していた計算になります。 むしろ2022年に株価が安かった時期は、同じ1万円でより多くの口数を買えた“仕込みの時期”だったのです。 この『安いときに多く買えていた』効果は、後でじわじわ効いてきます。
ケース2:2015年末〜2018年——3年かけてジワジワ利上げした局面
2015年12月から2018年にかけて、FRBは政策金利を0.25%から2.5%付近まで段階的に引き上げました (いずれもFRB/FOMCの公表履歴で確認できます)。 まさに今話題の「金利が高いまま続く」局面に近い状況です。この3年間、S&P500は 途中で何度も下落をはさみながらも、トータルでは上昇しました。 利上げのたびに「これで株は終わりだ」という声が出ましたが、結果として積立を続けた人が報われた局面です。
2つのケースから言えることはシンプルです。 利上げ局面でも、企業が利益を伸ばし続けている限り、長期では株価は上を向きやすい。 下落はするが、それは“終わり”ではなく“通過点”だった——というのが歴史の答えです。
100万円のオルカン積立は、具体的にどう動くのか
数字を生活感覚に落とし込みましょう。仮にあなたがオルカンを100万円分持っていて、 利上げ警戒で市場が−5%動いたとします。評価額は−5万円、つまり100万円が95万円になります。 たしかに見ると痛い。けれど、ここで2つの事実を思い出してください。
- その−5万円は売って初めて確定する損であり、持ち続けている限りは「画面上の数字」にすぎない。
- 毎月積み立てているなら、その下落中もあなたは安い価格で口数を買い増している。 95万円に下がった月の積立は、100万円のときより多くの口数を仕込めている。
逆に、利上げを警戒して積立を止めた場合はどうなるか。 下落中の“安く買えるチャンス”をまるごと逃し、 株価が戻り始めてから慌てて買い直す——という、最も不利な行動になりがちです。 高いときに買い、安いときに買わない。止めるという判断は、しばしばこれを引き起こします。
今あなたが取るべき3つの行動
では、この「7月利上げ確率25%」のニュースを受けて、具体的に何をすればいいのか。 初心者がやるべきことは、拍子抜けするほどシンプルです。
- 積立はそのまま続ける。 設定を一切いじらない。これが最善手です。 利上げ確率のニュースで積立額を減らしたり止めたりしない。
- 評価額のチェック頻度を下げる。 下げ相場で毎日アプリを開くと、 不安だけが積み上がって不要な売却につながります。月1回で十分です。
- 余剰資金があるなら、淡々と。 下落局面は口数を多く仕込める時期。 ただし無理な買い増しは不要で、いつもの積立を続けるだけで効果は十分に出ます。
あなたの資産配分(オルカンやS&P500を何%持つか)を見直すのは、 金利ニュースが出たときではなく、自分のライフプランが変わったときです。 市場の体感温度に合わせて配分をいじるのは、長期投資ではむしろ逆効果になりやすいことを覚えておきましょう。
まとめ
「7月利上げ確率25%・Higher for Longer」というニュースは、確かに短期の株価には逆風です。 半導体株の調整と重なり、不安をあおる投稿も増えています。 でも、その正体は「企業が悪くなった」ではなく「金利の見通しが変わった」という下落でした。
そして過去の利上げ局面——2022年も、2015〜2018年も—— 下落をはさみながら、長期では積立を続けた人が報われてきたというのが歴史の答えです。 利上げという向かい風は数か月〜数年で向きを変えますが、 あなたの積立が乗っている「世界経済が利益を生み続ける」というエンジンは、もっと長く回り続けます。
今すべきことは、積立を止めないこと。 ニュースの体感温度ではなく、過去の数字が示す事実を信じて、淡々と続けましょう。それだけです。
※本記事はインフォメーション目的です。投資は自己責任で行ってください。 利上げ確率などの数値は市場の織り込みであり、将来を保証するものではありません。 書籍リンクはAmazonアソシエイトのアフィリエイトリンクです。
関連書籍(もっと学びたい方へ)
ウォール街のランダム・ウォーカー【株式投資の不滅の真理】
バートン・マルキール
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