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【初心者向け】暴落が来ても積立を続けるべき3つの理由

S&P500過去50年の調整局面は平均3-4ヶ月で回復。ドルコスト平均法が暴落を味方に変える仕組みとパニック売りの損失データ。NISAの非課税メリットを活かす心構えを解説。

investment beginner nisa

暴落が来たとき、あなたはどうしますか?

NISAで積立を始めたばかりの方が、最初の暴落を経験すると、ほとんどの人が不安になります。毎日のように「日経平均4,000円暴落」「S&P500急落」というニュースが流れ、SNSには「やっぱり投資は危険」「全部売った」という声が溢れます。

含み損の赤い数字を見るのはつらいものです。でも、結論から言うと、暴落時にやるべきことは「何もしない」。もっと正確に言えば、今まで通り積立を続けることです。

この記事では、投資初心者の方に向けて、暴落でも積立を続けるべき3つの理由を、難しい専門用語を使わずに解説します。

理由1: 暴落は「いつも」起きるが、「いつも」回復してきた

S&P500の過去50年——暴落と回復の歴史

株式市場の歴史は、暴落と回復の繰り返しです。S&P500(アメリカの大企業500社の株価指数)の過去50年を振り返ると、10%以上の下落は平均して1-2年に1回の頻度で起きています。

主な暴落とその回復期間を見てみましょう。

  • 1987年 ブラックマンデー: 1日で-22.6%の暴落 → 約2年で回復
  • 2000-2002年 ITバブル崩壊: -49%の暴落 → 約4年半で回復
  • 2008-2009年 リーマンショック: -56%の暴落 → 約4年で回復
  • 2020年 コロナショック: -34%の暴落 → わずか5ヶ月で回復
  • 2022年 インフレショック: -25%の下落 → 約1年半で回復

最も厳しかったリーマンショックでさえ、4年で回復しています。コロナショックに至っては、わずか5ヶ月で元の水準を取り戻しました。

一方、この50年間でS&P500は約130倍に成長しています。1975年に100万円を投資していたら、2025年には約1億3,000万円になっている計算です(配当再投資を含む)。途中の暴落を全部経験した上でのこの結果です。

「調整局面」は平均3-4ヶ月で回復

20%未満の下落(調整局面)に限れば、過去の平均回復期間は約3-4ヶ月です。つまり、「調整が来た!」とパニックになって売ったとしても、3-4ヶ月後には「売らなければよかった」と後悔する可能性が高いのです。

暴落は怖いものですが、長期投資の時間軸で見れば「一時的な出来事」に過ぎません。50年の間に何度も暴落が起きましたが、それでも市場は右肩上がりに成長してきました。

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理由2: ドルコスト平均法が暴落を「味方」に変える

仕組みはシンプル——安いときに多く買える

ドルコスト平均法の仕組みは非常にシンプルです。毎月同じ金額(たとえば3万円)を投資すると、以下のようになります。

  • 株価が高い月: 3万円で買える口数は少ない
  • 株価が安い月: 3万円で買える口数は多い

つまり、暴落して株価が下がっているときこそ、同じ金額でたくさんの口数を買える「バーゲンセール」なのです。

具体例で見るドルコスト平均法の効果

毎月3万円をS&P500インデックスファンドに積み立てる場合を考えます。基準価額(1口あたりの値段)が以下のように変動したとします。

  • 1月: 基準価額 20,000円 → 3万円で1.50口購入
  • 2月: 基準価額 18,000円(-10%下落)→ 3万円で1.67口購入
  • 3月: 基準価額 15,000円(-25%暴落)→ 3万円で2.00口購入
  • 4月: 基準価額 16,000円(回復途中)→ 3万円で1.88口購入
  • 5月: 基準価額 19,000円(ほぼ回復)→ 3万円で1.58口購入
  • 6月: 基準価額 20,000円(完全回復)→ 3万円で1.50口購入

6ヶ月間で投じた合計は18万円、取得した合計口数は10.13口です。平均取得単価は18万円 ÷ 10.13口 = 約17,770円

株価が20,000円に戻った時点で、保有資産は10.13口 × 20,000円 = 202,600円。投資額18万円に対して+22,600円(+12.6%)のリターンです。

もし暴落が怖くて3月と4月に積立を止めていたら、4ヶ月で12万円投資、6.25口取得、資産は125,000円で+5,000円(+4.2%)。暴落時に積立を続けた人の方が3倍も多くリターンを得ているのです。

「安く買えるチャンス」と思えるかどうか

スーパーで「全品30%オフ」のセールがあれば、みんな喜んで買い物に行きます。でも株式市場で「全品30%オフ」になると、なぜかみんな逃げ出します。

冷静に考えれば、長期で使わないお金で投資しているなら、暴落はバーゲンセールと同じです。「怖いから買わない」ではなく、「安いからたくさん買える」と考えられれば、暴落は味方になります。ドルコスト平均法なら、この「安いときにたくさん買う」を感情に関係なく自動的にやってくれるのです。

理由3: パニック売りは「最悪のタイミングで売る」こと

パニック売りのデータ——年間リターンの大部分は数日で決まる

投資で最もやってはいけないことは、「暴落時に売って、回復時に買い戻す」です。これは口で言うほど簡単ではなく、ほとんどの人が「底値で売って、高値で買い戻す」という最悪のパターンにはまります。

なぜかというと、株式市場の年間リターンの大部分は、ほんの数日間の大幅上昇日に集中するからです。JPMorganの調査によると、過去20年間のS&P500で以下の結果が出ています。

  • 全日投資を続けた場合: 年平均リターン 約9.8%
  • 上昇率トップ10日を逃した場合: 年平均リターン 約5.6%
  • 上昇率トップ20日を逃した場合: 年平均リターン 約2.9%
  • 上昇率トップ30日を逃した場合: 年平均リターン 約0.8%

20年間(約5,000営業日)のうち、たった10日を逃すだけで、リターンは半分近くに減るのです。そして、この「最も上がる日」は暴落の直後に来ることが多い。パニック売りで市場から離れている間に、最大の上昇日を逃してしまうリスクが極めて高いのです。

「売って正解だった」が難しい理由

「暴落の前に売って、底値で買い戻せばいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、これには2つの問題があります。

  • いつが「底」かは誰にもわからない: 暴落は「もう底だろう」と思ったところからさらに下がることもあれば、「まだ下がる」と思ったところが底だったこともあります。プロのファンドマネージャーでさえ、底値を当てることは困難です
  • 売った後に「いつ買い戻すか」を判断できない: 売った後、株価が少し反発しても「また下がるかも」と怖くて買い戻せず、結局、株価が大幅に回復してから慌てて買い戻す——これが典型的なパニック売りの失敗パターンです

パニック売りの損失を具体的に計算してみる

NISAで100万円分のオルカンを持っていて、20%の暴落が来たケースを考えます。

  • 何もしない場合: 100万円 → 80万円(暴落) → 100万円(回復)。損失ゼロ。NISAなので税金もゼロ
  • パニック売りの場合: 100万円 → 80万円(暴落)で売却 → 10%回復した88万円の時点で買い戻し → 100万円に回復した時点で資産は約90.9万円。約9万円の損失。しかもNISAの非課税枠を使い切ってしまう

パニック売りは、含み損を「確定損」に変えてしまう行為です。含み損はまだ損が確定していない状態——株価が戻れば消えます。しかし、売ってしまえば損が確定し、取り返すにはもう一度買い直す必要があります。

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NISAの非課税メリットを活かすための心構え

NISAで売ることのもう1つのデメリット

暴落時にNISA口座で売ることには、利益を逃す以外にもう1つの大きなデメリットがあります。使った非課税枠が戻るのは翌年ということです。

2024年から始まった新NISAでは、年間の非課税投資枠は「つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円」の合計360万円です。売却した枠は翌年に復活しますが、その年のうちには使えません。

つまり、暴落時に100万円分を売却して、底値で買い戻そうとしても、今年の枠をすでに使い切っていたら買い戻せないのです。これでは暴落後の回復局面で取り残されてしまいます。

5つの心構え

暴落に動じずに積立を続けるための心構えをまとめます。

  • 1. ニュースを見すぎない: メディアは暴落を「事件」として報じるのが仕事です。毎日株価を確認する必要はありません。NISAの積立は自動設定にして、月1回だけ確認すれば十分です
  • 2. 「投資に回していいお金」だけを投資する: 生活費や1-2年以内に使うお金は投資に回さない。これが守れていれば、暴落で焦る必要がありません
  • 3. 暴落は「バーゲンセール」と考える: 毎月の積立額は変えなくていい。同じ金額でたくさん買えることを喜びましょう
  • 4. 過去の暴落と回復を思い出す: リーマンショック(-56%)でさえ4年で回復。コロナショック(-34%)は5ヶ月で回復。歴史は繰り返します
  • 5. 投資の目的を思い出す: 老後資金や子供の教育費など、10年・20年先の目標のために投資しているはず。目先の下落に一喜一憂する必要はありません

「暴落が怖い」と感じたときのチェックリスト

それでも暴落が怖いと感じたときは、以下のチェックリストを確認してみてください。

  • 生活防衛資金(生活費6ヶ月分)は確保しているか? → Yesなら問題なし。投資は余裕資金でやっている証拠
  • 10年以上使わないお金で投資しているか? → Yesなら問題なし。来年使うお金なら投資すべきではない
  • 投資している対象は分散されているか? → オルカンやS&P500なら数百〜数千の企業に分散済み
  • 毎月の積立が生活を圧迫していないか? → 圧迫しているなら積立額を減らすのはOK。ゼロにはしない

すべてYesなら、暴落時の正解は「いつも通り積立を続ける」です。

よくある質問

Q: 暴落前に売って、底値で買い戻せばもっと儲かるのでは?

理論上はそうですが、実践するのは極めて困難です。「いつが天井か」「いつが底か」は、世界最高の投資家でも予測できません。ウォーレン・バフェットも「市場のタイミングを計るな。市場にいる時間を長くしろ」と言っています。タイミングを計ろうとして失敗した投資家の損失データ(上昇率トップ10日を逃すとリターンが半減)が、この難しさを証明しています。

Q: 積立額を減らすのはあり?

生活費が苦しくなっているなら、積立額を減らすのは合理的な判断です。大事なのは「ゼロにしないこと」。月3万円が厳しければ1万円でもいい。少額でも積立を続けることで、ドルコスト平均法の効果を享受し続けることができます。

Q: 投資信託からETFに変えたほうがいい?

暴落時にNISAの投資対象を変更する必要はありません。オルカンやS&P500のインデックスファンドを積み立てているなら、そのまま続けてください。商品を変更するための売却は、前述のNISA枠消費やタイミングリスクの問題を引き起こします。

Q: 暴落時に「追加投資」したほうがいい?

余裕資金があり、長期投資のつもりなら、暴落時の追加投資は合理的です。ただし、「底値を当てよう」としないこと。一度に全額投入するのではなく、数回に分けて追加するのが安全です。また、追加投資はあくまで余裕資金から。生活防衛資金を崩してまで追加投資するのは避けましょう。

まとめ——暴落は「通過点」、積立は「武器」

株式市場の歴史を振り返ると、暴落は必ず起きますが、必ず回復してきました。S&P500の過去50年で130倍の成長は、数々の暴落を乗り越えた結果です。

積立投資(ドルコスト平均法)は、暴落を「安く買えるチャンス」に変える仕組みです。感情に左右されず、機械的に毎月同じ金額を投資し続けることで、長期的なリターンを最大化できます。

パニック売りは「最悪のタイミングで売る」行為です。上昇率トップ10日を逃すだけでリターンが半減するデータは、市場に居続けることの重要性を教えてくれます。

NISAの非課税メリットは、長期で保有してこそ最大化されます。暴落は怖いものですが、10年後・20年後から振り返れば、それは長い投資人生の中の「通過点」に過ぎません。

次の暴落が来たとき、この記事を思い出してください。そして、いつも通りの積立を続けてください。それが、個人投資家にとって最も確実な資産形成の方法です。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。